Recent Posts Toggle

速報/2024年度ヤング・ポートフォリオ(YP)、最終選考会を終了
Immediate Announcement / YP2024 Results

 

YP選考会の様子。エントランス全体を使用して行われた。長机を5列配置し作家ごとに作品を並べ、それを選考委員らが評価して回る光景を、2階から見下ろした構図の写真。

 
 
 
去る6/4-6の3日間に渡り、YP選考会を行い、2024年度購入作品を決定しました。購入者には、6月末日までにメールで結果をご連絡しますので、しばらくお待ちください。
また、6月下旬には弊館HP上でも購入者を発表する予定です。
 
今回、惜しくも購入を逃されたみなさまには、プリントを返送する際にのみ、結果を同封します。メールでの通知はございませんが、個別のお問い合わせはご遠慮ください。
 
尚、一次選考に参加くださったレスリー・キー氏は、急病のため止むを得ず最終選考会を欠席されました。スタッフ一同、ご回復を心よりお祈り申し上げております。
 
清里フォトアートミュージアム
ヤング・ポートフォリオ事務局
 
 
 

選考委員のうち最終選考会に参加した3人の写真。左から、百瀬俊哉、今 道子、瀬戸正人(副館長)。応募作品を手に取り意見を交わしあう様子。

写真左から、百瀬俊哉、今 道子、瀬戸正人(副館長)

 
 
 
Final selection committee for YP2024 to determine the works to be purchased took place for 3 days from June 4th to 6th. Those whose work is qualified for purchase will receive a notification email by the end of June and we appreciate your patience. Results will also be announced on the museum’s website at the same time.
 
For those whose work is unfortunately not purchased this year, results will be enclosed only in the returning prints and there will be no email notification. Please refrain from making individual inquiries.
 
One member of this year’s selecting committee, Mr. Leslie Kee, who had participated in the premium screening, was not able to attend the final screening due to sudden illness. We all hope for his speedy recovery.
 
Young Portfolio Section
Kiyosato Museum of Photographic Arts

ロバート・フランク100周年記念展
「もう一度、写真の話をしないか。フランクと同時代の写真家たち」

 
ロバート・フランク100周年記念展「もう一度、写真の話をしないか。フランクと同時代の写真家たち」の詳細(PDFファイル)は、こちらからダウンロードできます。

オレンジのボタンリンクより、ブラウザの保存機能を利用してダウンロードしてください。

ロバート・フランク100周年記念展 <展示詳細>

「みさおとふくまる」のエピソード満載! 伊原美代子トークを終えて

 
2024年5/4(土)13:00~13:40、写真家でYPOBでもある伊原美代子さんが、実の祖母とオッドアイの飼いねこをハートフルにとらえ、写真集でも人気の高い「みさおとふくまる」。YPでコレクションした22点の展覧会に併せ、伊原さんをお迎えしてギャラリー・トークを行いました。朝早く遠方から駆け付けたファンもいらっしゃり、展示作品を鑑賞しながら、楽しいエピソードを語っていただきました。
 
 

トーク・イベント中の伊原美代子さん(向かって右側。左側は当館職員)展示期間中のパトリにて開催。自身の作品を背に、撮影中のエピソードなどを語られた

右:伊原美代子さん

 
 
伊原「最初は祖母(みさおさん)一人だけの撮影で、ふくまるが画面に入ってこないようにちょっとどいてよって、つまみだしていたんです(笑)」。
いわゆる記念写真風に、ついポーズをとったりしてかまえてしまうみさおさんが〝自然な″撮影に慣れてくれるまで説得すること、なんと一年半。思いのほか、時間がかかっていたのですね。でも、途中でねこと人間のツーショットがフォトジェニックだと気付き、「みさおとふくまる」の撮影がはじまりました。
 
 

伊原美代子《みさおとふくまる》2011 ⒸMiyoko Ihara 田んぼの間を三輪自転車で走っていくみさおさんを少し離れたところから撮影した写真。ふくまるはリアかごの中でお座り、カメラの方を真っすぐ見つめている。

伊原美代子《みさおとふくまる》2011 ⒸMiyoko Ihara

 
 
カメラ目線の多いようにみえる「ふくまる」ですが、撮られていることを、どう感じていたのでしょう。
伊原「黒い物体をいつも自分に向けてくるな、それで何かしているな、とは感じていたようです。」
青々とした田んぼのあぜ道を、自転車のカゴにふくまるを乗せて走るみさおさんを望遠レンズでとらえたシーン。
伊原「ふくまるは、遠くから、あ、また黒いのを向けているな、と意識してこっちをみていますが、耳の角度で、またかよ、と、ちょっと嫌がっていることがわかるんですよ」
伊原さんの鋭い観察眼がかいまみえた言葉でした。
 
 

伊原さん

 
 
いつもはおとなしい「ふくまる」でしたが、猛ダッシュで助走しては高い棒のてっぺんによじのぼることがよくありました。そのシーンをとらえたモノクロの展示作品を見ながら
伊原「でもいつも自力で降りられず、私が救出していたんですよ。なんで毎回同じことするのかなって(笑)。かなり晩年になるまで、やってました」
 
 

トークの様子を後列から撮影した写真。アウトドア風のチェアに座っていただいた、参加者たちの後ろ姿が写っている。展示された作品を見ながらそのエピソードが聞けるなど、距離の近いイベントになった

 
 
伊原さん自身が一番好きな作品は秋の日差しがふりそそぐ紅葉の中の一人と一匹。うつろう四季をとらえるのも実はむずかしかったけれど、この一枚には達成感があったといいます。
 
 

伊原美代子《みさおとふくまる》2012 ⒸMiyoko Ihara 伊原さんが最も好きな作品で、秋の日差しがふりそそぐ紅葉の中の一人と一匹。干し草の山のようなところに腰掛けたふたりの背後から温かなオレンジの日差しがふりそそぐ。みさおさんはふくまるの顔を見つめている

伊原美代子《みさおとふくまる》2012 ⒸMiyoko Ihara

 
 
季節の行事やパーティーがもともと大好きだったみさおさん。ご主人を亡くされたあとも、クリスマスや米寿をちゃんとお祝いして、孫の伊原さんとふくまるとの撮影も存分に楽しんでおられたとのこと。米寿の写真のケーキは伊原さんの手作りでした。
 
 

伊原美代子《みさおとふくまる》2012 ⒸMiyoko Ihara 中心にはふくまるの顔の形をしたケーキ。伊原さんが手作りしたもので、みさおさんの米寿をお祝いするもの。「88」の形をしたキャンドル、一字ずつ星の中に書かれた「米」「寿」の文字。ふくまると同じ、右目がイエロー・左目がブルーのオッドアイ。向かって左側には頭巾とちゃんちゃんこを着て笑顔のみさおさん。右側には座卓に両前足をついて身を乗り出すふくまる。首元にはゴールドの蝶ネクタイ

伊原美代子《みさおとふくまる》2012 ⒸMiyoko Ihara

 
 
伊原「年月を重ねるうちに、ああ、このままずっとこの時が続くわけではないんだな、と気づいて、それからは、この一瞬、一日を大切にしようという思いを深めながらの撮影でした。」
写真集の出版とともに、いつしか海外からもSNSで多くのコメントが寄せられるように。ネットで翻訳しながら、ひたすら返信した日々の中、これほど多くの人とコミュニケーションができる写真の力にも驚いたそうです。
 
 

写真集の見返しにサインを書く伊原さん

 
 
今回は初めてKMoPAにご来館くださった方々も多く、持参された写真集にサインをもとめられる方もおらました。伊原さん、そしてご参加くださったみなさま、本当にありがとうございました!本展覧会は、5/26(日)まで開催中です。
 
 

伊原美代子写真展「みさおとふくまる」
会場:清里フォトアートミュージアム内「パトリ」(入場無料)
会期:4/20(土)~5/26(日)10:00~17:00(入館は16:30まで)
休館日:火曜日

 

ShutDown