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2023年度ヤング・ポートフォリオ(YP)選考会を終えて

 
2023年6月6日~8日、当館エントランスホール「パトリ」にて、2023年度YP選考会を行いました。
本年度の選考委員は今道子氏、野口里佳氏、瀬戸正人(当館副館長)。一次募集には6,973点(36ヶ国/335人)の作品データを応募いただきました。そして、一次選考を通過し、プリント選考に挑んだ79人による1,700点の中から、101点(日本含め9カ国/22人)の購入を決定しました。

2023年度YP選考中-2023年度ヤング・ポートフォリオ(YP)選考会を終えて

2023年度YP選考中

各作家に返却するプリントには、付箋(ふせん)がついていることがありますが、それは選考委員が「良い」と思った証です。
また、瀬戸副館長の発案による初めての試みとして、最後まで購入候補に残りながら惜しくも購入をのがした6人の作家には、選考委員による応援メッセージを同封し、作品を返却いたします。

作品に付箋を貼る、今道子選考委員-2023年度ヤング・ポートフォリオ(YP)選考会を終えて

作品に付箋を貼る、今道子選考委員

 

作品に付箋を貼る、瀬戸正人選考委員(当館副館長)-2023年度ヤング・ポートフォリオ(YP)選考会を終えて

作品に付箋を貼る、瀬戸正人選考委員(当館副館長)

 

作品に付箋を貼る、野口里佳選考委員-2023年度ヤング・ポートフォリオ(YP)選考会を終えて

作品に付箋を貼る、野口里佳選考委員

その中から、応募いただいたみなさん、そして来年の応募を目指す方々に共通すると思われるアドバイスを、3つご紹介しましょう。
 

●複数のシリーズだったり、カラーとモノクロ両方を応募したり、あるいは似たようなイメージが混在することによって、逆に作品群全体としてのまとまりを欠いた作家が多かった。テーマやポイントをもう少し絞ると良かったのではないでしょうか?
 
●サイズが小さすぎたり、大小バラバラのサイズで応募をしているが、どのサイズが作品に適しているのか、もっとよく検討してはどうか。たとえば、点数を絞ってサイズを大きくしたほうが良い場合もあります。
 
●作品の応募点数が多すぎる、あるいは少なすぎてテーマがわかりづらい。自分が何を見せたいのか、適正な枚数を再検討してみてください。

選考中の野口里佳選考委員-2023年度ヤング・ポートフォリオ(YP)選考会を終えて

6人のどの作家にも「非常にパワーがある」「技術が高い」「プリントの質が良く魅力的」「撮りたいものがはっきりしている」「あなたの作品を最後まで推しました」といったプラスのコメントが添えられていました。ここから先は、どうすれば自身の作品の魅力を最大限引き出せるか? のようですね。

選考会全体の様子。エントランスホールに並べた5台の長机の上に、応募作品が所狭しと載せられている-2023年度ヤング・ポートフォリオ(YP)選考会を終えて

 

6人の作家を選出中-2023年度ヤング・ポートフォリオ(YP)選考会を終えて

清里フォトアートミュージアムは、すべての応募者を応援しています。
購入の有無にかかわらず、多くのみなさまがレベルアップしてくださること。それが、YPの目的のひとつです。先輩写真家でもある選考委員のアドバイスを自らの力に変えて、ぜひ来年もトライしてください。

2023年度YP選考中-2023年度ヤング・ポートフォリオ(YP)選考会を終えて

 

選考後にガーデンでくつろぐ2023年度選考委員-2023年度ヤング・ポートフォリオ(YP)選考会を終えて

選考後にガーデンでくつろぐ2023年度選考委員

若手を支援する清里フォトアートミュージアムで2023年5月21日(日)に2つのイベントを開催

 
 

①「北京出身のアーティスト:黄愛によるデモンストレーション」

 
日時:5月21日(日)12:30~13:00(30分)
会場:清里フォトアートミュージアム内「パトリ」、ガーデン
参加費:無料 / 予約不要
*開始10分前までに当館受付にお集まりください。
*開催中の「プラチナ・プリント ― 肖像の回廊」展は有料となります。但し高校生以下は無料。
 
北京に生まれ、米国留学の後日本で活動する22歳の中国人アーティスト、黄愛氏の作品《KABRALA》を5月28日(日)まで当館エントランス「パトリ」にて展示中です(入場無料)。「パトリ」は、〝故郷、心のふるさと″という意味のフランス語。本スペースは、当館の副館長・瀬戸正人の目を通した作品を公開する「広場」として今後も様々な新人作家、学生、地元コミュニティなどに開放していきます。黄愛氏自身によるデモンストレーションは、実際の製作過程を間近にご覧いただける機会となります。
 

↓当館パトリにて / 黄愛《KABRALA》展示風景

当館パトリにて / 黄愛《KABRALA》展示風景

②「第2回高校生写真ワークショップ」

 

瀬戸正人(写真家 / 当館副館長)

 
日時:5月21日(日)13:00~15:00
講師:瀬戸正人(写真家 / 当館副館長)
会場:清里フォトアートミュージアム
●参加費・入館ともに無料
●対象:高校1年生から3年生まで *ご希望の場合は高校生以下も受け付けます。
●実施内容:各自USBに50~300枚の写真作品を保存し、当日持参ください。講評を行います。
●ご予約方法:
 1.お名前 2.高校名 3.ご連絡先を下記までメールください。
 宛先:info@kmopa.com
 清里フォトアートミュージアム高校生ワークショップ係
 

3月26日(日)に開催した第一回のワークショップ
 
3月26日(日)に開催した第一回のワークショップ

 
写真は、3月26日(日)に開催した第一回のワークショップ。詳細は下記まで。
https://www.kmopa.com/category/highschool/

●当館へのアクセス:
 山梨県北杜市高根町清里3545-1222
 中央道より / 須玉インターより国道141号を清里方面へ約20分
●公式サイト:https://www.kmopa.com
 
【本イベントに関するお問い合わせ・取材のお申込み】
清里フォトアートミュージアム
Tel: 0551-48-5599 (代表)
担当:小川直美(事務長・広報主任)
Tel:0551-48-5599
Email: info@kmopa.com

 

2023年度 第1回高校生写真ワークショップを開催しました

 
2023年3月26日(水)13:00~15:00、今年初となる高校生写真ワークショップ(以下、WS)を行いました。
今回は地元山梨県のほか神奈川県からも参加、また、小学生ながらたくさんの写真データを携えて受講くださった方もあり、それぞれの素晴らしい視点と将来性に、講師の瀬戸正人副館長、スタッフも驚いたWSでした。

 
 

 

 
 

<瀬戸正人副館長の講評 抜粋>
瀬戸「僕は、きれいに写った花よりも、それを撮った人の眼差しや思いを見たい。
写真はその人の気持ちをのぞく“鏡”のようなものだから、写っているものは花でも雲でも、実はいいわけなんです。
 
写真は、この世にある形あるもの、ないもの、何を撮ってもいい。空気が写らなくても空気やにおいを感じて撮ることはできるよね。
見る人がそれを感じてくれれば、それは“空気感”が写っている作品といえる。
見えないものをテーマにするのが芸術だから、自由に、何を撮ってもいいんですよ。」

 
 

 

 
 

瀬戸「“型”にはまった写真の方が良い評価をされることがある。
それは、おさまりのいい、わかりやすい写真を「良い写真」と判断としているから。
写っているモチーフについて―動物とか花とか―の批評をしている場合も多いんです。でも、そうじゃない。
 
常識とか、あたりまえの発想こそ、ひっくりかえしてみることが大事だよね。パターンなんて破ったほうがいいんです。
たまたまボケて写ってしまっても、その偶然が思いがけない面白味になることだってあるからね。」
 
「家で、自分が考えたモチーフを並べて撮るのも悪くはないよ。でも、それはあくまでも自分のせまい頭の中で考えたもの。
世界は自分の脳内よりもずっと広く、偶然に満ちている。偶然みつけた世界は、いつも自分の想像を超えている。」

 
 

 

 
 

瀬戸「もし誰かに自分の写真を見せるのなら、自分の世界観を持っておくといい。じゃ、世界観って何? ちょっと難しい?
―それは、自分って何なんだろう。なぜ写真が好きなんだろう?と、自問自答することから始まります。
 
そうすると「自分」というものが、必ず写真に写ってくる。
写真を見せた人が、自分の世界観や人生観を感じてくれたら一番いい。
何も説明しなくても『ああ、これは、あの人の写真だね』ってわかってもらえる。それって素晴らしいよね。」

 
 

 
 

瀬戸「写真はやはり、具体性をすこしだけ見せることが大切。なぜなら実際、そこに在るものだから。
でも説明しすぎにならないように、すこしだけだよ(笑)。
 
いいな、と思う被写体があったら何カットか撮ってみる。2カット目はこっちの方向から、もっと寄ってみる、とか。
小さな鳥が家に巣をつくった。それなら毎日撮ってみる。その鳥の、どこに自分は注目した? 次は、そこにもっと寄ってみたら?
こうしてトリミングしたり、明るさやコントラストを変えてみると印象が変わるでしょう?
レンズを二つ重ねたことある? 思いがけないクローズアップが撮れるたりするよ。
 
面白い!と思ったら、躊躇せずにサクっと撮る。そこに自分の思いをかぶせていくことを忘れないでね。」

 
 

 

 
 

参加者の作品を見た瀬戸副館長の感想は
「今日来てくれたみんなでグループ展ができるよ。」「来年のヤング・ポートフォリオに応募してみたら?」といったポジティブなもの。
 
一方、まばたきも忘れるほど講評に聞き入っていた受講者のみなさんからも、
「今日の講評をこれからの撮影に活かしたいです」「(次のWSまでに)もっとたくさん撮ってみたい」
「無意識にはまっていた“型“を破って、新しい撮り方に挑戦したいです」との前向きな感想をいただきました。
 
参加者のみなさん、そして当館まで送迎くださった父兄のみなさまも、誠にありがとうございました。

 
 

 
 

本ワークショップは、写真部に所属していない初心者の方、高校生以下の方でも、写真が好き!という方なら十分に楽しんでいただけます。
次回のご参加をお待ちしております。

 
 

 
 

《第2回・第3回 高校生写真ワークショップのお知らせ》
 
開催日時:
第2回2023年5月21日(日)13:00~15:00
第3回2023年7月30日(日)13:00~15:00(予定)
*1回のみのご参加もお受けしています。
 
講師:瀬戸正人(写真家 / 当館副館長)
会場:清里フォトアートミュージアム
●参加費・入館ともに無料
●対象:高校1年生から3年生まで *ご希望の場合は高校生以下も受け付ます。
●実施内容:
 各自USBに50~300枚の写真作品を保存し、当日ご持参ください。
 瀬戸正人が高校生の作品にアドバイスをします。
 
●ご予約方法
 1.お名前 2.高校名 3.ご連絡先(メールアドレスと電話番号)を下記までメールください。
 宛先:info@kmopa.com 清里フォトアートミュージアム「高校生写真ワークショップ」係
 
定員:先着30名
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