2000年 8月26日(土)・27日(日)の両日、夜7時より、当館「石柱の庭」にて、音と映像による
野外コンサートを開催しました。
瀬間千恵
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26日(土) は、シャンソン歌手の
瀬間千恵。“4オクターブの歌声”と国内外で絶賛される歌唱力をもって歌詞の一語一語を大切に表現することで、コンサートのテーマである20世紀への鎮魂歌を歌い上げました。
自作の「へそと原爆」製作当時を語る 細江英公(館長)
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第一部は「ヒロシマ」、「よしこちゃん」、「レクイエム」など6曲、
そして実験映画「へそと原爆」(10分間/1960年 細江英公製作)を上映しました。
第二部はVTRによる平和へのメッセージ(井津建郎)にはじまり、
「小さな空」「地平線の向こうに」「翼」など、平和を願い、こどもたちに捧げる
楽曲が心に染み透りました。
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休憩時間のワンドリンクサービス
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27日(日) は、世界的な二胡(胡弓)奏者、ジャー・パンファンと、作曲家・恩田直幸のピアノ演奏
によるオリジナル曲で構成しました。
左 恩田直幸 右 ジャー・パンファン
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第一部の「LIGHT DANCE」「NIGHT SKY」 の後、ジャー・パンファンが中国語による平和へのメッセージ
(字幕スーパー付き)を語りました。観客は彼のこれまでの生き方、音楽に賭ける情熱と平和を愛する心
に深く共感し、一曲ごとに耳を澄ませたことでしょう。
第二部はSWEET DREAMS、XINGLIN HUPANの演奏後、井津建郎のVTRメッセージ。
最後に日本の曲、「川の流れのように」で終了しました。
この日の 天候は、K・MoPA付近や国道141号までどしゃ降りの大雨だったにも
関わらずK・MoPA「石柱の庭」上空だけが奇跡的に晴れ渡り、最後まで野外での演奏が
行われたのでした。
両日を 通し、音楽堂壁面に投影された映像は、当館HP上でもご紹介している
田中勝(映像作家)&ベッツィ・ミラー・キュウズ(画家)による共同作品、「平和の新世紀」。
(詳細はこちらをご覧ください)
今回は2日間の曲目に合わせオリジナルのVTRを作成、
漆黒の闇に浮かび上がる映像は、時に楽曲を支え、ある時は新しいイメージを呼び覚まし、
空間との見事な調和をみせていました。
また、 同じく両日に渡り紹介した写真家・井津建郎の20分間のメッセージVTRは、一人の写真家が
カンボジアのこども病院を建設するまでの道のり(詳細はこちらをご覧ください)、自分たちにできることは何かを問いかけてくれるものでした。
観客の中には、終演後、井津建郎が病院運営のために設立した「フレンズ基金」へ加入した方々もありました。
記念すべき 開館5周年、そして世紀の変わり目でもあるこの2000年におよそ300名の方々と感動を
共にできたことで、美術館の新しい歴史が始まったように思います。
来年の夏の夜も野外で・・・というたくさんのご要望にもお応えしたいと思っておりますので、
音楽ファンは、ぜひ当HPのイベントコーナーにご注目ください。
【文責:小川直美 / 撮影:野嵜雄一】