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小林正典「命をみつめて ― 難民、マザー・テレサ、地雷」


小林正典「命をみつめて ― 難民、マザー・テレサ、地雷」
Masanori Kobayashi: Keeping Eyes on the Lives - Refugees, Mother Theresa, Landmines -

会 期 :2003年10月11日(土)〜2004年2月15日(日)
毎週火曜日(祝日の場合は開館)、年末年始(12/31〜1/3)、
12月3日(水)・4日(木)、2004年2月4日(水)・5日( 木)臨時休館

主催: 清里フォトアートミュージアム
     Kiyosato Museum of Photographic Arts(K'MoPA)
後援:国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)、山梨県教育委員会、
   
山梨日日新聞社、山梨放送
協賛:
富士写真フイルム株式会社

■本展会期中、毎週土曜日は親子無料デー(小学6年生まで)
■小林正典オリジナルポストカード8枚セット1000円(税別)
 (ミュージアムショップ、オンラインショップにて取り扱っております)

[開催趣旨]

 小林正典(1949- )は、世界の子どもたちを撮影するうち「なぜ子どもたちが銃をとらなければならないのか」という疑問に突き動かされ、以来約30年にわたりフリーランスのフォト・ジャーナリストとして世界72カ国を取材しています。特に1980年から2000年の間は、国連難民高等弁務官事務所との写真契約をし、世界中の難民・飢餓の問題を集中的に取材。優れた写真による人道的活動を高く評価され、1994年には国連写真家賞を受賞しました。


《国境を越えたばかりの人々》
ソマリア、エチオピア国境 1980年
[禁無断転載] KOBAYASHI Masanori

《子どものための補助給食》
エチオピア、バチ救援センター 1984年
[禁無断転載]KOBAYASHI Masanori

 20世紀の度重なる紛争の結果、家を捨て、祖国を捨てて国境を越えざるを得なかった難民の数はアジア、アフリカ、ヨーロッパなど、世界中で今も約2000万人といわれています。〈戦争の世紀〉あるいは〈難民の世紀〉といわれた20世紀を終え、21世紀に入って間もない現在までに、わたしたちはすでに二つの大きな戦争を目の当たりにしてきました。また、「悪魔の兵器」と呼ばれる地雷は、世界に6000万個、カンボジアには600万個の地雷が埋められたまま、その犠牲者は後を絶ちません。一方で「世界の貧しい子どもたちのお母さん」と言われるマザー・テレサ(1910-1997)は、貧しく、見捨てられ、病む人々のために生涯を捧げ、食べ物のない貧しさよりも、心の貧しさの方が深刻であると説きました。

《ミルクの配給》
ウガンダ、モロト 1980年
[禁無断掲載]
KOBAYASHI Masanori

 カルカッタの路上でマザー・テレサに救われ祝福を受ける子どもたち、戦争の意味もわからぬまま自由を奪われる子どもたち。現実を受け入れようとする厳しい眼 、好奇心に満ちた眼、希望に輝く眼。過酷な状況のなかにあって、命の尊厳が輝き出す瞬間をとらえ、生命の鼓動を一枚の写真の中に凝縮させていく ― さまざまな「命」の有りようを伝える小林の写真は、その悲惨さをことさらに訴えようとするよりも、むしろ淡々と、ひとりひとりに静かに向かい合って、たとえ一瞬の間に行われたにせよ、レンズを介した写真家と子どもたちとの対話のぬくもりを伝えようとするものです。同時に、その穏やかな眼差しの奥に、問題の本質を深く見据えて、悲劇が繰り返されぬよう強くメッセージを発信しています。


《「今日も生きていた」救援物資の袋を身に
まとった少女》
エチオピア、バチ救援センター 1984年
[禁無断掲載] KOBAYASHI Masanori

《ラオス山岳難民》
タイ・バンビナイ難民キャンプ 1983年
[禁無断掲載] KOBAYASHI Masanori


 21世紀を歩み始めたいま、世界は未だ不安定な国際情勢のなかにあります。この世界に生きていくとはどういうことなのか。いま一度「平和」について考えるきっかけになれば幸いです。


《マザー・テレサ》
カルカッタ、死を待つ人の家 1981年

[禁無断掲載] KOBAYASHI Masanori

《マザー・テレサ》
カルカッタ、死を待つ人の家 1981年
[禁無断掲載] KOBAYASHI Masanori

 本展では、〈難民〉〈マザー・テレサ〉〈地雷〉の3部構成により約200点を展示するほか、廃棄処理済みの地雷、国連難民高等弁務官事務所の資料展示をいたします。

《ボールに触れた。遠い記憶がよみがえる。》
カンボジア、バッタンパン、赤十字国際委員会の義肢センター 1997年
[禁無断掲載]
KOBAYASHI Masanori

作家略歴:小林 正典 (Kobayashi Masanori)
1949年京都府生まれ。日本写真家協会会員。日本ヴィジュアル・ジャーナリスト協会会員。
マザー・テレサのレポートで1982年に読売新聞写真大賞一席。
1989年にニューヨーク国際広告フェスティバル「人権と平和の推進」部門で銅賞。
1994年国連写真家賞受賞。
主な写真集に『マザー・テレサと神の子』(PHP研究所、1982年)、『難民・終りなき苦悩』(岩波書店、1986年)、『ブッダの生涯』(新潮社、1990年)『悪魔の兵器・地雷』(ポプラ社、1998年)、『未明の街』(阪神・淡路大震災)(大月書店、1999年)、『みなおなじ地球の子』(ポプラ社、1999年)、『対人地雷カンボジア』(毎日新聞社、2001年)『岩波フォト・ドキュメンタリー世界の戦場から「国境を越える難民」』(岩波書店、2003年)など。

小林正典によるトーク
●日時: 11月2日(日) 午後1時〜2時30分
11月30日(日)午後1時〜2時30分
●会場:清里フォトアートミュージアム内展示室・音楽堂
●無料(入館料のみ)
★トーク御参加の方30名に抽選で『世界のお母さんマザー・テレサ レンズの中に愛がみえた』(ポプラ社)をプレゼントいたします。(両日とも各30名)

<カンボジア・ハー君基金>
ハー君基金とは、小林正典氏個人の基金です。
カンボジアで、地雷の犠牲となった子どもたちを撮影している小林氏は、被写体となった子どもたちを支援しています。
清里フォトアートミュージアムは、小林正典氏ポストカードの売り上げの一部を、ハー君基金に寄付いたします。
ポストカードは当館ミュージアムショップ、オンラインショップでも販売しています。


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