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「収蔵作品より:プラチナ・プリント―光の誘惑」 From the Collection: Platinum Prints ―The Allurement of Light II
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会 期 :2005年10月29日(土)〜2006年2月19日(日) |
休館日 : 毎週火曜日、10月24日(月)〜28日(金)、12月7日(水)、8日(木)、年末年始(12/31〜1/3)
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主催: 清里フォトアートミュージアム
Kiyosato Museum of Photographic Arts(K'MoPA) |
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[開催趣旨]
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清里フォトアートミュージアムの収集・展示の三つの基本理念は、「生命(いのち)あるものへの共感」 「永遠のプラチナ・プリント」「若い力の写真:ヤング・ポートフォリオ」です。
これらに基づき、プラチナ・プリント作品の収集と技法の継承を目的として、多くの作品を収蔵し、ワークショップを毎年開催しています。
このたび、清里フォトアートミュージアムでは、「収蔵作品より:プラチナ・プリント-光の誘惑II」を開催いたします。当館では、「収蔵作品より:プラチナ・プリント-光の誘惑」と題した最初の展覧会を2000年に開催し、「光の誘惑II」と題した本展は、20世紀初頭の作品の優れたモダン・プリントおよび現代作品を加えた形で構成しています。
井津建郎 静物 #189 1992年 IZU Kenro
Still Life #189,
1992
[禁無断転載] © Kenro Izu
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ルドルフ・アイクマイヤー・ジュニア イヴリン・ネスビット 1901年 Rudolph Eickemeyer, Jr.
Portrait
of Evelyn Nesbit, 1901
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プラチナ・プリントは、鉄塩の感光性を利用し、プラチナやパラジウムを利用した写真の焼き付け技法です。その画像は、漆黒からグレー、そして白までの階調の幅が非常に広く、また白金の科学的安定度がきわめて高いため、保存性が優れていることが特徴です。
プラチナを印画に使用する試みは、1839年の銀を用いた技法の誕生よりも早く、1831年から行われていました。そして、プラチナの印画紙が登場するのは、イギリスのウィリアム・ウィリス・ジュニアの発明および特許を取得した1873年でした。本展では、当館の収蔵作品より、ウィリスが1878年にイギリスの写真協会誌(後の王立写真協会)において、技法を正式に発表するために制作した作品「田舎の小屋」をはじめ、2000年制作の現代作品まで約120点を展示いたします。
ローマン・ヴィシュニアック ユダヤ人学校の少年、ヴィルホニ・アプサ 1937年 Roman
Vishniac
Cheder Boys, Vrchni Apsa, 1937
[禁無断掲載]
© Mara Vishniac Kohn, courtesy International Center of Photography
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エドワード・S. カーティス ズーニー族の酋長 1905年頃 Edward S. Curtis
A Zuni
Governor, c. 1904
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19世紀末から20世紀初頭、画家たちが好んで描いたような主題をモチーフとした夢幻的な作品が多くプラチナ・プリントで作られましたが、一方で絵画主義に反発する自然主義写真が、近代写真の流れとなっていきます。第一次世界大戦の影響でプラチナの値段が急騰したため、プラチナ・プリントによる作品制作は途絶えてしまいましたが、1970年頃からアメリカを中心に復活を見せました。
近年のデジタル写真とはまさに対極をなすようなハンドワークや経験を必要とするプロセスでありながら、多くの写真家がその美しさに魅了され、プラチナ・プリントを制作しています。優美な色調とベルベットのような滑らかさ、あるいは硬質で明らかな煌めき、密着焼きならではの細密画のようなディテールを可能とするプラチナ・プリントは、単に古典技法のリバイバルや目新しさではなく、表現技法のひとつとして積極的に取り入れられているのです。本展期間中には、2日間にわたるプラチナ・プリント・ワークショップも開催いたします。
*プラチナ・プリントは、鉄塩の感光性を利用し、塩化白金と鉄塩の感光液を水彩画用紙に塗布した印画紙を乾燥させ、ネガを直接印画紙の上に置き、密着させて、紫外線に感光させます。その後クエン酸アンモニウム液にて現像、洗浄し、乾燥を行います。
エドワード・スタイケン フローレンス・メイヤー 1916年 Edward Steichen
Florence Meyer,
1916
[禁無断掲載]
© Permission Joanna T. Steichen
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ロイス・コナー 中国 四川省、楽山
Lois ConnerLeshan, Sichuan, China, 1986
[禁無断掲載]
© Lois Conner Courtesy Laurence Miller Gallery, New York
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【主な出品作家】
ウィリアム・ウィリス・ジュニア(英、1841-1923)
ガートルード・ケーゼビア(米、1852-1934)
フレデリック・H. エヴァンス(英、1853-1943)
ピーター・ヘンリー・エマーソン(英、1856-1936)
エミール・コンスタン・ピュヨー(米、1857-1933)
ロベール・ドマシー(仏、1859-1936)
アルフレッド・スティーグリッツ(米、1864-1946)
ハインリッヒ・キューン(オーストリア/独、1866-1944)
エドワード・S. カーティス(米、1868-1952)
クラレンス・H. ホワイト(米、1871-1925)
エドワード・スタイケン(ルクセンブルグ/米、1879-1973)
ドリス・ウルマン(米、1882-1934)
カール・ストラス(米、1886-1981)
エドワード・ウエストン(米、1886-1958)
ティナ・モドッティ(米、1896-1958)
アービング・ペン(米、1917- )
原 直久(日本、1946- )
井津建郎(日本、1949- )
ロイス・コナー(米、1951- )
ルイス・ゴンサレス・パルマ(グアテマラ、1957- )
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