清里フォトアートミュージアム ヴァーチャル美術館 開館によせて
「25人の20代の写真」展
清里フォトアートミュージアム(K・MoPA)は、2020年7月9日、開館25周年を迎えました。長年にわたる皆様のご支援とご理解に、厚く御礼申し上げます。
2020年、世界中が未曽有のコロナ禍に見舞われ、多くの方が困難に直面しております。いまだに美術館に足を運ぶこともままならない方々もおられることでしょう。当館におきましても、開館25周年記念展覧会(細江英公回顧展)の開催を延期し、1995年の開館以来、毎年継続してまいりました「ヤング・ポートフォリオ」展の開催を優先しました。
こうした状況下、美術館にできることは何なのか、真剣に考えました。そして世界のどこにいてもスマートフォンやパソコン上で自由に作品を楽しんでいただける「ヴァーチャル美術館」を、開館25周年記念事業として始めることといたしました。
その第一弾として、当館の原点である第1回展覧会、「25人の20代の写真」展を当館のwebサイトに再現しました。
これは1995年の開館の際、若い写真家たちを激励するために、当時、日本写真界の第一線で活躍していた作家の20代の写真を1人5点ずつコレクションし、展示したものです。
今回は、このヴァーチャル美術館の企画に賛同くださった作家の展示作品とともに、展覧会の図録にお寄せいただいた直筆、あるいはワープロの文章を、本サイトに掲載させていただくことになりました。文章のテーマは「若者たちへ」。「25人」の初期作品と言葉は、今も色あせることなく、次代を担う世界中の青年たちを大いに励ましてくださるものと信じます。そして、このコロナ禍にあって心身ともに疲弊した方々への、ひとときの安らぎともなれば幸いです。
どうぞ、じっくりとヴァーチャル美術館をお楽しみください。
そしていつの日か、清里フォトアートミュージアムにもご来館いただければ幸甚と存じます。
2020年10月28日
清里フォトアートミュージアム 館長 細江英公