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「アンコール小児病院」サポート・プロジェクト2002
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「アンコール小児病院」サポート・プロジェクト2002

2001年に引き続き、今年もK・MoPA音楽堂にて8/24(土)・25(日)の両日、「アンコール小児病院」サポート・プロジェクトを開催しました。

 24日のテーマは「地雷廃絶のために」。第一部で、報道写真家・小林正典氏が戦場から持ち帰った本物の「地雷」を手に取った会場の方々は、人間の一生を奪う兵器の恐ろしさを再認識されたようでした。


休憩時間中、地雷を前に説明をする小林正典氏

小林氏は、自身の写真集『対人地雷カンボジア』を中心としたスライドで、手足を失ったこどもは成長する足に義足追いつかず、痛みが増していくこと、地雷被害にあった14歳の少女が「自分の人生は終わった、もう誰にも会いたくない」と、絶望していることなど、現実に起こっている非情な出来事を私たちに教えてくれました。
小林正典氏  

第二部はカンボジアの「アンコール小児病院」を運営するNGO「フレンズ・ウィズアウト・ア・ボーダー」主宰者であり写真家の井津建郎氏による現地報告が。
医療に携わる人材や物資の絶対的な不足という内戦の後遺症により、21世紀の現在も苦しむ子供たちが存在することを、私たちの心に刻みつける内容でした。
第二部の後半では小林氏、井津氏の二人に作曲家・ピアニストでありCD「もしも地雷がなかったなら」の収益を地雷被害者の義足への資金として提供しているウォン・ウィン ツァン氏が加わり、3人がそれぞれの活動に関する思いを語りました。
左からウォン・ウィン ツァン氏、井津建郎氏、小林正典氏


休憩時間に野外でワンドリンク・サービス

第三部では、井津氏がこのイベントのために撮影したカラー作品に、ウォン・ウィン ツァン氏のピアノとIkuko氏ヴォーカル、3人の即興でコラボレートし、トーク会場は一転して幻想的な空間に変貌しました。井津氏は今回のスライドのために撮影・編集したカラー作品を発表、アーティストとしてまた別の一面を見せていただくことができました。


 翌25日の第一部は、写真家の今井寿惠氏と獣医学博士の増井光子氏によるトーク・セッション、「馬を知ること、馬に教わること」。
横浜動物園ズーラシアの園長であり、過酷な耐久乗馬レースにも挑戦する増井氏からは、馬への接し方、レースの技術、日本の在来馬の危機のほか獣医師の立場から馬の生理学、遺伝学的なことまで、幅広く楽しく解説いただきました。
左:今井寿惠氏  右:増井光子


今井氏は写真家の視点から競走馬の性格やレースへの意欲、撮影の苦労やポイントなどスライドで作品を紹介しながら馬の魅力を存分にお話しくださいました。
詳細はK・MoPA友の会16号に特集を掲載、今井寿惠展会期中はK・MoPA館内にて当日のVTRを上映しています。
終演後にサインをする今井寿惠氏

第二部では、一昨年のK・MoPAライブのアンコールに応え、世界的な二胡奏者ジャー・パンファン氏と作曲家・恩田直幸氏のライブを行いました。
演奏中のジャー・パンファン氏

ステージ後方の大扉を開け放ち、明るい午後の日差しをバックに、ジャー氏の祖国・中国・黒龍江省の日常生活のエピソードを交え、くつろいだ雰囲気の中でレベルの高い演奏を楽しんでいただけたことと思います。
左:恩田直幸氏  右:ジャー・パンファン氏
2日間のチケットによる収益は、アンコール小児病院にすべて寄付させていただきました。プロジェクトは2007年まで継続する予定です。
(文責:広報主任 小川直美   写真:学芸員補 野嵜雄一)

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