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1999/04
第3回プラチナ・プリント・ワークショップのお知らせ
毎回御好評のプラチナ・プリント・ワークショップ(2日間)を9月に開催い たします。清里フォトアートミュージアムでは、年2回プラチナ・プリント・プ リントのワークショップを行っています。くわしくは、当館までお問い合わせく ださい。

また、友の会・会報7号(6月20日発行)では、今年3月に行ったワークショップの講師、細江賢治氏による実技についてのお話を特集しています。
第2回の記事もご覧ください。

  • 日時:1999年9月10日(金)、11日(土)
  • 講師:細江賢治(写真家)
  • 定員:16名

*参加はモノクロ・プリントの経験者に限らせていただきます
*申込受付 : 7月10日より

●募集●1999年度ヤング・ポートフォリオ作品募集 ※応募対象年齢35歳まで(募集期間早まる)
99年度より応募対象年齢が30歳から35歳へ変更となります。
また、毎年6月1日−30日の期間に応募作品の受付けをしていましたが、今年の募集は1ヶ月早く、5月1日からとなりました。

  • 応募受付期間:1999年5月1日〜31日 *31日必着
  • 99年度選考委員:今井寿恵、川田喜久治、細江英公(館長)
  • 応募対象:1964年1月1日以降に生まれた方
  • 応募先:〒407-0301 山梨県北巨摩郡高根町清里3545-1222
         清里フォトアートミュージアム「ヤング・ポートフォリオ」係
  • 作品には、作品票の添付が必要です。封筒に90円切手を同封の上、下記宛てに応募要綱をご請求ください。

ヤング・ポートフォリオに関するくわしい情報は基本理念のページをご覧ください。

井津建郎「アンコール遺跡 光と影」展 −その後−
1996年、清里フォトアートミュージアムでの展覧会を機に動き出した井津建郎氏の小児病院建設プロジェクト
*清里フォトアートミュージアムは、N.Y在住の写真家・井津建郎氏が主催するNGO「フレンズ・ウィズアウト・ア・ボーダー」(FRIENDS WITHOUT A BORDER/国境なき友人たち) の活動と基金(アンコール・フレンズ基金)を支援します。

世界の遺跡を撮影する井津氏は、カンボジアのアンコール・ワットを撮影中、現地で地雷の犠牲となり、手足を失った子どもたちの姿を目の当たりにし、1995年にカンボジアの子供たちのための病院 建設を決意 NGO「フレンズ・ウィズアウト・ア・ボーダー」を結成、基金を設立し、井津氏撮影のアンコールワット遺跡の写真の売り上げをすべて病院への資金に充てたほか、個人や団体の寄付を募るなどの活動を重ねていました。
4年後の1999年2月22日、一人の写真家の夢と、地道で粘り強い活動が実を結び、「アンコール小児病院」(ANGKOR HOSPITAL FOR CHILDREN)がシェムリアップ州に開院し、盛大な開院式が行われました。
日本からは東京・大阪・福岡よりNGOのメンバーを含む約70名が参加、清里フォトアートミュージアムからは館長と広報担当者の2名が出席しました。
日本のメンバーが現地に到着したのは開院式前日の2月21日。既に診療は始まっており、病院関係者によると、地雷の被害にあった子どもたちの数よりも、様々な病気に犯されながらも貧しいために治療をうけることができなかった子供たちの方が、さらに多いのが現状だということです。

また、病院のボランティア数はまだ不足しており、専門知識をもち、英語で技術研修や講義のできる日本人スタッフ(特に看護婦さん)が必要とされていること、「カンボジアは危険だ」という先入観や情報が一人歩きし、優秀なボランティアが現地に来にくい、という現状もあるとのことです。
実際、「小児病院の付近の地雷は撤去されており、数年前に報道されたような政情不安もほぼ解消され、日本や欧米と比較しても犯罪は少ないことを日本の心ある方々に伝えてほしい、そして病気や貧困に苦しむカンボジアの子供たちと、将来を担う現地医療スタッフのため、一人でも多くの日本人がボランティアとして現地にこられるように働きかけてほしい」と、国連ボランティアから派遣された日本人、三恵子・モーガン女史も語っていました。

開院式当日の病院前 開院式当日の2月22日。カンボジアは毎日晴天が続く乾季に当たり、気温は約30度。カンボジアのフン・セン第一首相は円借款のため日本を訪れている最中です。病院周辺は銃をもった兵士の厳戒態勢の中、シハヌーク国王ご夫妻の肖像画を前に高僧5名の方々、フン・セン首相代理のサー・ケング閣下、内務省大臣、保健省大臣、シエムリアップ州知事のトン・チャイ氏、アンドレ・ジャン・リブレルフランス大使代理、キニース・クィンアメリカ大使代理 が列席、総勢250名が式典に参加しました。地元小学生の古典楽器によるお祝いの演奏に始まり、政府高官の祝辞に終わる約2時間の式典は、厳粛且つ盛大に執り行われました。
開院式で挨拶する井津氏 井津氏は英語の挨拶の中で、構想4年にして、3千人を超える世界中の人々の協力を得て開院を向かえた「アンコール小児病院」は、まさに愛と友情のシンボルであり、このプロジェクトは、2007年、現地コミュニティに施設を譲り渡すまで続くこと、それまでにシエムリアップ州全体の医療レベル向上に貢献できるよう一層努力し、NGOメンバーにも末永い協力を願うというものでした。井津氏は最後に「世界中の子供の将来が、戦争の無い、友情に満ちた、より明るいものであることを祈り、私にこの夢を授けてくれたアンコール遺跡に感謝を捧げて、私の挨拶を終わらせて頂きます。」と結んでいました。

診察の様子 病院のベッド
2007年まであと8年。小児病院は年間6000万円の運営資金が必要であり、優れた人材を送ること、現地の人材を育てることのほか、今後病院を運営するためには、これまで以上に多くの方々の協力が必要と思われます。井津氏やNGOメンバーからは、建築の完成はあくまでスタートラインで、これからの8年間とその後こそが、本当の意味で病院の実動になっていく、という認識と決意が強く感じられました。

清里フォトアートミュージアムも「写真」を媒介とし、井津氏の活動を長期的に支援してゆく考えです。
(清里フォトアートミュージアム広報担当/小川 直美)


清里フォトアートミュージアムのこれまでの支援活動

  • 1996年4月27日〜9月29日まで、世界・日本各国に先駆けて井津氏のプラチナ・プリント新作展「アンコール遺跡 光と影」を開催、展覧会作品のすべてを購入。現在展覧会はアメリカ各地を巡回中。
  • 1996年5月15日 東京都写真美術館・ホールにて井津建郎氏・清里フォトアートミュージアム館長・細江 英公のトークセッションを行う。
    約150名が参加。会場には、アンコール遺跡の調査・保存活動に当たられ、今回開院した小児病院の敷地紹介や人材の派遣など多方面から井津氏を支援している上智大学の石澤良昭教授もお越しくださり、遺跡について、専門家としてのコメントを頂きました。
    トークでは、井津氏のアンコール遺跡の作品や制作過程をスライド上映したほか、小児病院建設プロジェクトについての理解・協力を求めました。
  • 展覧会期間中、館内にて募金活動を行い、50万円を寄付。
    *1999年4月より館内での募金活動を再開いたします。
  • 井津建郎氏が作成した手刷りのグラヴィア・エディション(1点42、000円/12枚セット420、000円)をミュージアムショップで購入し、販売中。
    これらの作品の売り上げはすべて基金に充てられました。


<フレンズ・ウィズアウト・ア・ボーダーによる開院記念特別イベント(東京)
  • 筑紫哲也氏と福岡政行教授によるトークセッション
    有名人所有グッズのオークション

    日時 : 4月16日(金)午後6時
    会場 : 大崎ゲートシティアトリウム
    *16日(金)・17日(土)・18日(日)の3日間は井津氏が会場にいらっしゃいます。

  • 「古代遺跡写真展」 −石の記憶−
    現代文明のルーツを辿る古代ロマン
    (一部チャリティー展)
    井津氏が撮影した世界の遺跡のプラチナ・プリント作品約90点。(アンコール遺跡を含む)

    期間 : 4月17日(土)〜5月9日(日)
    会場 : (東京)大崎ゲートシティーホール (JR山手線・大崎駅 ゲートシティ大崎地下一階)
    時間 : 午前11時〜午後8時
    入場料 : 一般・大学生500円 / 高・中・小300円 *前売りはチケットぴあ、CNプレイガイドにて(前売りは各100円引)

    主催:ゲートシティ大崎
    後援:TBS、カンボジア王国大使館、日本広告写真家協会、フレンズ・ウィズアウト・ア・ボーダー
    協力:日本油脂、フォト・ギャラリー・インターナショナル、光村印刷、関西美術印刷
    企画制作:メガプレスエージェンシー、ブレインズワーク・アソシエイツ、アプローズ

<フレンズ・ウィズアウト・ア・ボーダーに関する情報・お問い合わせ>
http://www.friendswithoutaborder.org
Eメール:fwab@interport.net

フレンズ・ウィズアウト・ア・ボーダー東京オフィス 松島彰雄
〒153−0061 東京都目黒区中目黒5−1−18
TEL&FAX 03−5722−2381


アンコール・フレンズ基金 福岡事務局
〒811−0213 福岡市東区和白丘2−11−17
TEL:092−608−1210
FAX:092−608−1241

1998年度ヤング・ポートフォリオレセプション
1998 Young Portfolio授与式 「1998年度ヤング・ポートフォリオ」(公募展)で、K・MoPAがコレクションを決定 した作家への「作品永久保存証書」授与式およびオープニングレセプション を3月20日(土)13:00より、レストラン ラ・プルミエールにて行いました。

暖かく穏やかな日が続いた清里でしたが、この日は珍しく、朝から雪。会場のラ・プルミエールから見える自然の木立も真っ白な雪化粧をほどこし、参加者には忘れられない一日となったことでしょう。
レセプションには、購入者51名のほか家族や友人などの同伴者、招待者など総勢130名が出席されました。
レセプション会場の様子1 レセプション会場の様子2

来賓御祝辞 来賓の中からは、1998年度選考委員の長野重一氏に若い作家たちへの激励として御祝辞を頂き、若手作家の中からは、代表で百瀬俊哉氏と谷本美加氏、そして今回購入した89名の作家の中で最年少の一人、四ツ谷百恵氏(応募当時19歳)にコレクションの喜びを語って頂きました。

細江館長 細江館長から「応募年齢を35歳までに引き上げます。」という発表があると、集まった作家たちの間ではその話題でもちきり、今年で最後の応募と思っていた30歳の作家たちは 「チャンスが増えてとてもうれしい」「また頑張って写真を撮り続ける勇気がでた」「これまでコレクションされた30歳以上の作家が実力をつけて再度挑戦してくるので、レベルが上がり、選考も厳しくなるのでは」と 期待と緊張に満ちた本音を語っていました。
1998 Young Portfolio授与式 時ならぬ雪のため、遅れて会場入りをした購入者たちにも、到着次第「作品永久保存証書」が授与されると、K・MoPAの運営委員、館長、スタッフと共に、全員で記念撮影を 行い、式は和やかに終了しました。

既に1999年度の応募が始まっています。

1998 Young Portfolio1 1998 Young Portfolio2 1998 Young Portfolio3
第2回 プラチナ・プリントワークショップを開催して
1999年3月6日(土)・7日(日)の2日間、清里フォトアートミュージアムで、プラチナ・プリントワークショップを行いました。

当日の様子その1 定員8名。講師は、写真家の細江賢治氏。徳島県・兵庫県など遠方から積極的に参加される方もあり、その内3名は現役のフォトグラファー、”普段は看護婦さん”という方など、このワークショップでなければ決して出会うことのないバラエティー豊かな職種の方々が、好きな「写真」を通して集まりました。

受講者とスタッフは6日の朝10:00K・MoPAに集合。前日から電車で清里入りした方、当日の早朝に自家用車や高速バスで清里に到着した方など、交通手段も様々でした。K・MoPAでは「収蔵作品展:プラチナ・プリント・コレクション」を開催中。国内外の、一流のプラチナ・プリント作品とその歴史を細江講師のレクチャーを受けながら間近に鑑賞した後、各自宛てに事前に送付してあったテキストについての講義を受け、 参加者一人一人をモデルに撮影、フィルム現像と細江講師のデモンストレーションを行い、第一日目は夕方6:00に終了し、それぞれがK・MoPA併設の保養所・パトリや近隣のホテルに宿泊しました。
翌日の7日は、朝9:00に開始。前日撮影したネガを試行錯誤を繰り返しながら3回プリントを行い、最後に講評、夕方5:00に全日程を終了しました。

当日の様子その2 当日の様子その3
細江賢治講師の丁寧でわかりやすい指導はとても好評で、ほとんどの参加者が、また受講してみたいと語っていました。
参加者の率直な感想は、
「20年前からプラチナ・プリントに興味をもっており、やっと受講できてとてもうれしい。すぐに自分の作品に応用したい。これから長生きして、200〜300年といわれるプラチナの保存性をこの目で確かめてみたい」
「手作りの楽しさを再発見した」
「プリントできるのは1回だけだろうと覚悟してきたが、3回もできたので覚えることができた」
「テキストを読むだけではではわからなかったことが、実際に作業をしてよくわかった」
「仕事でコマーシャル写真ばかり撮っているが、死ぬまでに一度プラチナをやってみたかった。展覧会の素晴らしい作品と自分のプリントを比べることができ、その難しさを痛感した」
「友の会の会報でプラチナ・プリントの存在を知り、どんなものなのか興味をもち、いろいろ想像していた。とても有意義な時間が過ごせた」
など、2日間思い切り写真を堪能した喜びを語ってくれました。
細江講師は、「今回のワークショップを機会に、これからは自分で撮りたいものや、プラチナ・プリントに向いている美しいものを被写体とした作品制作に役立ててほしいです。」と答えていました。

K・MoPAでは、友の会・会員の方を優先に、今後も年2回、プラチナ・プリントのワークショップを行う予定です。
第2回のキャンセル待ちが15名と、受講者の倍の人数になってしまったこともあり、より多くの方にプラチナ・プリントの素晴らしさを知っていただくため、 第3回は定員を増やし、9月の開催を予定しています。日程や応募受付けなどは、友の会・会報誌上、写真雑誌、K・MoPAのホームページで発表します。

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copyright(c)1999・Kiyosato Museum of Photographic Arts