●晩秋の自然の中で、3つのワークショップを終了
2010年11月6日(土)午後1時~3時、秋の日差しがたっぷりと降り注ぐ中、20名の参加者を迎え「自然写真家・西村豊氏とK・MoPAの森を散歩」を開催しました。
K・MoPAガーデンにて 西村豊氏(左)
11月のガーデン
いつも最新のトピックスをもってきてくださる西村氏。今回は、最近各地に出没する熊についての情報に加え「何かの役にたてば」と、知り合いの猟師さんが貸してくれたという熊の毛皮を持参くださいました。
人里に出現した熊を撃退するには、唐辛子エキス入りのスプレーを吹き付ければよい、その痛みを知って逃げた経験のある熊は、二度と人前に現れない、というのがこれまでの常識でした。しかし、それも最近はかわってきたようです。熊は人間から受けた行為をちゃんと記憶していて、同じ仕打ちにあわないよう、人の背後から音もなく忍び寄るようになってきたというのです。人命に関わることですから、私たちが身を守る術を知ることはもちろん大切ですが、熊が人里におりてくる一番の原因ともいわれる“餌不足”を解決するために、ドングリなど、実の成る木を植林することを早急に始めるべきではないかと、西村氏は真剣に語ってくださいました。
散策のあとは室内でスライドレクチャー
同日11月6日(土)午後5時30分~7時30分に開催した「K・MoPAで星をみる会★Starry Night at K・MoPA」。この会の講師として5年目を数える梅本智文氏(国立天文台 水沢VLBI観測所 助教)が「これまでの中で一番!」と喜ばれたほど澄み切った夜空に出合えた参加者は、4Fの天文室に急ぎました。
上空にはうっすらと天の川。はじめに、講師の梅本氏が少年の頃に天体観測に興味を抱くきかっけになったという木星を観望しました。
4F天文室にて満天の星空を観望
「今年の5月、南北にあった木星のトレードマークともいえる二本の”縞”のうち、南半球の一本が消えてしまいました。理由は、天文学者にもわかりません。」
梅本氏をお話を聞きながら、すばる(プレアデス星団)や、肉眼で見えるもっとも遠い天体といわれるアンドロメダ銀河をゆっくりと観望しました。25名の参加者は、天体望遠鏡の順序を待つ間にも流れ星(おうし座流星群)や人工衛星を発見して歓声をあげ、満天の星空を思い切り楽しんでいたようでした。
エントランスホールにて解説
私たちが現在目にしている星の煌きは、遥か彼方から届いた過去の光。「そう考えれば、星というのは、タイムマシンのようなものですね」。そんな梅本氏の言葉に耳を傾けながら、それぞれが宇宙の果てまで思いを馳せた2時間の観望会でした。
11月14日(日)午前10時~午後5時には恒例のピンホールカメラ・ワークショップを開催しました。講師は当館の田村泰男学芸員。小、中学生とその親御さん、英語圏の方も初参加!カメラづくりに始まり、撮影、ネガづくりからプリントまでの全工程を楽しく体験されました。
持参の空き箱をピンホールカメラに
ハート型のカメラで撮影に挑戦!
今日は曇り。シャッタースピードは何分かな?
親子でネガつくり、暗室作業も楽しそう。
全員そろって講評会
今回も力作ぞろいでした。
文責:広報主任・小川直美 / 撮影:藤原佳子
●2011年度ヤング・ポートフォリオ公募期間と選考委員決定!
ヤング・ポートフォリオ(YP)は、若い写真家を支援するため毎年公募を行い、優れた作品を後世に残すためにパーマネント・コレクションとして購入する当館の柱となる活動です。年齢が35歳以下であれば、国籍、性別、プロ、アマチュア、既発表、未発表を問いません。
2011年度ヤング・ポートフォリオの作品募集期間を下記のとおり決定しました。
●web登録ならびに応募作品の受付期間:2011年4月1日~30日
●応募資格:1976年1月1日以降生まれの方
●選考委員:鬼海弘雄、都築響一、細江英公
最近のYP購入作家たちの活躍の一部をご紹介しましょう。岡原功祐氏は、2010年度の「 W. Eugene Smith Grant for Humanistic Photography」賞のフェローシップ(2位)を受賞、5000ドルの奨学金を受けることになりました。受賞対象となった《Ibasyo》シリーズは、2004~2008年にかけて、日本の10代の少女たちの間に拡大しつつある自傷行為を取材したものです。また、1位を受賞したアメリカ人のDarcy Padillaの作品は《The Julie Project》。1993年に出会ったJulie Bairdというサンフランシスコに住む少女を18年にわたり取材し、アメリカのエイズと貧困の問題を捉えた作品です。
1979年から行われている同賞はユージン・スミス・メモリアル基金により制定され、1980年から昨年までの間に303人のファイナリストが、それぞれのプロジェクトを遂行する資金援助を得ています。第1回の受賞はジェイン・イヴリン・アトウッド、82年にはセバスチャン・サルガドが受賞しています。本年は32カ国・182人の応募があり、本年の審査員が2日間で8人のファイナリスト(米、独、英、ブラジル、アルゼンチン)を選抜、その中から1位と2位が選ばれました。岡原氏の受賞は、日本人はもとより、アジアの若い写真家たちの奮起にもつながることでしょう。
また、マグナム・フォトとヒューレット・パッカード共催の「The Magnum Expression Award」にて、イヴォンヌ・ヴェネガスが本年の大賞に輝き、イリ・マコヴェツもファイナリストの一人に選ばれました。同賞では、アダム・パンチュクも佳作を受賞しています。バングラデシュの作家では、アビル・アブドゥラーが、「World Press Photo」2011年の審査員になることに決定しました。
YPを通してK・MoPAが作品をパーマネント・コレクションした作家たちが、世界に羽ばたき始めています。
2011年もたくさんのご応募をお待ちしています。
文責:広報主任・小川直美
●細江英公館長が2010年度文化功労者に
2010年度の文化功労者の一人に清里フォトアートミュージアム・館長で写真家の細江英公(1933年-)が選ばれました。細江英公は、現在も現役の写真家として旺盛な活動を続け、新作を発表をする一方、1995年より清里フォトアートミュージアムの初代館長として若い写真家を支援する活動「ヤング・ポートフォリオ」に尽力しています。文化功労者の顕彰式は11月4日に東京都内のホテルで行われます。
細江英公(ほそえ えいこう)
写真家、東京工芸大学名誉教授、清里フォトアートミュージアム館長。1933年山形県米沢市に生まれ東京で育つ。1951年富士フォトコンテスト・学生の部最高賞受賞を機に写真家となり、国内外で多数の個展やワークショップを行なう。代表作に『おとこと女』、三島由紀夫を被写体とした『薔薇刑』、舞踏家土方巽を捉えた『鎌鼬』他多数。近作にポンペイ、アウシュビッツ、ヒロシマ、ナガサキの死者の霊に捧げる写真集『死の灰』、今年103歳で死去した舞踏家を追った「胡蝶の夢 舞踏家・大野一雄」。
<受賞歴>
国内では、1998年紫綬褒章、2007年に旭日小綬章ほか多数受賞(章)。
海外では2003年、英国王立写真協会150周年記念特別勲章、2006年、アメリカで写真のアカデミー賞といわれるルーシー・アワードの「先見的業績部門」を日本人として初めて受賞(章)、2010年にニューヨークのナショナル・アーツクラブより贈られた「生涯業績賞金賞」は、アメリカの写真家以外ではメキシコのマヌエル・ブラボ、ブラジルのセバスチャン・サルガド、イギリスのデビッド・ベイリーに次いで4人目、日本人写真家としては初めての受賞。
文責:広報主任・小川直美
●K・MoPAも参加!
「八ヶ岳ART FESTIVAL 2010」
八ヶ岳南麓に点在するミュージアムが
“エコロジー”をテーマに、
個性的なイベントを各美術館内にて行ないます。
スタンプラリーも同時開催。
スタンプを集めると3つめのミュージアムで割引やプレゼントがございます。
詳細は、八ヶ岳ミュージアム協議会加盟館に設置のチラシか、http://yatsugatake-museum.jpをご覧ください。
●ピンホールカメラ・ワークショップ
11月14日(日)午前10時~午後5時
講師:田村泰男(当館学芸員)
定員10名
参加費:一般1000円 小学生・友の会会員500円
(小学生は親子での参加となります)
※参加申込は11月7日(日)までに住所、氏名、参加人数をお知らせください。
お申し込み: TEL:0551-48-5598
YP作家、ムネム・ワシフ氏が来日
今年10周年を迎えた神奈川県相模原市主催の「フォトシティさがみはら」。2010年度の「さがみはらアジア賞」を受賞したのは、バングラデシュの若い写真家、ムネム・ワシフでした。清里フォトアートミュージアムでは、ワシフの作品を、ヤング・ポートフォリオ(YP)を通して、2007年から2010年までの間に計45枚を収蔵しています。毎回、選考委員も強い感銘を受けているバングラデシュの若い作家のひとりであるワシフは、現在27歳。バングラデシュの写真家で、先輩格であるアビル・アブドゥラーの勧めでYPを知ったそうです。ところが、実は、初めて応募した2006年は選考されなかったとのこと。その後努力を重ね、わずか数年の間に、写真家として着実に自分の信じる道を歩き始め、フランス、ドイツ、イギリス、シンガポールなどで展覧会が開催されるなど、国際的な評価も高まっています。
10月9日、受賞のために来日したワシフに、わずかな時間でしたが、細江英公館長とともに会うことができました。
ムネム・ワシフ(右)と館長・細江英公(左)
ワシフが写真を始めたきっかけは、地理の教師をしている叔父の影響で、広く外の世界に興味を持ち、同時に写真にも興味を持ったそうです。また、バングラデシュで行われたWorld Press Photo(世界報道写真展)に感動し、自分のカメラを買うため1年半アルバイトでお金を貯めて、やがて写真学校のパトシャラにて3年間本格的に写真を学びます。
写真家となって嬉しいと感じる時は、他人に何かをさせられるというよりも、自分で考えて、自分の信じる道を歩いて行けること。時間の自由があること。YPについては、「若いアーティストにとって非常に優れた企画で、このような企画がもっと世界中に増えるべきだと思う。巨匠の作品が美術館に収蔵されるのは当たり前だが、名前も知られていない、若い、これからの作家の作品が購入されることは素晴らしいこと。50年後の将来を見据えている。そして、私にとっては、その購入代金が次の取材の資金になるので、大変ありがたい。」と語っていました。また「YPでもうひとつ素晴らしいと思うのは、さまざまな写真があること。美術館の学芸員は、コンセプチュアルに興味のある人はそういう作品しか選ばないし、フォトジャーナリズムに興味のある人も同様。でも、YPはとにかくオープンで、作品が良いという理由だけで選んでいるところが素晴らしい。」とも。
ムネム・ワシフ
現在は、学校で9人の生徒に写真を教えており、自らも取材にバングラデシュ国内や近隣の国を駆け回っているワシフ。「写真用品はすべて海外からの輸入なので大変。生徒たちにとっては、小さなサイズのプリントでさえ焼くことは難しいし、自分もプリントを作る時、テストを重ねて理想的なプリントにするなどという贅沢はできない。だから、ずっと同じラボで同じ技術者に担当してもらい、自分の好みを理解してもらってプリントを最小限の枚数で作っている。写真を教えることはとても難しいけれど、これから数年の間にきっとバングラデシュの写真は変わっていくだろう。」真摯に写真に向き合い、たびたび「自分の信じる方法で」という言葉を繰り返し語る姿が印象的でした。今後も強い発信力で次世代をリードしていく写真家となることは間違いありません。
文責:主任学芸員・山地裕子 / 撮影:学芸員・田村泰男、野田宏人
●主任学芸員・山地裕子の連載(5回)をスタート
2011年1月23日(日)まで当館にて開催中のコレクション展「プラチナ・プリント―光の名残り」を企画した主任学芸員・山地裕子による連載(5回)を、スタートします。 こちら
タイトルは「蘇ったヴィンテージ・プラチナ・プリントをめぐって」。10月中に随時アップいたしますので、どうぞお楽しみに。
広報主任:小川直美
●「プラチナ・プリント―光の名残り」展にScott Davis氏来館
2010年9月15日(水)、「プラチナ・プリント―光の名残り」展出品作家の一人、Scott Davis(米 1971-)氏が、Deborah Klochko氏(Exective Director,Museum of Photographic Arts,San Diego)、写真家の志鎌猛ご夫妻と共に来館され、プラチナ・プリント作品を鑑賞されました。Klochko氏は、1998年にK・MoPAがアジア初のホスト館となった写真の国際会議、第16回オラクル会議に出席するために清里に約一週間滞在したことがあり、そのときに巡った思い出の場所をもう一度訪れながらK・MoPAに到着されたとのことでした。
今回展示中のScott Davis氏の作品「雷雨 no18 ニューメキシコ州 アルバカーキ」は、当館が19999年度ヤング・ポートフォリオ(YP)にて購入した一枚です。「ニューメキシコ州で自分の方に向かってくる雷雨に一回だけシャッターを切った。次の瞬間ずぶ濡れに!カメラを覆って、急いでその場を離れた(談)」という作品。現存作家と、作品を前に“その瞬間”を語り合えた貴重なひと時でした。K・MoPAでは、2000年、2001年度YPでもDavis氏の作品を連続してコレクションしています。
同行されたDeborah Klochko氏は「もしこの世界から“写真”というものがなくなってしまったとしても、この一枚さえあればいい」という程好きな、エドワード・ウエストンの作品と本展で出遭えたこと、カーティスをはじめとする1900年代初頭のヴィンテージ・プリントの美しさに感嘆され、ルース・バーンハートの作品の前では、Klochko氏がバーンハートのワークショップをサポートした当時の楽しい思い出を聞かせてくださいました。
翌16日(木)は、愛知淑徳大学文化創造学部表現文化専攻・馬場ゼミの学生が来館。田村学芸員が、K・MoPAのエントランスに設置中の大型カメラやプラチナ・プリント技法についての解説を行いました。滑らかで立体的な質感と繊細なトーンの美しさに目を見張り、どんどん作品に接近していく学生たち。フレデリック・H.エヴァンズが捉えた建築物、井津建郎のピラミッドの作品の前に佇み、プラチナ・プリントの奥深さを味わっている姿が印象的でした。
晴天の多い清里には珍しく、いまにも雨が降り出しそうな曇天でしたが、作品鑑賞のあとは、地元作家による彫刻展「feel」の作品を囲んでガーデンでの撮影会を思い切り愉しまれていました。
撮影:学芸員 田村泰男 / 文責:広報主任 小川直美
●K・MoPA友の会 開館15周年記念企画
清里フォトアートミュージアム(K・MoPA)友の会は、写真芸術を愛する方々と共に様々な活動をしております。年会費は3000円、入会日より一年間の入館無料サービスや、ワークショップやイベントの無料参加、図録のプレゼント、友の会・会報の発送などの特典をご用意し、K・MoPAチケットカウンターにて随時ご入会を承っております。
この度はK・MoPA開館15周年を記念して、会員のみなさまへの感謝の気持ちを込めてプレゼントをご用意させていただきました。この機会に新規のご入会をお待ちしております。
★K・MoPA友の会にご入会の方に開館15周年プレゼント企画
「プラチナ・プリント―光の名残り」展の会期中(2011年1月23日まで)に限り、K・MoPAチケットカウンターで友の会にご入会された方には、その場で下記を進呈いたします。
1.細江英公(館長・写真家)直筆サイン入りポストカードと、当館オリジナル・ポストカードを各1枚
2.下記より、お好みの1点を進呈
A. 図録『25人の20代の写真』 日本を代表する写真家25人の作品とメッセージ
B. 図録『馬に魅せられて―今井寿惠40年の軌跡』馬の写真の第一人者、今井の作品
C. 写真集『PICASSO PAINTS A PORTRAIT』DAVID DOUGLAS DUNCAN
D. K・MoPAオリジナル・バッグ 黒41センチ×42.5センチ
館長ならびにスタッフ一同、みなさまのご来館を心よりお待ち申し上げます。
文責:広報主任 小川直美
参加募集中!11月のK・MoPAイベント
★自然写真家・西村豊氏とK・MoPAの森を散歩
11月6日(土) 午後1時~3時
参加費:入館料のみ / 予約不要
★K・MoPAで星をみる会 ★Starry Night at K・MoPA
日時:11月6日(土)午後5時30分~7時30分
講師:梅本智文(国立天文台 水沢VLBI観測所 助教)
定員:15名程度
会場:K・MoPA天文室
参加費:1000円(小学生は無料) / 要予約
お申し込み: TEL:0551-48-5598
*東京国際科学フェスティバル(TISF)参加企画
★ピンホールカメラ・ワークショップ
11月14日(日)午前10時から午後5時
講師:田村泰男(当館学芸員)
定員10名
参加費:一般1000円 小学生・友の会会員500円
(小学生は親子での参加となります)
※参加申込は11月7日(日)までに住所、氏名、参加人数をお知らせください。
お申し込み: TEL:0551-48-5598
「アンコール小児病院」サポート・プロジェクト2010を終えて
2010年8月8日(日)午後2時より「アンコール小児病院」サポート・プロジェクト2010を開催しました。
第一部は、「人間として、人間のお世話をすること~金持ちより心持ち」と題したスマナ・バルア博士のトーク。
現在55歳のバルア博士はバングラデシュのチッタゴンに生まれ、21歳のときに医師を志して来日されました。学費と生活費を稼ぐために、いわゆる「外国人労働者」として、高速道路の建設現場や皿洗い、農家の手伝いなどをしながら日本各地で働き、生活に密着した日本語を身につけていきました。その後、フィリピンに渡り、レイテ島の保健医学校に入って医師となり、ふたたび来日した東京大学医学部大学院で博士号を取得された経歴を持ちます。
スマナ・バルア博士
助産士、看護士、医師の資格を10年かけて階段状カリュキュラムで取得し、現在インドのWHO東南アジア地域事務局医務官を務めるバルア氏は、専門であるハンセン病予防のために訪れる東南アジア各地の現状にふれ、
「実際に現地の事情をわかったうえでの支援でなければ、自己満足に陥る」
「次の世代の子どもたちのために、安全な飲み水、食べ物を与えるのが、私たちの責任と考えてほしい」
と、一人ひとりがなすべきことを明確な言葉で語ってくれました。
バルア博士がトークの最後に述べた「Life means sharing」という大切な言葉には、多くの共感の声が寄せられました。
第二部は、音楽堂のすべての窓とドアを開け放ち、ヴォオーカリストの鈴木重子さんと、ピアニスト・作曲家のウォン・ウィンツァンさんのライブ。
明るい光の中でのライブ
芝生広場から音楽堂をのぞむ
ウォンさんが作曲した「夏、祈ったこと」をはじめ、「浜辺のうた」「スカボロー・フェア」「If There Were No Mines:もしも地雷がなかったなら」など数々の曲が、真夏の緑の中を吹き抜ける風のように爽やかに響きました。
鈴木重子氏(右)、ウォン・ウィンツァン氏(左)
第二部終了後には、K・MoPA開館15周年を記念してプレゼント抽選会を行いました。
館長の細江英公(右)より当選者にプレゼント
当日のチケットによる収益は、「アンコール小児病院」を運営するフレンズ・ウィズアウト・ア・ボーダーJAPANに寄付いたしました。
文責:広報主任:小川直美/ 写真:学芸員助手・野嵜雄一
●8/16よりK・MoPA開館15周年記念プレゼントを再開!
本年7月に実施した「来館者全員に開館15周年記念プレゼント」を、ご好評につき期間限定で再開します。プレゼント期間は2010年8月16日(月)~31日(火)までの約2週間。「日本の自画像:写真が描く戦後1945-1964」も8月31日(火)に終了いたしますので、どうぞお見逃しなく!
森に囲まれたK・MoPAのガーデンテラスには、ひんやりとした高原の風が吹き抜けます。暑さを忘れ、夏の名残りをお愉しみいただけることでしょう。
9月1日(水)~10日(金)は、展示替えのため休館とさせていただきます。
2010年度ヤング・ポートフォリオ(YP)の選考を終えて
2010年7月22日、23日の2日間にわたり、2010年度ヤング・ポートフォリオ(YP)の選考会を行いました。
館長として1995年の第一回YP以来毎年選考を行なっている細江英公は「昨年同様、全体的にかなり高いレベル」と応募作品全体を評価しました。
世界各国からこれほど質の高い、若い作家の作品が集まっていることに新鮮な驚きを隠さなかった2010年度選考委員の広河隆一氏と三好和義氏は「情熱のある作品が多く、なかなか冷静に選べない」「でも、力のある作品は遠くからでもわかるものですね」と、口々に感想を述べながら、K・MoPAの永久コレクションとして50年後、100年後の人々の鑑賞に堪える作品を選考くださいました。
都内での選考風景:右から三好和義氏、広河隆一氏、細江英公(館長)
今年の購入者のなかには「将来ユージン・スミスのような優れた作家になるんじゃないか」(広河氏)という高い評価を得た作家もあり、K・ MoPAスタッフの間に喜びのどよめきが沸き起こりました。自らも写真のコレクションをされている三好氏は「自分のコレクションとして購入する、というくらいの気持ちで真剣に作品を選びました。なんといってもこれらの作品はすべてヴィンテージ・プリントですから。それはすごいことです」
選考後には、もう一歩のところで購入に至らなかった作家たちのことが話題になりました。
広河氏は、自らが専門とするフォトジャーナリズムの作品について、あえて厳しく評価したことの意味を語られました。
選考中の広河隆一氏
広河氏「僕もドキュメンタリーの世界にいるから、彼らはよくやっていると思うし、頑張って現地に入り込んで撮っていることもわかる。でも、若い人だからこそ、ここまででは未だだめなんだ、あともう一歩踏み込まなければ先に進むことはできないんだ、ということに早く気づいてほしい。ほかのコンテストで賞を得ていながら、YPでは購入に至らなかった作品をいくつかみかけましたけれども、やはり、永久コレクションという観点とコンテストでは着眼点が大きく違うな、と思いました。そして非常に惜しい、紙一重の差で永久コレクションからもれた作品が多かった。彼らの成長に期待しています」
三好和義氏
三好氏「これからどうなっていくんだろう、と、楽しみな作家がたくさんいました。もっと、こう撮ればよくなるのに!と思うような、あと一歩だった人たちが本当に多かったのですが、購入された作品と自分の作品のちがいは何なのか。自分に足りなかったものが何かを、ヤング・ポートフォリオ展をみて自力で気づくことも必要かもしれない。僕は高校生の頃にコンテストに落選した経験があって、そのときは選考委員のところにまで足を運んで、なぜ僕の作品じゃなくてこっちの作品のほうが上なんだ、と、聞きに行ったくらいです。がっかりせずに、自分の方ができるんだ!という信念を持ち続けてほしいし、誰にでも撮れるようなものではなく、自分にしかできないものを探してほしいと思います」
主任学芸員・山地「今回惜しくも選考からもれた方には、ぜひ三好さんのようなガッツをもって、また挑戦してほしいですね。今しかできないことがたくさんあるはず。自分の写真をよくよく見つめて、自分の世界を作りあげて欲しい。惜しいものの中には、表現しようとしていることが見え始めている作品もあったのだから、次回はウンと思わせるような成長を強く願っています。」
作家の将来を見据え、あえて購入を見送る。そこにどんな意味が込められているのでしょうか。それは来年、さらにその先に期待されている、というメッセージにほかなりません。それぞれの応募者の成長を時間をかけて見守ろうとする姿勢は、ヤング・ポートフォリオ活動の一つの特徴であり、これから続いていく写真家人生の中で彼らがもっと上を目指していくには、いま、この時期に挫折を経験し、そこから立ち上がることが大きな糧になるということを、先輩である選考委員は知っているのです。
写真家の多くは、コンテストなどで苦い経験をしていることも少なからずあるでしょう。しかし第一線を走り続けている写真家に共通しているのは、あきらめずに作品を撮り続け、評価を恐れずに何度もトライするしぶとさをもっていることではないでしょうか。選考委員もK・MoPAスタッフも、惜しかった人の成長にこそ大きな期待をかけています。すべての作品が戻ってきてしまったとしても、それは来年に向けての新たなスタートではないでしょうか。ぜひ2011年度のヤング・ポートフォリオに再び応募してください。
選考結果の発表と作品の返却は、国内は2010年8月末(予定)に応募者に直接通知いたしますのでしばらくお待ちください。購入が決定した作品は、2011年3月よりKMoPAにて開催する「2010年度ヤング・ポートフォリオ」展にて公開いたします。
文責:広報主任 小川直美 / 写真:学芸員補 野嵜雄一
2010年7月1日より、K・MoPA開館15周年記念プレゼント
おかげさまで、清里フォトアートミュージアム(K・MoPA)は、本年7月9日に開館より15周年を迎えることになりました。写真を愛する多くのみなさまのご支援に、心より感謝申し上げます。15周年記念として、2010年7月1日~31日までの一ヶ月間、ご来館のお客様全員に、ささやかなプレゼントをご用意しました。K・MoPAチケットカウンターでお待ちしております。
●2010年のピンホールカメラ・ワークショップ
毎年ご好評をいただいているピンホールカメラ・ワークショップは、本年11月に開催予定です。日時が決定次第、本ページにアップいたしますので、しばらくお待ちください。
文責:広報主任 小川直美
●2009年度ヤング・ポートフォリオ 永久コレクション証書授与式
爽やかな風が吹き抜ける2010年5月22日(土)13:00~15:00、2009年度ヤング・ポートフォリオにて購入された10名の作家と関係者、来賓など約80名を迎え、レセプションを開催しました。
2009年度選考委員・江成常夫氏
2009年度選考委員・江成常夫氏による祝辞の後、選考委員の一人でもある館長の細江英公より、受賞者一人ひとりに作品永久コレクション証書を授与しました。晴れやかな笑顔で証書を手にした若い作家たちが壇上で語った謝辞と抱負に、会場から力強い激励の拍手が送られました。
作品永久コレクション証書授与式
ご都合により出席の叶わなかった2009年度選考委員の須田一政氏は、書面にてメッセージをお寄せくださいました。
「2009年度ヤング・ポートフォリオ購入作家のみなさま、8000枚以上の作品の中から選ばれた、今回の栄誉をお喜び申し上げます。
可能性という最大の才能をそなえた若い時期に、リアルタイムで作品が評価され、パーマネント・コレクションされる。この素晴らしい場に恵まれた皆様の将来がより充実したものになることを心から祈っています。
そして、「選ばれること」が決して目標にならないよう、それぞれが信じる表現者としての自己確立を目指して、今後も精進してもらいたいと思っております。
最後に、私自身、この選考にかかわることで多くの刺激をもらいました。ありがとう。」
若い写真家を励ますために毎年行なうこのレセプションには、写真関係者をはじめ出版関係者、文筆業、教育者、そしてYPを卒業した(応募資格の35歳を超えた)写真家たちなど、国内外から様々な来賓が集います。
清里の自然に包まれた和やかな雰囲気のなかで、今年も世代やジャンルを超えて素晴らしい交流があったことでしょう。清里フォトアートミュージアム館長とスタッフ一同、来年のレセプションで多くの方に再会できますことを心から願っております。
文責:広報主任 小川直美 / 写真:学芸員補 野嵜雄一
●東京ネットウエイブが団体来館
2010年5月12日(水)、東京ネットウエイブの学生約100名が2009年度ヤング・ポートフォリオを鑑賞しました。
入館前に学芸員が「ヤング・ポートフォリオ」について解説
「ヤング・ポートフォリオ」の特徴は、現代を生きる世界各国の若い写真家たちが、この1,2年の間に撮影したフレッシュな作品を展示していることです。
デジタル・メディアの分野でクリエイターを目指す学生たちは、“写真”という芸術が世界の現実を如実に反映していることに、新鮮なインパクトを受けていた様子でした。
5月の明るい空の下、展覧会のあとには、輝くような新緑と新鮮な空気も満喫いただけたことでしょう。
文責:広報主任 小川直美 / 写真:学芸員補 野嵜雄一
「feel:清里現代彫刻展」に、建築家・栗生明氏が来館
K・MoPAの空間に触発された地元の彫刻家たちによる「feel:清里現代彫刻展」を開催中の2010年5月2日、K・MoPAを設計をした建築家・栗生明氏が来館、氏との初顔合わせのために集まったfeelのメンバー8名が午後のひと時を過ごしました。
建築家として第一線で活躍される栗生明氏は、兵庫県の植村直巳冒険館、国立長崎原爆死没者追悼平和記念館の設計をはじめ、平等院宝物館「鳳翔館」の建築設計では2002年度日本芸術院賞を受賞したことでも知られています。現在は伊勢神宮のプロジェクトも進行中とのこと。千葉大学工学部の教授として学生を育てることにも力を注ぐ栗生氏がfeelの活動に注目したのは、feelのこれまでの活動や過去の展示作品を紹介したK・MoPA友の会・会報38号(2010年3月発行)を読んだことがきっかけでした。(友の会・会報は会員の方に無料で送付していますが、メンバー以外の方にも当館チケットカウンターにてチャリティ販売中です。ぜひお手にとってご覧ください。)栗生氏の建築作品「K・MoPA」と、feelが新たな調和を生みだしていることに興味を抱き、多忙な日々の合間をぬって駆けつけてくださったのです。
feelのメンバーと作品を鑑賞する栗生明氏(左)
榎本栄子氏(右)が自作を解説
K・MoPAが今回会場としてfeelに提供したのは、南北を貫くガレリアの北側・2F。南を見下ろすと、吹き抜けのガラス越しに見える空と、K・MoPAの書籍コーナーを一望できるため、広々と開放的な印象です。北を向くと一転、モダンなギャラリーのような空間に早変わり。実際に「ギャラリーをイメージしてこの通路をデザインした」という栗生氏は、展示された作品の制作意図や、素材である石や鉄、木について、一つひとつ質問やコメントをしながら、作家との鑑賞ツアーを愉しんでいました。
feelの代表を務める上野玄起氏は、K・MoPAの空間について「いつ来ても、はっとするような新しい発見ができる素敵な場所。初めてK・MoPAを訪ねた日、『どうしてもここに作品を置いてみたい』という思いが湧き上がったことを忘れることができません。毎年作品展を開催させていただけるようになり、徐々にfeelの仲間も増えてきました。そんなK・MoPAで設計者の栗生さんに初めてお目にかかり、作品をご覧いただくことができて大変光栄です」と、感激を語りました。
栗生氏(左)に自身の鉄の作品を解説する上野玄起氏(右)
栗生氏の設計によるK・MoPAが開館を迎えたのは1995年7月。ランドスケープ・デザイナーの宮城俊作氏、インテリア・デザイナーの藤江和子氏とアイディアを出し合いながら、まるでセッションのように空間や色を決めていった、と当時をふりかえった栗生氏は「開館から15周年目を迎えたK・MoPAが地元の立体作家のみなさんを受け入れ、この空間を活かしてくれていることがとても嬉しい。この場所にもっとたくさんの作品が集まり続けるといいですね。写真の展覧会はもちろん、館の内外の彫刻作品と、建築空間、周辺の自然とのコラボレーションも加わり、K・MoPAは写真美術館の枠を超えていろいろな楽しみ方ができる場に育っていますね」と、感慨を深めた様子でした。
レモンイエローの壁が象徴的な階段で、記念撮影
「feel:清里現代彫刻展」(春)は、5月30日(日)まで開催中(火曜日休館)。
会場となっている2F通路は、イベント開催日などの特別な場合にかぎり解放しているスペースです。どうぞこの機会にK・MoPAの建築もお楽しみください。
また、「feel:清里現代彫刻展」は夏に再開し、K・MoPAのガーデンに大型の彫刻作品が展示されます。会期は2010年7月24日(土)~10月3日(日)まで。清里高原の涼風に吹かれながら、ガーデンの自然と溶け合う数々のオブジェをご高覧いただけることでしょう。
文責:広報主任 小川直美 / 写真:学芸員補 野嵜雄一
●4/18(日)春の自然観察と星をみる会
2010年4月18日(日)午後1時から3時、「自然写真家・西村豊氏とK・MoPAの森を散歩」を開催しました。珍しい4月の雪に見舞われた木立の影には、ところどころ雪が残るものの、敷地内の森には、もうカタクリの花が咲く季節。身近な自然のなかにあっても常に被写体を探し、五感を研ぎ澄ませている西村氏には、私たちがうっかり見逃してしまいそうなものが、ちゃんと見えていました。たとえばK・MoPAガーデンにあったキツネのおとしもの。西村氏は、ちょっと観察しただけで、このキツネが何を食べているか、何時ごろにK・MoPAを歩き廻ったのか、どの辺りまでマーキングし縄張りとしているかがすぐにわかるそうです。
ガーデンで解説をする西村豊氏
「つぶさない程度に触れてみてください」。西村氏のアドバイスに従って芽吹く前の植物に触ってみると、驚くほど強い粘着力が。寒さや外敵から身を守るためなのだそうです。今にも咲きそうなこぶしの蕾のそばには鳥の巣の一部を発見したときには、講師も参加者も思わず撮影に走る、という一幕も。早春の自然と触れ合うひと時を過ごした西村氏からは、後日「参加者の方と直接お話できるのが一番楽しいです」とのご感想をいただきました。
カタクリの花
同日の午後7時から開催した「K・MoPAで星をみる会」には、国立天文台・天文情報センター室長の縣秀彦氏を迎えました。
春の星座についてレクチャーする縣秀彦氏
月齢3.6の月が見え隠れしていた7時台は、縣氏が持参くださった望遠鏡で、まず月のクレーターを観察しました。
K・MoPAのエントランス付近にて
館内の会議室で銀河や宇宙の果てについての最新情報をレクチャーいただく間にK・MoPA上空の雲も切れ、4Fの天文室に備えたMEADE天体望遠鏡で、土星や火星、北斗七星の二重星など美しい星をゆっくりと観望することができました。土星の輪の角度がちょうど水平になっていたことから、望遠鏡をのぞいて「あ、本当に串ざし!」という歓声をあげる方も。
両方のイベントのために、清里に泊りがけで参加くださった2組のご夫妻は「本当に楽しい一日だった!」と、感激の言葉と笑顔をのこしてくださり、穏やかな晴天に恵まれた2つの会を終了しました。自然観察と星をみる会、次回は11月に開催予定です。
文責:広報主任・小川直美 / 撮影:田村泰男
●東京ビジュアルアーツの新入生が団体来館
2010年4月14日(水)、東京ビジュアルアーツより約130名が来館、2009年度ヤング・ポートフォリオを鑑賞しました。ヤング・ポートフォリオに永久コレクションされた作家のなかには、同専門学校の出身者も多く、入学直後に、先輩たちの作品に直接触れたことは、これから写真を学ぶ学生のみなさんにとって、大いに刺激になったことでしょう。近い将来、みなさんがヤング・ポートフォリオにチャレンジしてくれることに期待しています。
文責:広報主任・小川直美 / 撮影:田村泰男、藤原佳子
●参加募集!
WHO医務官・スマナ・バルア博士の日本語による講演会
「アンコール小児病院」サポート・プロジェクト2010
アジアの石造遺跡や聖地を撮影する写真家・井津建郎氏は、カンボジアのアンコール・ワットを撮影中に、地雷で手足を失った子どもたちを目の当たりにし、「これまで撮る<TAKE>ばかりだった自分に、何かできないだろうか<GIVE>」と、病院建設を決意します。
そして、NPO「Friends Without a Border(国境なき友人)」を創設、99年「アンコール小児病院」を開院しました。井津氏の活動に支援を続けている当館は、小児病院のためのイベントを毎年開催し、チケットによる収益のすべてを小児病院に寄付しています。
本年は、WHO医務官のスマナ・バルア博士をお迎えし「人間として、人間のお世話をすること~金持ちより心持ち」と題し、医療者である前にひとりの人間としての博士の生き方を、日本語で語っていただきます。
●主 催: 清里フォトアートミュージアム
●協 力: 特定非営利活動法人フレンズ・ウィズアウト・ア・ボーダーJAPAN
●日 時: 8月8日(日)午後2時~4時(休憩あり)
●会 場: K・MoPA音楽堂
■第一部:トーク 午後2時~3時15分
「人間として、人間のお世話をすること ~ 金持ちより心持ち」
◆出 演:スマナ・バルア/ 医師、医学博士。
1955年バングラデシュ・チッタゴン生まれ。76年に来日、働きながら日本語学校で学ぶ。79年、フィリピン国立大学レイテ校医学部に入学、在籍中に215人の子どもたちの出産を介助。助産士、看護士、医師の資格を階段状カリキュラムで取得する。93年、東京大学医学部大学院に入学、医療ボランティアとして外国人労働者女性の「医職住」支援にも取り組む。99年、同大にて医学博士号を取得。WHOのコンサルタントとしてアジア各地の農山村で働く保健婦や助産婦を指導、ヘルスワーカーの育成にあたる。現在はインドのWHO東南アジア地域事務局医務官。
■第二部:ライブ 午後3時25分~4時
◆出 演:鈴木重子/ ヴォーカリスト
静岡県生まれ。東京大学在学中にボサノヴァ、ジャズヴォーカルを本格的に学ぶ。司法試験への挑戦とジャズクラブでの活動を続け、ヴォーカリストの道を選択。95年、メジャーデビュー。ニューヨーク「ブルーノート」で日本人ヴォーカリストとして初のライブ公演を行う。いのちの響きを紡ぐ歌い手として、コンサートのみならず、教育、病院、福祉施設などへ活動の場を広げている。http://shigeko.jp/
◆出 演:ウォン・ウィンツァン/ ピアニスト、作曲家、即興演奏家。
1949年神戸生まれ。88年、瞑想の体験を通して自己の音楽の在り方を確信し、ピアノソロ活動を開始。 91年 SATOWA MUSICを発足、1'stアルバム「フレグランス」がロングセラーに。以後コンスタントに22タイトルのアルバムをリリース、最新盤は「光の華」。映画音楽も手がけ、 NHKスペシャル「家族の肖像」「九寨溝」「にっぽん紀行」、教育テレビ「こころの時代」などの番組の音楽も知られている。超越意識で奏でる透明な音色で「瞑想のピアニスト」と呼ばれている。 www.satowa-music.com
<フレンズ・ウィズアウト・ア・ボーダーについて>
▼代表・井津建郎(いず けんろう)
1949年大阪生まれ。1970年渡米。ティファニーやハリー・ウインストンなど主に宝石写真を手がける。また、25年にわたり、世界の石造遺跡や聖地を撮影し、プラチナ・プリントにて作品制作を行う。井津のプラチナ・プリントは世界でも第一人者として高い評価を得ている。1993年よりアンコール遺跡の村に小児病院を建てるNPO活動「フレンズ・ウィズアウト・ア・ボーダー」を創設し、1999年に病院を開院。07年10月、病院運営の公績と長年におよぶ創作活動に対し、写真界の“アカデミー賞”と言われ世界的業績を顕彰するルーシー・アワード(米)のビジョナリー賞を受賞した。ニューヨーク在住。
▽井津建郎公式サイト http://www.kenroizu.com
▽Friends Without a Border http://www.fwab.org/
▽特定非営利活動法人フレンズ・ウィズアウト・ア・ボーダーJAPAN
http://www.fwab.jp/
●写真界の重鎮が相次いで2009年度ヤング・ポートフォリオ展に
2010年4月6日、来日中のマグナム・フォト正会員ルネ・ブリ氏とマグナム・フォト東京支社代表の久保田博二氏、また7日には中平卓馬氏が2009年度ヤング・ポートフォリオをご覧になるために相次いで当館を訪れ、若手写真家たちの作品をじっくりと鑑賞されました。
YP作品を鑑賞中の中平卓馬氏(右)
文責:広報主任・小川直美 写真:Koichi Kido
●学生のみなさんへ 新宿~八ヶ岳 定期バス運行開始
今年の4月29日(祝)より、新宿と清里駅などを約3時間で結ぶ定期バスが運行されます。
ご予約、空席案内はこちら
http://www.harvest-tour.com/noriba/mapkantou-yatsugatake.html
片道料金は、平日1,900円、土日・祝日は2,400円です。
そのほか、東京、名古屋、大阪方面からの交通はこちら
http://www.kiyosato.gr.jp/traffic/index.html
<清里駅からK・MoPAまでは>
■清里駅から周辺を巡るピクニックバスの運行はこちら(4月29日より)
*本数が少ないため接続にご注意ください。
清里駅から7分乗車、「黒井健えほんハウス」前下車より徒歩25分
http://www.kiyosato.gr.jp/traffic/index.html
■駅から徒歩約50分
■タクシーで約10分
■清里への交通、宿泊のお問い合せは
清里総合観光案内所「あおぞら」 TEL0551-48-2200(10:00~16:00)
●6月5日より「日本の自画像:写真が描く戦後1945-1964」
清里フォトアートミュージアム開館15周年にあたる本年、6月5日~8月31日まで巡回展「日本の自画像:写真が描く戦後1945-1964」を開催します。1945年、太平洋戦争が終わり、荒廃した国土から出発した日本は、東京オリンピックが開催された1964年頃には、思いもよらなかった経済大国への道を歩むまでになりました。一方、未曾有の創造的エネルギーに満ち溢れ、日本の写真界に新しい生命が吹き込まれた時代であったともいえましょう。本展は、パリ在住の日本写真史研究者であるマーク・フューステル氏により編纂されたものです。西欧の若い世代のまなざしから再生された日本の「戦後」が、独特の創造行為をはらんだ時代であったことをあらためて確認できれば幸いです。本展は、世田谷美術館をはじめ国内各地を巡回しましたが、当館での展示が国内最後となり、この後ヨーロッパへ巡回します。
「日本の自画像:写真が描く戦後1945-1964」
主催・会場:清里フォトアートミュージアム
会期:2010年6月5日(土)~8月31日(火)
休館日:火曜日、*7,8月は無休
協賛:凸版印刷株式会社、株式会社ニコン、株式会社ニコンイメージングジャパン
後援:社団法人: 日本写真協会、社団法人 日本写真家協会
協力:岩波書店
企画:クレヴィス
<出品作家>
石元泰博(1921-)
川田喜久治(1933-)
木村伊兵衛(1901-1974)
田沼武能(1929-)
東松照明(1930-)
土門拳(1909-1990)
長野重一(1925-)
奈良原一高(1931-)
濱谷 浩(1915-1999)
林 忠彦(1918-1990)
細江英公(1933-)
●スウォープ、三木淳などK・MoPAコレクションが横浜に巡回
神奈川県立地球市民かながわプラザ(あーすぷらざ)にて、当館の収蔵作品約160点による展覧会を開催します。この作品は、戦後60年を経過した2005年、当館の開館10周年として公開した「WWII日本の敗戦:キャパ、スミス、スウォープ、三木淳の写真」の一部です。
展覧会名:微笑を浮かべて 『ライフ』報道写真家が捉えた戦争と終戦
~キャパ、スミス、スウォープ、三木~
会期:2010年6月12日(土)~7月31日(土)
主催・会場:神奈川県立地球市民かながわプラザ(あーすぷらざ)
〒247-0007 横浜市栄区小菅ヶ谷1-2-1
(JR根岸線「本郷台」駅改札出て左すぐ)
TEL: 045-896-2121
http://www.k-i-a.or.jp/plaza/
会場:あーすぷらざ5F 企画展示室
開館時間:9:00~17:00
休館日:月曜日(祝日は開館)
入館料:無料
協力:清里フォトアートミュージアム
<出品作家>
ロバート・キャパ
W.ユージン・スミス
ジョン・スウォープ
三木淳
●2009年度ヤング・ポートフォリオ開催中!
世界中の若い写真家を支援し、作品を後世に残すために毎年一度公募を行なう当館の活動「ヤング・ポートフォリオ」。
現役の3名の写真家により優れた作品を2日間にわたり選考、昨年の応募総数8407枚のなかから、当館のパーマネント・コレクションとした購入作品205枚を、5月30(日)まで展示中です。無限の可能性と輝きを秘めた、若き写真家たちの力作をご高覧ください。
2010年度の公募も4月1日より開始。応募の登録と受付は2010年4月30日まで、35歳以下の方はどなたでも応募可能です。
文責:広報主任・小川直美 写真:学芸員補・野嵜雄一
●K・MoPAが協力、パリで井津建郎「ブータン」展
パリのギャラリー、ティエリー・マルラにて、当館の協力による井津建郎の展覧会「BHUTAN Sacred Within」が行なわれます。出品は19点、2008年に当館で開催した井津建郎「ブータン 内なる聖地」展をご覧になれなかった方は、詳細をご確認の上、ぜひパリご旅行の際にご高覧ください。
●会場:Galerie Thierry Marlat
2, rue de Jarente 75004, Paris FRANCE
http://www.galerie-marlat.fr/
●会期:2010年6月10日~8月7日
●江成常夫、須田一政、細江英公の作品も5点ずつ展示
3月13日(土)より公開する2009年度ヤング・ポートフォリオ(YP)展には、2009年度選考委員の写真家、江成常夫の《Death River》1969年、須田一政
の《天城峠》1971年、細江英公の《おとこと女》1960年(当館収蔵)も、各5点展示いたします。昨年購入した205 枚のYP作品と共に、ぜひご高覧ください。
●自然写真家・西村豊氏とK・MoPAの森を散歩 参加募集!
ヤマネの作品と軽妙な語りで人気の西村氏と、春の気配漂う、標高1000メートルのK・MoPAガーデンを散策しませんか?
野生の動植物を撮影する楽しみを語っていただくほかヤマネのスライド上映など、盛りだくさんです。
日時:4月18日(日)午後1時~3時
講師:西村豊(自然写真家)
参加費:入館料のみ(一般800円、学生600円、中高生400円)
友の会・会員は無料
要予約:住所、氏名、参加人数をお知らせください。
★K・MoPAで星をみる会 参加募集!
著書『天文学者はロマンチストか?』(日本放送出版協会)でお馴染み、教育学博士でもある縣(あがた)氏による春の星座と宇宙の不思議についての楽しいレクチャーと、口径40cmのMEADE天体望遠鏡で星空観察を行います。
日時:4月18日(日)午後7時~8時半
講師:縣秀彦(国立天文台 天文情報センター 准教授)
参加費:一般1000円 友の会・会員は無料
要予約:住所、氏名、参加人数をお知らせください。
文責:広報主任 小川直美
●2010年度ヤング・ポートフォリオ作品募集
本年も2010年度ヤング・ポートフォリオの作品を募集します。
応募の際は、webからの登録をお願いいたします。web登録と応募作品の受付は、どちらも2010年4月1日~4月30日です。
詳細はhttp://yp.kmopa.org/ をご覧ください。
●印刷のプロフェッショナルが語る、プラチナ・プリントの魅力と再現
凸版印刷株式会社が、印刷とグラフィックアーツに関する情報発信を目的として開設したwebサイト「GA info.」にて、清里フォトアートミュージアムのオリジナル図録が紹介されました。
同社が手がけた書籍やポスターなどを印刷技術の側面から紹介するコンテンツ、「プリンターズリソース」に、清里フォトアートミュージアムが2001年に開催した「井津建郎 アジアの聖地:石造遺跡―光と影」展のオリジナル図録がピックアップされ、トリプルトーン(モノトーン印刷)によって、どのようにプラチナ・プリントを写真集に再現したのか、プリンティング・ディレクターの目から見たプラチナ・プリント作品の素晴らしさなどが、熱く語られています。ぜひご高覧ください。
【GA info./プリンターズリソース】
http://biz.toppan.co.jp/gainfo/pr/index.html
図録『井津建郎 アジアの聖地:石造遺跡―光と影』は、2001年、全国カタログ・ポスター展において、第43回「印刷出版研究賞」(主催株式会社印刷出版研究所)を受賞しています。
当館のオンラインショップ、ならびに清里フォトアートミュージアム館内のショップにて好評販売中です。
(清里フォトアートミュージアムは2010年1/25~3/12まで冬季休館中。開館は2010年3/13(土)です。)
文責:広報主任・小川直美
早稲田大学でパネルディスカッション「現代若者の眼力」
昨年2009年12月15日(火)15:00より、早稲田大学の小野記念講堂にて「現代若者の眼力(めぢから)」という題目で公開討論が開催されました。これは早稲田大学文化推進部と清里フォトアートミュージアム(K・MoPA)が共催する写真展「占領期雑誌フォトスvs現代若者の眼力」(2010年2月27日(土)まで開催)に関連したトークイベントです。パネラーには当館の館長で写真家の細江英公と主任学芸員山地裕子に加え、当館の「ヤング・ポートフォリオ」で注目された写真家、北野謙氏と会田法行(あいだ のりゆき)氏の2人が出演しました。司会進行は今回の写真展を企画した石井仁志氏(20世紀メディアの評論)。K・MoPAが開館より15年間にわたって活動を続けてきた「ヤング・ポートフォリオ」を通して見えてくる若手写真家たちの現在と同活動の役割などが語られました。
早稲田大学 小野記念講堂にて
ヤングポートフォリオが生んだ ふたりのフォトグラファー
キャンパス内の小野記念講堂には、このパネルディスカッションを聴講するために、世代を超えた聴衆が集まりました。
パネルディスカッションのトピックとなっている「ヤング・ポートフォリオ」とは、K・MoPAが写真表現に情熱を燃やす35歳以下の若者たちを支援し、彼らの創造性に富んだユニークな作品を後世に残すために開館当初より実施している活動で、近年は国際的な広がりをみせています。毎年4月に行なう公募では、2009年、41カ国から407名、8407枚の応募があり、作品の応募枚数では過去最大の規模となりました。そのなかから3人の選考委員のセレクションを経て、38名の写真家の合計205枚の購入を決定しました。「ヤング・ポートフォリオ」は賞やランク付けをするコンテストではありません。パーマネント・コレクションとして作品を購入することによって、現代の優れた写真家たちの強い思いを同時代を生きる人々に感じていただくために、展覧会も開催しています。
今回のパネラー、北野謙氏も「ヤング・ポートフォリオ」卒業生のひとりです。
北野謙氏(写真家)
「僕は1995年の第1回ヤング・ポートフォリオで購入していただきました。購入該当者たちが集まるレセプションがとても印象的でした。海外の若い作家が、作品の購入代金で航空チケットを買ってやってきて、自分の作品について熱く語る姿にとても好感を抱きました。そのとき購入いただいた作品は『溶遊(ようゆう)する都市』という最初のシリーズ作品で、今取り組んでいるいくつかのシリーズ作品の原点にもなっています。1989から1997年まで撮影しましたが、昨年の2009年、やっと一冊の作品集にすることができました。20年かかって作品集を一冊できるくらいのスピートですね。その間、90年代という時代は、僕の20代から30代にかけての時期で、振り返ると自然災害やテロなど、とても大きな悲劇が世界のあちこちで起きていた時代でした。悲劇が連鎖のように繋がっている印象です。ところが、9.11もそうですが、すぐ近くで起こった阪神淡路大震災も、地下鉄サリン事件も、なかなか自分のこととしてイメージすることが難しい、そういうむなしさと、もどかしさに打ちのめされていた時期でもあり、また写真を撮っても発表の場がないという苦しいが時期でもありました。唯一、毎年ヤング・ポートフォリオに作品を応募することが、僕と写真とを繋ぐ細いラインでした。けれども、99年に『our face』というポートレート作品に取り組み始めてから少しずつ変化がありました」
北野氏が現在も取り組んでいる『our face』とは、職場、地域、宗教など、ある同一のカテゴリーに属するたくさんの人々をひとりずつ撮影し、多重露光によって重ね合わせていくシリーズです。デジタル化が進み、簡単に合成写真が作れる時代にあっても、北野氏は大判のカメラを相棒とし、一枚のフィルムに何十人、何百人もの肖像を印画紙に焼き付けていくスタイルを貫いています。
「デジタルが盛り上がりをみせた99年頃から、僕は銀塩カメラで撮り続けています。たとえば、100年後、200年後写真史を振り返ったときに21世紀初めの、“グローバリズム”と言われはじめた時代に、非常にアナログで職人的な、写真的な作品として振り返ってもらえるのではないかと……勝手に期待しています(笑)」
そして、もうひとりの卒業生、会田法行氏は、早稲田大学の大学院にてフォト・ジャーナリズムの講師も務める、報道写真家です。世界初のジャーナリズムスクールとして知られるアメリカのミズーリ大学で報道写真を学んだ後、朝日新聞に入社。7年間在籍して31歳でフリーランスに転じました。ヤング・ポートフォリオには、フリーになってから応募したそうです。
会田法行氏(写真家)
「新聞社を辞めてフリーランスになったきっかけは9.11です。僕がアメリカへ渡った1990年は、ベルリンの壁が崩壊して湾岸戦争がはじまった年でした。大学の寮の地下室で同年代の友人とブッシュ大統領の演説をラジオで聞いていて、戦争に対する違和感を感じました。それがずっと心に引っかかっていたのだと思います。9.11が起きて世界が大きく変わっていくのを感じたとき、僕は新聞社で大相撲の担当でした。世界が大きく揺れているなか、国技館に通い写真を撮っていたのですが、居ても立ってもいられなくなり、世界を相手に写真を撮りたい衝動でフリーランスになることを決意しました。フリーランスになって初めに訪れたのはパレスチナでした。アメリカとの関係とか、戦争に対する違和感をしっかり自分のなかで感じて考えたいという思いがあったからです。そのときに撮影した写真をヤング・ポートフォリオに応募したところ、購入していただくことができて、その後の制作費となったことは、今でも感謝しています」
ヤング・ポートフォリオは
写真家をこれからも応援する
来年で15年周年を迎える「ヤング・ポートフォリオ」を開館以来ずっと見続けている山地学芸員より、この数年で少しずつ現れてきた変化について解説がありました。
山地裕子学芸員
「10年目(2005年)くらいから、一般的な報道写真のコンテストに応募するような、1枚写真で勝負するタイプの作品は減り、まさにポートフォリオ的な、複数枚の組写真を応募する写真家が増えてきました。作家として今後もやっていくんだという決意のようなものが、近年の応募作品から強く感じられます。そして、やはりデジタルカメラで撮った作品が増え、新しい手法に挑戦する作家もでてきました。年齢が応募上限の35歳に近い写真家ほど、より安定感があり、レベルは高い。けれど、もっと若さを全面に打ち出した、荒削りであってもパワーのある作品に期待したい、そんな印象も受けます」
続けて細江館長も語りました。
細江英公館長(写真家)
「もっといろいろな表現方法が増えたらいいと思っています。写真だからこうでなければいけないルールはありませんから。ただ、それには寝る暇がないくらい本当に一生懸命に写真に取り組んで研究しなければね。そしてもうひとつ、撮る側だけじゃなくて、鑑賞する側の眼力というものも必要ではないでしょうか。それには大学だけではなく、幼稚園のころからの教育が理想的でしょう。見る側の視覚的な能力が高くなると、撮る側のレベルも上がります。そうなったときにはじめて豊かな文化として写真が残るのではないでしょうか」
細江館長の言葉のように、これからはますます写真メディアの多様化は進み、撮る側にも見る側にも、その眼力がより問われる時代になるでしょう。それでもいつの時代も、北野氏や会田氏がそうであったように、若者たちは自分と被写体に真摯に向き合い、悩み、迷い、レンズを通して世界を切り取り、そして私たちにその思いを届けてくれることでしょう。
司会進行役の石井氏はこのように結びました。
石井仁志氏(20世紀メディア評論)
「写真というメディアは世代も国も選ばない面白さがあります。ヤング・ポートフォリオでは、世界中の若い作家の力のある作品に出合えます。みなさんも、2月27日(土)まで早稲田大学とビジュアルアーツギャラリー・東京で開催中の『現代若者の眼力』展で、ヤング・ポートフォリオ作品にふれてください。そして、ぜひ清里に足を運び、自分の眼力を信じて、好きな写真を見つけてほしいと思います。若者たちがさらなる多様性をもって、写真でしかできない、写真ならではの世界を私たちに見せてくれることに期待しましょう」
文責:田口美樹子(superstore Inc.) / 撮影:栗原論
●「YP展」早稲田大学とビジュアルアーツギャラリー・東京で開催中
過去14年間に「ヤング・ポートフォリオ」(YP)にて購入した作品の一部を東京都内2箇所で初公開中です。
国内外128枚のYP作品を同時にご高覧ください。
「占領期雑誌フォトスvs現代若者の眼力(めぢから)」
会期:2010年1月9日(土)~2月27日(土)
午前10時~午後6時 *日曜、祝日休館
会場:早稲田大学26号館10階「125記念展示室」
http://www.waseda.jp/cac/r125.html
共催:早稲田大学文化推進部 清里フォトアートミュージアム
企画・プロデューサー:石井仁志(20世紀メディア評論)
早稲田大学文化企画課
展示作品数:80枚
★入場無料
早稲田大学125記念展示室
◎早稲田大学の展示と同時期に、下記にてYP展を開催!
「現代若者の眼力」
会期:2010年1月12日(火)~2月27日(土)
午前10時~午後6時 *日曜、祝日休館
会場:ビジュアルアーツギャラリー・東京(西早稲田)
http://tva.weblogs.jp/vagallery/2007/05/2007_c6b8.html
主催:学校法人専門学校東京ビジュアルアーツ
協力:清里フォトアートミュージアム
企画・プロデューサー
:石井仁志(20世紀メディア評論)、岡崎裕美(東京ビジュアルアーツ 写真学科教員)
展示作品数:48枚
★入場無料
ビジュアルアーツギャラリー・東京
写真:学芸員 田村泰男 / 文責:広報主任 小川直美