●2014年度ヤング・ポートフォリオ 選考委員決定

35歳以下の若手写真家を支援するヤング・ポートフォリオ(YP)は、毎年一回、世界中に向けて公募を行い、優れた作品をパーマネント・コレクションとして購入し、後世に残す活動です。

この度、2014年度YP(第20回)の選考委員を正式に決定しました。
森山大道(写真家)瀬戸正人(写真家)、細江英公(当館館長 / 写真家)

森山大道氏は、1995年度YP(第一回)以来、2回目の選考委員となります。1979年1月1日以降に生まれた方を対象に、2014年4月15日〜5月15日(予定)に公募を行います。詳細は、追って当館HPにて発表致します。

<細江英公館長より>

2014年度は、第一回YP以来20年ぶりとなる森山大道さん、そして昨年度に続き瀬戸正人さんと共に、選考にあたることに致しました。
YPを通して、100年後、200年後に皆さんの作品を引き継いでいくことは、我々のひとつの使命だと思っています。ですから、写真の先輩として厳しい眼で選考しますが、たとえ購入に至らなかったとしても、第一線の写真家の眼に触れるということは、チャレンジなのです。それは必ず皆さんの成長につながるものと信じています。
清里フォトアートミュージアムは、写真のために、そして写真家のために生きている美術館ですから、ぜひ私たちに若い作品をゆだねていただきたい。新しい感覚で、そしてオリジナリティの高い素晴らしい作品を応募してください。期待しています。


●参加者募集中!
プラチナ・プリント・ワークショップ



当館が収蔵する歴史的なプラチナ・プリント作品を間近に見ながらの技法解説、そして大型カメラでの撮影から印画紙づくり、プリントの仕上げまで、すべてのプロセスをじっくりと体験いただけます。
開催中の「森ヲ思フ」展覧会作家の志鎌猛氏も、このワークショップを受講したことがプラチナ・プリント制作への第一歩でした。モノクロ現像が初めての方でも講師が丁寧に指導いたしますので、ぜひお気軽にご参加ください。




●日時:12月14日(土)、15(日)の二日間
●講師:細江賢治(写真家)
●受講料:30,000円 *友の会会員は27,000円
     (交通費、宿泊費は各自別途ご負担ください)
●ご予約または詳細のお問い合わせは下記まで
学芸員:田村泰男 tamura@kmopa.com
TEL: 0551-48-5598

●参加募集!
K・MoPAで星を見る会

11月30(土)17:00〜19:00



K・MoPA恒例、星の美しい清里ならではの秋の観望会です。
秋の星空について、また天文学における最新の話題などを専門家にお話いただく少人数の気軽な催しとして「いつか行ってみたい」というお声も頂戴しています。
雨天の場合もレクチャーがございます。講師の梅本智文氏は東北大学卒の理学博士で、K・MoPAの講師とお迎えするのは8年目。昨年のテーマ「地球以外、宇宙に生命はいるか?」も大好評でした。天体ファンも初心者も、そしてリピーターの方々も大歓迎です。ふるってご参加ください。


エントランスホールでのレクチャー


梅本智文氏の講師は8年目になります。

●講師:梅本智文(国立天文台野辺山 宇宙電波観測所 助教)
●参加費:1,000円(入館料込み/友の会会員は無料)高校生以下500円 
●要予約 / 定員15名
info@kmopa.com TEL:0551-48-5598


■■■志鎌猛アーティスト・トークを終えて■■■

2013年10月5日(土)14:00〜15:00

「森ヲ思フ ウィン・バロック、志鎌猛、宮崎学の写真」の展覧会作家、志鎌猛氏(北杜市在住/1948-)によるトークに、50名の方々が集いました。
導入では、木の伐採からすべてを手掛けて10年がかりで北杜市の自宅を建てた経験が、徐々に森への思いを深めていった、と語られました。海外での評価が高く撮影地も国内外に及ぶ志鎌氏は、日本の湿潤な森をどのように感じながら撮影しているのでしょうか。


写真家・志鎌猛氏

志鎌:「日本の森は、海外に比べて木の種類が豊富で、ディテールも色彩も実に豊かだと思います。湿度の高さ、しっとりとした感じはすぐにわかる。そして何故か、気がつくと小さな池や小川、滝に出会っているのですね。まるで水に誘われているかのような、何とも言えない気配です。そんな森の“気配”を撮影できたと感じる時があります。そのときに、水が森を支えている、木の根元に水が流れているという感覚を肌で感じ、森の持っている力を頂いたことに感謝します。」

「山の中に寝袋を持ち込んで撮影することも多い中で、特に惹かれるのは、夕暮れ時の光です。そこに存在している空間、そして結局は光をどうやって捉えるか、という事に終始します。夕方の光は、現在から過去への移ろいのように、明るいところから闇の世界に流れていきます。闇の世界の一歩手前への拘りが、僕の作品に表れているのかもしれません。」

当館のワークショップの受講者として初めてプラチナ・プリント技法に出遭った志鎌氏は「最初は非常に難しいという印象しかなかった」と、受講後、約2年ほどこの技法から離れていたそうです。しかし、どうしても納得できるものをつくりあげたいと多くの作品を鑑賞し、専門家に助言を乞い、59歳から本格的な作品制作に取り組んだ結果、「森ヲ思フ」展の作家として再び当館にお迎えすることになったのです。


K・MoPAワークショップでの初作品を手に
   「誰よりも上手くいかなかったことが逆に良かった。」

志鎌氏の作品は、ネガと同サイズのポジをつくり、次にポジから拡大ネガをつくるという二つの工程の末、ネガと印画紙を密着してプリントしています。一方、本展のなかでも、ひときわ大きな二作品については、プリンター(プリントの専門家)に依頼し、ネガを使わずにレーザー光線で露光する世界初の最新技術を駆使したという解説も行われました。プリントに興味のある方は、このちがいもご覧になってはいかがでしょうか。



志鎌氏が長期滞在した
スカイ島のスライド・ショーも交えて

撮影から、プリントに用いる雁皮紙(がんぴし)という和紙の選別、プリントに至るまで、長い月日をかけて練り上げられた志鎌氏の作品は、本年12月23日(祝)まで展示中です。ぜひ、秋から冬に向かうK・MoPAの森の中で、「森ヲ思フ」展をご堪能ください。会期中は、当館ガレリアにて、本トークのビデオを上映しております。

文責:広報主任・小川直美 / 写真:学芸員・田村泰男

●宮崎学アーティスト・トーク、
福島県の親子連れ向けワークショップ「光で写真を描こう」、
K・MoPAチャリティ・ライブ2013を終えて

 2013年の夏、K・MoPAは3つのイベントを開催しました。

■■■宮崎学アーティスト・トーク■■■
2013年8月10日(土)14:00〜15:00

「森ヲ思フ ウィン・バロック、志鎌猛、宮崎学の写真」に出品中の宮崎学氏が、50名の来場者に向け、独自の撮影スタイルで捉えた作品世界をユーモアたっぷりに語っていただきました。


自然写真家・宮崎学氏

宮崎「人間も野生動物。自然に戻ればあっという間に喰われるんです。命は自然に還っていくということを現代社会は完璧に忘れている。だから僕は、この忘れ物に気付いてもらおうと、動物の姿を通して「森ノ命ヲ思フ」というテーマで、この作品を見て頂いているわけです。
僕の発見の中で一番伝えたかったことは、妊娠期間と同じ時間で、あらゆる生物が土に戻るということです。人間の場合は排卵が28日。ノネズミは生理周期がたった4日、妊娠期間はたったの21日。そして、死後21日で見事に土に戻る。こういう事実を知ってほしい。だから『死』という写真集も出しました。生き物の生と死の循環、それを表現しなかったら、とんでもないことになってしまうと思うのです。」




宮崎氏によれば「人間の無意識の餌付けによって、シカもクマも激増している」とのこと。
トークに参加できなかったみなさまは「森ヲ思フ」展会期中、当館ガレリアにて、本トークのビデオを上映しておりますので、ぜひご高覧ください。
また、本トークのダイジェストを、当館facebookにて15回連載中です。
https://www.facebook.com/kmopa

■■■福島県の親子連れ向けワークショップ「光で写真を描こう」■■■
2013年8月3日(土)、9日(金)、17日(土)各日13:00〜15:00

福島県在住の親子連れ向け保養プログラムを当館が3回サポートしました。前日からバスで清里入りしていた参加者は、午前中に清里の「まきば公園」で遊び、当館に到着。ガーデンテラスでボランティアお手製の昼食をすませ、音楽堂で行うワークショップ「光で写真を描こう」に集いました。

K・MoPAスタッフによるかんたんなデモンストレーションの後に会場を消灯。

暗闇のなか、10秒間で描いた4色のペンライトの軌跡が1枚の写真になるという不思議に、参加者も大喜び!夜空の花火のように美しく、しかも一つとして同じ形のない作品が生まれ、ご家族毎に、1枚のプリントをお持ち帰りいただきました。
昨年に引き続き開催した本ワークショップには参加者、ボランティア共にリピーターの顔もみえ「大きくなったね!」「中学2年になりました」と、再会を喜んだひと時でもありました。





■■■K・MoPAチャリティ・ライブ2013
「みんなつながっている〜星と音楽と私たち」■■■
2013年9月15日(日)14:00〜16:00

117名の参加者をお迎えしてK・MoPAチャリティ・ライブ「みんなつながっている〜星と音楽と私たち」を当館音楽堂にて開催しました。


開場直後のK・MoPA音楽堂




今年は宙先(そらさき)案内人の高橋真理子さんによる語り、そして小林真人さんのピアノと山本晶子さんのパーカッション演奏を二部構成でお届けしました。
“震災の日の星空”をテーマにした文章の朗読、そして語り手が映像を操作することにより137億光年のスケールで宇宙空間を体感できる最新映像「UNIVIEW」。温かな語りと、最先端技術を自在に駆使した高橋氏の世界と、そこに寄り添う生演奏によって、私たちをとりまく宇宙と星たちがひときわ鮮やかに立ち現われたステージになりました。



宙先(そらさき)案内人・高橋真理子氏

来場者アンケートに寄せられた声を、一部ご紹介します。

「とても感動しました。色々、考えさせられる内容でした。小4、中1の子供も一緒に来ましたが、それぞれに感じ、考える事があったと思います。音楽のライブも久々でしたが、やっぱり“生”はサイコーです。今日はありがとうございました。」(山梨県在住)


感動を呼んだ小林真人氏のピアノ演奏


「八ヶ岳に来たのだから満天の星を期待していたのに、夜はずっと曇り。今日は雨!星には縁がないとあきらめていました。雨でも楽しめる所をまわるというのが今日の予定でした。来てみてビックリ!とても感動しました。生演奏はやっぱり素晴らしい。」(神奈川県在住)


山本晶子氏のパーカッションにより宇宙空間が出現

「魂が揺さぶられるような本当に素晴らしいライブでした。このようなステキなライブを鑑賞して、支援にもつながるとは、ありがたい企画でした。企画の皆様ご出演の皆様、ありがとうございました。」(山梨県在住)


台風の影響はなかったものの外はあいにくの曇天、
でも音楽堂には星空の世界が―。

本年14回目を数えるK・MoPAチャリティ・ライブでは、チケットによる収益の50%を「ラオ・フレンズ小児病院」へ、そして50%を東日本大震災復興支援活動に寄付致します。

文責:広報主任・小川直美 / 撮影: 学芸員・田村泰男


参加募集中!
■アーティスト・トーク 志鎌猛(しかま たけし)

「森ヲ思フ ウィン・バロック、志鎌猛、宮崎学の写真」にプラチナ・プリント作品を出品中の志鎌猛氏(北杜市在住/1948-)によるトークを行います。
氏が古典技法のプラチナ・プリントを始めたのは、当館で開催したワークショップがきっかけでした。
また、自ら伐った木で、15年をかけて北杜市内に家を建てた経験が、森に惹かれていった大きな理由だともいいます。
今年は海外で多数の個展が開催され、9月末にスコットランドから帰国する志鎌氏が、雁皮紙(がんぴし)という水と木だけでつくられた手漉きの和紙にプラチナ・プリントを駆使して製作する作品へのこだわり、大型カメラを駆使した撮影エピソードなどを語ります。



撮影中の志鎌猛氏

●トーク日時:10月5日(土)14:00〜15:00
●会場:清里フォトアートミュージアム展示室
●出演:志鎌猛(写真家)
●参加費:一般800円 学生600円 中高生400円(入館料込み)
     友の会会員は無料
●定員:なし / ご予約は不要です。
 開始10分前にK・MoPAチケットカウンター前にお集まりください。


●2013年度ヤング・ポートフォリオの購入者決定

ヤング・ポートフォリオ(YP)は、35歳以下の若手写真家を支援するK・MoPAの柱となる活動です。優れた作品を公募により募り、後世に残すためにパーマネント・コレクションします。国境を超え、多くの若者たちが過去18年の間に応募してきた総数は、74カ国より10万枚を超えました。

さて、2013年4月15日〜5月15日、1978年1月1日以降に生まれた方を対象に行った公募2013年度YP(第19回)には22ヶ国、5411枚の作品が寄せられました。本年の選考委員・川田喜久治氏(写真家)、瀬戸正人氏(写真家)、細江英公館長による厳正な選考の結果、28名(日本人15名 / 海外作家13名)による189枚の購入を決定しました。

購入作家には当館より通知し、パーマネント・コレクションとして作品を収蔵いたします。購入作家名などの詳細は、追って発表します。
本年購入したすべての作品は、来年3月末より当館にて開催する「2013年度ヤング・ポートフォリオ」にて、約3か月間展示を行い、会期中に無料配布するカタログに作品が掲載されます。来年5月のYP公開レセプションに出席されると、選考委員から直接講評をいただくことができます。昨年度(2012年度)のYP公開レセプションにおける直接講評会の様子は、当館facebookに掲載中です。
https://www.facebook.com/kmopa

また、10月中旬発行予定のK・MoPAニュースレターVol.3でもご紹介します。ニュースレターは、K・MoPA友の会・会員に無料で郵送するほか、K・MoPA館内にて自由にお持ち帰りいただけますので、ぜひご覧ください。

今回惜しくも購入に至らなかった応募作品は、9月上旬までに返却させていただきます。
尚、最終選考にのこった作品には、あえて選考委員が購入の候補に挙げた証である付箋(ふせん)をつけたまま返却をしています。付箋がついていた方も、ついていなかった方も、ご自分の作品とあらためて向き合い、今後の可能性を信じて、ますます作品制作に励んでいただきたいと思います。
そして1979年1月1日以降生まれの方は、ぜひ来年4月の2014年度ヤング・ポートフォリオ(第20回)にチャレンジする準備を始めていただきたいと思います。


K・MoPAチャリティ・ライブ2013「みんなつながっている〜星と音楽と私たち」

宙先案内人・高橋真理子さんによる語り、音で心を語るピアニスト・小林真人さんの演奏と壮大な宇宙映像の豪華コラボレーションライブです。

KMoPAが18年間支援してきたカンボジアの「アンコール小児病院」(写真家・井津建郎主宰)は、2013年1月自立を果たしました。本年は、新たに開設された「ラオ・フレンズ小児病院」と東日本大震災の被災地に収益を寄付します。


Yumiko Izu


Yumiko Izu





主催:清里フォトアートミュージアム(K・MoPA)
●日時:9月15日(日)14:00〜16:00  途中休憩あり
●会場:清里フォトアートミュージアム音楽堂
●要予約:info@kmopa.com TEL:0551-48-5599 FAX:0551-48-5445
    氏名、参加人数、連絡先をお知らせください。
●定員150名/全席自由
●参加費:
1名様3,000円 / 2名以上はお一人2,000円 *入館料含む
  ◎K・MoPA友の会会員は各1000円引き
◎JAF会員と同伴5名様(全6名)は特別割引 1名さま2000円 2〜6名さまは一人1000円

内容:
地上から見える星空から、暗闇の向こう側の宇宙空間を抜け、137億光年の壮大な宇宙へ。
美しいオーロラ、天の川、満天の星に私たちがひかれるワケは・・

曲目: 薫風、天花、オーロラストーリー、星の道を 他。


高橋真理子 /宙先案内人(Cosmos Navigator)


北海道大学、名古屋大学でオーロラの研究を行う。山梨県立科学館の開館時より学芸員としてプラネタリウム番組制作、プラネ・ワークショップや全国に広がった「星つむぎの歌」の企画など、星を介して様々な分野と人をつなげる活動を行う。今年独立し、宇宙や星空を"届ける"活動に軸足をおいている。創発型共同体「星つむぎの村」を北杜市拠点に展開している。星空工房アルリシャ主宰。山梨県立大、日大芸術学部 非常勤講師。
公式ウェブサイト http://alricha.net


小林真人 /作曲家・ピアニスト


国立音楽大学卒業。情景や心情をピアノの音に乗せて語る作曲家・ピアニスト。これまでに8枚のオリジナルCDをリリース、山梨県立科学館制作のプラネタリウム番組音楽担当、小学校校歌作成、教育出版発行小中学校音楽の教科書に作詞作曲の合唱曲が現在2曲採用されている。ピアノソロコンサート、学校等でのアウトリーチ活動は年間100公演にわたり、全国各地で好評を博している。山梨市観光大使。
公式ウェブサイト http://www.masato-kobayashi.halfmoon.jp/


山本晶子 /打楽器奏者


国立音楽大学、同大学院を首席で卒業。武岡賞受賞。第19回管打楽器コンクール打楽器部門優勝。文化庁平成16年度新進芸術家海外研修制度1年派遣研修員としてドイツ国立フライブルグ音楽大学に留学。平成23年静岡県島田市文化芸術奨励賞授賞。常葉大学短期大学部非常勤講師、洗足学園音楽大学非常勤講師。日本女子大学非常勤助手。


●参加募集!
アーティスト・トーク:宮崎学



写真家・宮崎学氏


「森ヲ思フ ウィン・バロック、志鎌猛、宮崎学の写真」の展覧会作家で、森の報道写真家・宮崎氏が、展示中の作品前にて動物たちのしたたかさや人間のおろかさなど、撮影で得た様々な体験を楽しく語ります。仰天エピソードが盛りだくさんの一時間です。

●日時:8/10(土曜日)14:00〜15:00
●会場:清里フォトアートミュージアム展示室
●出演:宮崎学(写真家)
●参加費:一般800円 学生600円 中高生400円(入館料込み)
     友の会会員は無料
●定員:なし / ご予約は不要です。
 開始10分前にK・MoPAチケットカウンター前にお集まりください。



宮崎学《カメラにいたずらするツキノワグマ》2006年11月7日
Manabu Miyazaki

●森ヲ思フ ウィン・バロック、志鎌猛、宮崎学の写真
会期中のプレゼント企画


富士山の世界文化遺産登録、そして国民文化祭の開催地が重なった2013年の山梨県。今年の夏は、富士山、八ヶ岳、南アルプスを一望できるスポットのある清里周辺で、写真撮影、そして写真鑑賞はいかがでしょうか?

当館は、国民文化祭記念展のテーマに沿う「森」をテーマに、表現も視点もまったく異なる3人の写真家の作品をご紹介します。大地そのものである森、その森羅万象について思いを馳せた94点を3部構成にてご覧ください。

会期中、ご来館の方全員にウィン・バロックのポストカードをおひとり1枚プレゼントします。
また、「森ヲ思フ」展に来場くださった全員の方に特製リーフレット(アコーデイオン折り)をプレゼントいたします。ウィン・バロック、志鎌猛、宮崎学のそれぞれの作品と言葉、そして本展を企画した山地裕子(主任学芸員)が強いインスピレーションを得た詩人 ・山尾三省の言葉を併せて掲載していますので、どうぞお楽しみに!



       森ヲ思フ展特製リーフレット


■「森ヲ思フ:ウィン・バロック、志鎌猛、宮崎学の写真」
■会期:2013年7/6(土曜日)〜12/23(祝・月曜日)
■開館時間:10:00〜18:00(入館は17:30まで)
■休館:火曜日 ただし7/30(火)は開館、8月は無休

YP卒業作家 亀山亮氏、土門拳賞受賞

ヤング・ポートフォリオ(YP)卒業作家の亀山亮氏が、この度第32回土門拳賞(主催:毎日新聞社)を受賞されました。受賞対象は写真集『AFRIKA WAR JOURNAL』(リトルモア刊)。受賞作品展は、4月24日より銀座ニコンサロンにて、5月7日より大阪ニコンサロンbisにて開催されます。
http://www.nikon-image.com/activity/salon/schedule/

授賞式典では、当館の細江英公館長が祝辞をおくり、1999、2000〜2008、2010年度という11年の間に、当館がYPによってパーマネント・コレクションした亀山氏の作品総数が133枚にのぼることを申し述べました。
土門拳賞の選考委員を務められた写真家の内藤正敏氏は、2000年度のYP選考委員でもあったことから「K・MoPAから毎年送られてくるYP図録で亀山さんの作品を拝見しており、非常に注目していました」と、氏の受賞を喜ばれていました。
また、同賞の選考委員で、2003年度YP選考委員でもあった写真家の野町和嘉氏も「YPで選考した当時から亀山さんの写真には強い印象をもっていましたが、133枚もコレクションできたとはすごい。YPも、もう19年ですか。継続は力なりですね」と語ってくださいました。

YPレセプションには家族ぐるみで参加くださった亀山氏も37歳、まさにYPを卒業し、写真家として未来に一歩を踏み出すこの機会にコメントをいただきました。「毎年YPで作品が評価されることは大きな励みで、何より購入費がそのまま次の撮影の費用になっていました。購入されたら、これでしばらくバイトしないで写真に専念できる!とひと息つけました。購入されないときは、ショック(笑)。自分にとってのYPは、印刷物に掲載されることとはちがい、写真そのものを買い上げてくれるという意味で、とても“ピュア”なものです」(談)

K・MoPAの館長、スタッフ一同、この度の受賞に心からお祝い申し上げますと共に、亀山氏が写真家としてますます飛躍していくことに心から期待しています。
そしてK・MoPAはこれからもYPを通して若い写真家を支援し、卒業後も彼らの成長を見守り続けていきたいと思います。


土門拳賞授賞式・会場にて
左から細江英公館長、内藤正敏氏(写真家)、山地裕子学芸員、亀山亮氏、
   広報小川直美、野町和嘉氏(写真家)、田村泰男学芸員 

文責:広報主任・小川直美 

K・MoPAコレクションのエドワード・S・カーティスの作品
東京ミッドタウンに巡回

清里フォトアートミュージアムが収蔵するエドワード・S・ カーティス(アメリカ、1868-1952)の作品を下記に巡回します。1900年代初頭に制作されたオロトーン技法の貴重なヴィンテージ・プリント、プラチナ・プリント作品など22点を公開中です。ぜひご高覧ください。会期中の4月下旬に当館学芸員・山地裕子のギャラリートークも予定しています。

●エドワード・S・ カーティス作品展「アメリカ先住民の肖像」
会場:FUJIFILM SQUARE 写真歴史博物館 (東京ミッドタウン)
会期:2013年3月1日(金)〜5月31日(金)
開館時間:10:00〜19:00(入館は18:50まで)期間中無休
入場料:無料

★詳細は、下記をご覧ください。
http://fujifilmsquare.jp/detail/13030104.html


●4/15(月)より2013年度ヤング・ポートフォリオ作品募集!


昨年の選考会の様子 川田喜久治氏(左)、細江英公(右)

ヤング・ポートフォリオ(YP)は、当館の基本理念にもとづき、世界中の若い写真家を支援する活動です。
毎年4月に公募を行い、選考ののち、優れた作品を当館の収蔵作品として購入するものです。2013年度の要項を決定いたしましたので、1978年1月1日以降生まれの方は、どうぞふるってご応募ください。
「もう少し力をつけてから応募しよう」、「来年も応募できるから今年はやめておこう」と迷っている若者がいるとしたら、K・MoPAよりこの言葉を贈りたいと思います。
「今できる限りのものを見せてほしい。今の挑戦が未来のあなたを強くする。」

2013年度ヤング・ポートフォリオ
●選考委員:川田喜久治・瀬戸正人・細江英公(館長)
●募集期間:2013年4月15日〜5月15日
●応募資格:1978年1月1日以降生まれの方
●詳細は下記YPサイトをご覧ください。
http://yp.kmopa.org/



●3/23(土)より 2012年度ヤング・ポートフォリオ展
公開レセプションは5/18(土)

来る3月23日(土)〜6月23日(日)、2012年度に公募・購入した199枚を一堂に会するヤング・ポートフォリオ(YP)展を開催いたします。
加えて本展では、選考委員・川田喜久治氏、鬼海弘雄氏、細江英公(館長)の“YP”時代(20代、30代)の作品15点、そしてYPを卒業し、世界を舞台に活躍する北野謙氏が北京にて制作した《our face》の大型プリント(当館収蔵)を1点、合計215点を展示いたします。
詳細は、こちらをご覧ください。
http://www.kmopa.com/yp2012.htm




5月18日(土)にはYP永久コレクション証書授与式併せて公開レセプションを開催します。昨年のレセプションのダイジェストはこちら
http://www.kmopa.com/info/info2012.htm

2012年度の応募総数4806枚から選ばれ、作品購入された若い写真家たちに、選考委員を務めてくださった川田喜久治氏、鬼海弘雄氏、館長の細江英公が直接講評します。
昨年の講評はこちら 
http://yp.kmopa.org/modules/bulletin/


2012年度YP応募作品を選考中
      左から鬼海弘雄氏、細江英公、川田喜久治氏

エントランスホールでは、購入作家とご来場の方々が自由に交流いただける機会を設けています。昨年は、マスコミやギャラリー、出版、学校関係者とYP作家が、ジャンルを超えて親しく会話を交わし、中には今後の仕事につながるような素晴らしい出会いもあったようです。一般の方々にとっても、時代を担う若手写真家を励まし、作品に対する感想を忌憚なく語りあえる時間は、とてもエキサイティングだった、という言葉をいただきました。入館料のみで、どなたでもご参加いただけます。お気軽にご予約ください。


2012,13年度選考委員・川田喜久治氏


2011,12年度選考委員・鬼海弘雄氏

●2012年度YP公開レセプション
2013年5月18日(土)午後2:00〜4:00 
●出演:2012年度YP購入作家、2012年度選考委員・川田喜久治、鬼海弘雄、細江英公(館長)
●参加費:入館料のみ(一般800円、学生600円、中高生400円)友の会・会員は無料
●要予約:住所、氏名、参加人数をお知らせください。
    info@kmopa.com TEL:0551-48-5599
★予約された方は、当日の開式15分前までにK・MoPAチケットカウンターにて入館料をお支払いください。半券にて午後2時からのレセプションに参加いただけます。


●YP卒業作家が第38回木村伊兵衛賞を受賞

この度、ヤング・ポートフォリオ(YP)卒業生の百々新(どど・あらた)さんが、
第38回木村伊兵衛写真賞(主催・朝日新聞社、朝日新聞出版)を受賞されました。菊池智子さんとのダブル受賞です。

この賞は、故木村伊兵衛氏の業績を記念して1975年に創設され、各年に優れた作品を発表した新人写真家を対象とするもので写真家の岩合光昭氏、瀬戸正人氏、鷹野隆大氏と、アサヒカメラ編集長の勝又ひろし氏が、選考委員を務められました。
このうち岩合光昭氏は2004年度YP、そして瀬戸正人氏は来る2013年度YPの選考委員でもあります。

当館は百々新さんの《上海の流儀》(6枚)《重慶》(6枚)《マニラ》(3枚)を、2000年度YPにて収蔵しています。YP卒業作家の木村伊兵衛賞受賞は3人目、YPへの応募を出発点に、若い写真家たちが活躍の場を広げていくことは、清里フォトアートミュージアムにとって大きな喜びです。この度の受賞に心からお祝い申し上げます。