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Curator’s Choice #4

第40回木村伊兵衛賞にYP作家2人がノミネート

清里フォトアートミュージアム 主任学芸員 山地 裕子

すでにご存知の方も多いかと思いますが、第40回木村伊兵衛賞の候補者が発表となりました。ノミネートされた8人の中に、YP作家のERICと林典子の二人がいます。

対象作品となった作品は、ERICはインドにて撮影の『Eye of the Vortex』と展覧会「GOOD LUCK HONG KONG」。林典子は、YP2013でも大きな話題となった『キルギスの誘拐結婚』です。

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ERIC『Eye of the Vortex』(渦巻きの目)2014年、赤々舎

林典子《キルギス さらわれる花嫁    町を友人と散歩していた時に、突然車に押し込まれた。大学生のファリーダ(20歳)。男の家に連れて来られると、車から降ろされ、男の親族に連れられて家に入っていく。》2012 (YP2013年度収蔵) ?Noriko Hayashi

林典子《キルギス さらわれる花嫁   
町を友人と散歩していた時に、突然車に押し込まれた。大学生のファリーダ(20歳)。男の家に連れて来られると、車から降ろされ、男の親族に連れられて家に入っていく。》2012
(YP2013年度収蔵)
ⒸNoriko Hayashi

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ERICのインド撮影の作品は、実は2012年KMoPAにて一部をすでに展示していました。ストロボスコープを発明し、肉眼では見えない動きの世界をとらえたハロルド・エジャートン博士、閃光電球を多用して夜間に蒸気機関車を撮影したO.ウィンストン・リンク、そして日中シンクロで“人間”を浮かび上がらせるERIC。3人の作品を展示した「Flsah! Flash! Flash!」展です。

20150221135721-0001林典子《HIV/無音の世界に生きる~ボンヘイのストーリー HIVはすでにボンヘイの脳に影響し、神経過敏、過剰行動といった症状に現れるようになった。聾唖のために周りの人間とのコミュニケーション手段が限られ、イライラすることもあり感情の抑制が難しい。》2009 (YP2011年度収蔵) ?Noriko Hayashi

 

 

 

 

 

 

ERIC《衝動と好奇心》2002 (YP2003年度収蔵) ?Eric

ERIC《衝動と好奇心》2002
(YP2003年度収蔵)
?Eric

ERIC 《日本ファミリー》2004 (YP2004年度収蔵) ?Eric

ERIC 《日本ファミリー》2004
(YP2004年度収蔵)
?Eric

 

YPにて2003年度から2010年まで毎年収蔵したERICの《衝動と好奇心》(2002-03)《日本ファミリー》(2004)《Close up》(2003-05)《everywehere》(2001-04)《一日と永遠》(2002)《coldsnap》(2006)《中国好運》(2007-08)など全34点に加えて、新作を展示したのです。新作は、タイの洪水を撮影した《LIVE WATER》と撮影を始めたばかりのインドでした。昨年出版された『Eye of the Vortex』では、そこには「Flash!」展にて展示された作品も含まれ、ERICが撮ろうとしたインドの全貌が見えています。これまでは、群衆の中から人型を抜き取るようにフラッシュをシンクロさせていたのが、インドでは、カメラを中判から35ミリに変え、群衆を群衆としてとらえていたのです。「インドではまず群衆に巻き込まれる。しかもこの群衆は、法の下の秩序ではなく、言わば、人の野性によって群れをなしている。」というERICのインドは、人と色で溢れかえり、人々の視線と息づかいのエネルギーでむせかえる従来のインドの写真とは異なる、ERICならではのストリートスナップの真骨頂がそこにあります。

林典子《HIV/無音の世界に生きる~ボンヘイのストーリー HIVはすでにボンヘイの脳に影響し、神経過敏、過剰行動といった症状に現れるようになった。聾唖のために周りの人間とのコミュニケーション手段が限られ、イライラすることもあり感情の抑制が難しい。》2009 (YP2011年度YP収蔵) ?Noriko Hayashi

林典子《HIV/無音の世界に生きる~ボンヘイのストーリー
HIVはすでにボンヘイの脳に影響し、神経過敏、過剰行動といった症状に現れるようになった。聾唖のために周りの人間とのコミュニケーション手段が限られ、イライラすることもあり感情の抑制が難しい。》2009
(YP2011年度YP収蔵)
ⒸNoriko Hayashi

林典子《パキスタン:酸に焼かれた人生 セイダのストーリー 7回目の手術を終え、実家に帰郷したセイダの頬にキスをする妹のエクラ(16歳)。》2010 (YP2011年度収蔵) ?Noriko Hayashi

林典子《パキスタン:酸に焼かれた人生 セイダのストーリー
7回目の手術を終え、実家に帰郷したセイダの頬にキスをする妹のエクラ(16歳)。》2010
(YP2011年度収蔵)
ⒸNoriko Hayashi

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

林典子は、2010年度から11,12,13年度まで《HIV/無音の世界に生きる?ボンヘイのストーリー》(2009)《パキスタン:酸に焼かれた人生 セイダのストーリー》(2010)《東日本大震災-混沌と静寂》(2011)などを収蔵。『キルギスの誘拐結婚』は、大きな衝撃をもたらし、ヴィザ・プール・リマージュでの受賞をはじめ、林の仕事が世界的に評価されました。林が当館のYPに応募できるのはあと3年間可能です。彼女が次に何を考え、何を撮るのか?にこれまで以上に注目していきたいと思います。

二人の活動は、滑走路から浮上した飛行機が、今まさに全力で高度を上げているようにも見えます。YPには、ERICや林典子のような写真家が、35歳になるまで毎年繰り返して応募しています。YP展は、毎年ご覧いただくことによって、彼らの変化や成長を目の当たりにすることができます。ぜひ継続してご覧いただき、彼らの発するメッセージに耳を傾けていただければ幸いです。

 

Curator’s Choice #3

名川明宏写真集「時空間の粒子」

清里フォトアートミュージアム 主任学芸員 山地 裕子
名川明宏《Arabia Felix》1996 ?Akihiro Nagawa

名川明宏《Arabia Felix》1996
ⒸAkihiro Nagawa

昨年10月、名川明宏(1971)の写真集「時空間の粒子」(冬青社)が出版され、今年になって、ようやく手にすることができた。名川の作品は、1998、1999、2000年度ヤング・ポートフォリオ(YP)にて15点を収蔵しているが、その表紙はヤング・ポートフォリオで収蔵した作品とは異なる表情をしている。YPの作品は、すべて中東イエメンで撮影されている。当時、イエメンの伝統的な建築と街に魅了された名川は、そこに住む人々の暮らし全体を包み込む時空間を表現しようと、さまざまな光、角度から、街の佇まいを捉えていた。イエメン独特の建造物が画面を満たし、大型カメラで丁寧に凝縮されたその空間は、異国の街の息づかいを生き生きと伝えている。

名川明宏『時空間の粒子』(冬青社、2014年)

名川明宏『時空間の粒子』(冬青社、2014年)

一方、「時空間の粒子」はまず、すべて国内での撮影ある。私自身も見覚えのある都内各所が多い。しかし主役は、ビルの隙間の先にスコンと広がる淡い水色の空や、空を映しながら穏やかに漂う水。写真のすべてが水のある風景なのである。河川敷のちょっとしたスペースに作られた公園、橋、港湾、護岸、運河、そしてリバーサイドのマンション群など、普段敢えて目を凝らして見ることのない風景が淡々と、しかし非常に緻密に切り取られ、繰り返されている。東京は、江戸時代から水を管理し、埋め立てることで成り立ってきたという歴史を持つが、それを普段の生活で意識することは少ない。一定のリズムの波に乗って、あるいは海沿いの風に乗って旋回する鳥のように、ページをめくる愉しさに浸った後、巻末のテキストを読んで知ったのは、名川が現在は建築写真家になっていたことや、川崎市水道局に勤務していた父親が、15歳の時に勤務中の事故で亡くなったことだった。生前よく父親は「川崎の水はうまい」と話していたという。

0723写真は、すべてが縦位置で、のびやかな目線が心地よい。8歳になる娘と一緒に百人一首の暗唱をしていたという名川は、ある河川敷で「水の中の粒子 空の先の銀河」という言葉がふと口をついて出たという。以来、撮影はその言葉に導かれて進んだ。

人は空と水に生かされて、命が育まれている。水路は都市の血管のように存在しているのに、普段はいっさい視界に入らず、その気配を消しているようだ。空間を埋める建造物から視線を切り離して、ようやく見えてくる空や水。写真家自身も父親となった今、大切に思う日々の暮らしと、水を巡るさまざまな風景とが重なり合い、織りなす美しい時間の粒子がそこに見えている。

 

・名川明宏(ながわ あきひろ)略歴

1971年、神奈川県川崎市に生まれる。1999年、日本大学大学院芸術学科映像芸術専攻修了。展覧会には、個展「イエメン 時の往来」(銀座ニコンサロン、1999年)、グループ展「第14回 ひとつぼ展」(ガーディアン・ガーデン、1999年)などがある。コレクション:清里フォトアートミュージアム(1998, 1999, 2000年度)

Curator’s Choice #2

テグ・フォト・ビエンナーレに参加して

清里フォトアートミュージアム 主任学芸員 山地 裕子

韓国・大邱(テグ)にて、テグ・フォト・ビエンナーレが2014年9月12日から10月19日まで開催された。テグは韓国第三の都市で、ソウル駅から電車で2時間。写真文化をリードする街として、2006年から始めた国際的なフォト・ビエンナーレは今回で5回目となる。

フォト・ビエンナーレ会場のテグ・カルチャー&アート・センター

フォト・ビエンナーレ会場のテグ・カルチャー&アート・センター

オープニング・レセプションにて

9月12日オープニング・レセプションにて

 

 

 

写真は、9月12日のオープニングでのスナップ。写真右からガーディアン・ガーデンのプランニングディレクター菅沼比呂志氏、ビエンナーレの展覧会「Origins, Memories & Parodies」に作品を出品した山本昌男氏、同じくLost & Found Projectを展示の高橋宗正氏(YP作家)、展覧会アソシエイト・キュレーターのモーリッツ・ノイミュラーのアシスタントを務めていた下西進氏(YP作家)、KMoPA山地、そして東京都写真美術館・学芸員の伊藤貴弘氏である。菅沼氏と私は9月13、14日の2日間で30名の写真家のポートフォリオ・レビューを行った。また、9月15日には、テグやその他の都市から集まった写真教育に携わる方々、学生・大学院生などを対象に、ヤング・ポートフォリオについてのスライド・レクチャーを行う機会をいただいた。

9月15日スライド・ショー会場

9月15日スライド・ショー会場

ビエンナーレ会場風景

ビエンナーレ会場風景中央・左の作品はMarcos Lopez

山本昌男氏の作品は壁面と、祈りの象徴である折り鶴を自由に折れるよう、 小さなちゃぶ台が用意されていた。

山本昌男氏の作品は壁面と、祈りの象徴である折り鶴を自由に折れるよう、
小さなちゃぶ台が用意されていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

BO MU(中国)によるインスタレーション

BO MU(中国)によるインスタレーション

Yang Yongliang(中国)展示風景

Yang Yongliang(中国)展示風景

 

今回のビエンナーレのテーマは、Photographic Narrative (写真的な文脈)。メインとなる展覧会のテーマは「Origins, Memories & Parodies」で、日本からは山本昌男、Lost & Found Project、韓国からYP作家の若手ハン・スンピルなど、全32作家の作品が展示された。キュレーターはスペインのアレハンドロ・カステローテ。写真の歴史が始まってから、‘機械の目を通した客観的な記録’とみなされてきた写真の意味を新たに探ろうとするものだ。21世紀の文化的・社会的環境のコンテキスト内で起こっていることと、その原点となるもの、そして撮影されたもの(写真)の存在意義をテーマとして新しい解釈を提案する。写真が、いかに多様な機能や意味を持つものであるかを体感することができる。大型の作品が多く、非常に大規模な展示だ。別の会場にて報道写真家による「WOMEN IN WAR」展も開催されていた。その会場の一角にあったのは従軍慰安婦の作品展示。「真実の記憶」(Memory of Truth)とサブタイトルのプリントされた壁面には、等身大の若い女性のオブジェが一人だけ腰掛けている。絶えることのない痛みの深さを伝えていた。

Women in War 展併設の従軍慰安婦展会場

Women in War 展併設の従軍慰安婦展会場

 

ポートフォリオ・レビュー「ENCOUNTER」は、展覧会場とは別に、滞在していたホテルにて行われた。広い一室に韓国・海外が約半々の23人のレビューワーがおり、作家がポートフォリオを持って、20分ごとに異なるレビューワーの元に移動する。一人の作家が一日10人のレビューを受けることができる。レビューを受ける作家たちは、3人が日本から参加していた以外はすべて韓国国内から。年齢も幅広くキャリアも学生からプロまでさまざまだ。海外のレビューワーは、英語でレビューを行い、韓国語の通訳が入る。そのため時間はかなり限られるが、自分の作品について熱く語る作家が多いので、毎回制限時間いっぱいまで、こちらもがっぷり四つの取り組みとなった。1日に15人のレビューを2日間連続して行うという、ややマラソン的なスケジュールだったが、めくるめく個性の連続は、非常に楽しい時間だった。

 

Wendy Watriss, Fotofest共同創立者

Wendy Watriss, Fotofest共同創立者

LensCulture代表、Jim Casper

LensCulture代表、Jim Casper

韓国を代表する写真家クー・ボンチャン(右)

韓国を代表する写真家クー・ボンチャン(右)

Irene Attinger, Maison Europenne de la Photorgraphie

Irene Attinger, Maison Europenne de la Photorgraphie

 

レビューワーの中の長老は、何と言ってもウェンディ・ワトリスとフレッド・ボールドウィン。現在80代半ばという二人はヒューストン・フォトフェストの共同創立者であり、1998年にはKMoPAが主催した国際会議オラクルに出席するため、当館に来館している。カステローテも、レビューワーで韓国を代表する写真家のクー・ボンチャンとも、私にとってはオラクル以来の再会となった。ワトリスは、1960年代、すでにフォトジャーナリストとしてキャリアを始め、以来キュレーター、ライターとして国際的に活躍。写真家を発掘し、世に送り出すことへの尽きないエネルギーには胸を打たれる。2013年にKMoPAにて開催した「森ヲ思フ」展にて作品を展示した志鎌猛氏は、2009年にヒューストン・フォトフェストのInternational Discoveries IIに招待されており、ワトリスは、早くから志鎌氏の作品を高く評価していたのだ。志鎌氏の活躍が確実に広がりつつあることを共に喜んだ。

 

このENCOUNTERから選ばれる3?4人は、次回のビエンナーレにて作品を展示することができるシステムとなっている。また、海外のキュレーター、フォトフェスティバルのディレクター、ギャラリストらに作品を見せ、海外での発表の機会へつなげたいという意図で、多くの作家たちが申し込み、事前審査を経た作家たちは真剣そのものだった。もちろんギャラリストやキュレーターは作家とのまさにENCOUNTER(出会い、遭遇)を期待している。

LIM Tae Hoon, “ Division Tour, ” 2007 (板門店にて韓国の軍人と記念撮影をする外国人観光客) ?Lim Tae Hoon

LIM Tae Hoon, “ Division Tour, ” 2007
(板門店にて韓国の軍人と記念撮影をする外国人観光客)
?Lim?Tae Hoon

沈學哲SHEN Xue Zhe, “Tourist Group on Tumen Customs Bridge,” 2010 ?Shen Xue Zhe

沈學哲SHEN Xue Zhe, “Tourist Group on Tumen Customs Bridge,” 2010
?Shen?Xue Zhe

ポートフォリオの中で最も多かったのは、韓国国境をめぐる作品だ。Youngchuel Jiによる地球上の38度線を撮影する壮大なプロジェクト“north latitude 38°”や、LIM Tae HoonによるDMZ(北朝鮮との軍事境界線)を見る観光ツアーのドキュメンタリー“Division Tour”、写真家自身が兵役に付きながら密かにカメラを持ちこんで撮影した作品、国境を流れる河を両側から捉えた中国の写真家SHEN Xue Zheなど、まず何よりも、この国の抱える日常的な緊張感の高さを強く感じた。

また、非常に繊細な伝統的な墨絵をイメージさせる作品などに技術的な高さを感じる一方、多くの女性が就職や結婚のために美容整形を受ける現状を取材したLEE Seung Hongのプロジェクトも衝撃的だった。あるいは、厳しい受験戦争を経て法学部へ進学したのに、写真家になろうとドイツへ留学し、両親を悲しませた自分自身の経験から制作した“THE GUILTY”(罪悪感)というJi Hyun KWONの作品は、街で偶然見かけた人に自分の経験(両親の期待を裏切った)を話し、彼または彼女にも罪悪感を感じることがあれば写真を撮影させて欲しいと依頼。後日室内にて、彼・彼女自身が罪悪感を感じていることを自身の顔に書いて撮影するというシリーズ。また、韓国の小学生が受験のためにスピーチ教室へ通ったり、バレエ・ダンス・サッカー・乗馬とさまざまな英才教育を受けさせる現状を撮影したSung Hee Jinの“BUSY KID”など韓国社会が抱えるさまざまな矛盾や違和感を捉えようとする作家が非常に多く、歴史と伝統を敬い、作品に取り込みながら、どのように時代や自己を表現するかという問題意識の高さを感じた。街中でのスナップが肖像権の問題からほぼ不可能という事情もあり、被写体との合意が得られるもの、セルフポートレイトなど、被写体を緻密に作り込む、場を作り上げるという方向へまずエネルギーが注がれる場合が多いのも韓国写真の特徴と言えるだろう。

Ji Hyun KWON, “THE GUILTY - MAUREEN,” 2011 「あなたには絶対知らせなかったこと。」 ?Ji Hyun Kwon

Ji Hyun KWON, “THE GUILTY – MAUREEN,” 2011
「あなたには絶対知らせなかったこと。」
ⒸJi Hyun Kwon

Ji Hyun KWON, “THE GUILTY ? LU JIA,” 2011 「すべてに言い訳をして、自分をコントロールすることを学ばなかったこと。」 ?Ji Hyun Kwon

Ji Hyun KWON, “THE GUILTY – LU JIA,” 2011
「すべてに言い訳をして、自分をコントロールすることを学ばなかったこと。」
ⒸJi Hyun Kwon

Ji Hyun KWON, “THE GUILTY - LAURE,” 2011 「私は人生からも、誰からも、現在も過去からも何の得もしていない。だからすべてが恐ろしい。恐ろしくない唯一のものは死ぬ事。なぜなら、死んでしまえば、恐怖は残らないから。」 ?Ji Hyun Kwon

Ji Hyun KWON, “THE GUILTY – LAURE,” 2011
「私は人生からも、誰からも、現在も過去からも何の得もしていない。だからすべてが恐ろしい。恐ろしくない唯一のものは死ぬ事。なぜなら、死んでしまえば、恐怖は残らないから。」
ⒸJi Hyun Kwon

Ji Hyun KWON, “THE GUILTY ? DAEHEE,” 2009 「自分が長男であること。」 ?Ji Hyun Kwon

Ji Hyun KWON, “THE GUILTY – DAEHEE,” 2009
「自分が長男であること。」
ⒸJi Hyun Kwon

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Choi Byoung Cheol, The Ice Head series ?Choi Byoung Cheol

Choi Byoung Cheol, The Ice Head series
ⒸChoi Byoung Cheol

E Honjoon, “Royal Tombs” ?E Honjoon

E Honjoon, “Royal Tombs”
ⒸE Honjoon

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

LEE Seung Hoon, “On Plastic Surgery #06,” 2011 ?Lee Seung Hoon

LEE Seung Hoon, “On Plastic Surgery #06,” 2011
ⒸLee Seung Hoon

LEE Seung Hoon, “On Plastic Surgery [O.R.]#25,” 2010 ?Lee Seung Hoon

LEE Seung Hoon, “On Plastic Surgery [O.R.]#25,” 2010
ⒸLee Seung Hoon

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2013年、2014年のソウルフォトにて当館学芸員・田村が行ったポートフォリオ・レビューをきっかけにヤング・ポートフォリオに応募し、残念ながら選ばれなかったという作家たちや、過去のYP作家イ・ドンウク(LEE Dong Wook) の新作 “WOZU”(本人に会ったのも初めて)をレビューすることが出来た。YP2014では選考されなかった作家たちも、非常にポジティブで、再度必ずチャレンジすると意欲満々。そして、イ・ドンウクは「実は10年前からこういう作品を撮りたかったが、当時はできなかった。」と本人が語るとおり、YPにて収蔵した作品を“原点”とすれば、そこから大きくジャンプし、スケールの大きさとクオリティを感じる作品に作家としての大きな成長を見ることができた。

LEE Dong Wook, "My own fantasy," 2005 ?Lee Dong Wook

LEE Dong Wook, “My own fantasy,” 2005 (2003年度YP収蔵作品) ⒸLee Dong Woo

LEE Dong Wook, "My own fantasy," 2006 ?Lee Dong Wook

LEE Dong Wook, “My own fantasy,” 2006
ⒸLee Dong Wook

 

 

 

 

 

 

 

 

 

LEE Dong Wook, “WOZU 04,” 2012 ?Lee Dong Wook

LEE Dong Wook, “WOZU 04,” 2012
ⒸLee Dong Wook

LEE Dong Wook, “WOZU 12,” 2014 ?Lee Dong Wook

LEE Dong Wook, “WOZU 12,” 2014
ⒸLee Dong Wook

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

YP作家イ・ドンウクと

レビュー会場にてYP作家イ・ドンウクと

 

 

最後に、ポートフォリオ・レビュー終了後に行われたレビューワーの投票で、最も多く票を得た4人の作品をご紹介する。2016年のテグ・ビエンナーレにおいて、彼らの作品が展示されるので、ぜひ会場に足を運んでみてはいかがだろうか。今後2年をかけて制作することができるので、さらなる展開が見られる可能性もある。

 

 

 

GWON Do-yeun, “Traveller Nonvice_03” ?Gwon Do-yeun

GWON Do-yeun, “Traveller Nonvice_03”
ⒸGwon Do-yeun

YOON Ami, “Borrowed story,” 2013-14 ?Yoon Ami

YOON Ami, “Borrowed story,” 2013-14
ⒸYoon Ami

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