●プラチナ・プリントの第一人者 井津建郎氏が主催
世界の遺跡 を撮影するNY在住の日本人写真家・井津建郎。プラチナ・プリント作品の第一人者として世界的に知られています。清里フォトアートミュージアムはその優れた作品に注目、井津建郎の作品を収集し、1996年には「アンコール遺跡 光と影」展を開催しました。同展は現在全米各地を巡回しています。
●一人の写真家が背負う「2つの使命」
アンコール遺跡と 井津建郎の関係。そこには井津氏にあらかじめ用意されていた2つの使命があるかのように思われます。
一つは、完璧なプラチナ・プリント作品の制作。植物や自然環境の侵食と風化が激しく、刻々と変化を続ける生き物のようなアンコール遺跡をフィルムに焼き付けることは、遺跡をテーマに作品制作を続ける写真家・井津建郎の大きな使命だったのではないでしょうか。
もう一つは、 撮影先であるカンボジアで、地雷で手足を失ったこどもたちの姿を目の当たりにし、まったく未知の世界であるこども病院建設プロジェクトを立ち上げたことです。プロジェクト開始後4年という異例の早さでこども病院は開院しました。しかし、施設の開設はあくまでスタートライン、問題は今後の運営を持続させることです。写真芸術から出発した平和活動は現在もその途上にあるのです。
●清里フォトアートミュージアムも支援
1995年、 アンコール遺跡作品すべての売り上げをプロジェクトに寄付するという井津氏の決意に賛同し、清里フォトアートミュージアムは全作品を購入しました。
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