K・MoPAで彗星をつくりました。
クリスマスも間近、ふたご座流星群が極大の2008年12月14日(日)、13名の参加者を迎え、今年最後の「K・MoPAで星をみる会」を開催しました。
K・MoPAのクリスマスツリー
講師は、国立天文台野辺山宇宙電波観測所 研究支援員の理学博士・下井倉ともみさん。
山口県防府市青少年科学館、佐賀県立宇宙科学館で天文担当学芸員として活躍されていた実力をいかんなく発揮され、親しみのある楽しい解説が参加者の好評を得ました。
講師の下井倉ともみさん
午前中に降っていた雪が止み、午後7時には寒空の中美しく瞬く冬の星座を観測しましたが、今回は観測の前に“彗星をつくる”ワークショップを行いました。
用意したのはドライアイスと土など。彗星は「汚れた雪玉のような成分」といわれていますが、実際にはどんなものなのでしょう?
まず、握りこぶし1個分ほどに砕いたドライアイスに、水を注いで軟らかくした適量の土を、ビニールの中で混ぜ合わせます。
しばらくして、全体に土がかぶったところで氷を取り出します。
これが彗星とよく似た物質です。表面が徐々に白くなってきたところで灯りを消して懐中電灯を当ててみました。
この塊からゆるやかに吹き出しているガスが、彗星の尾。
ある程度の時間放置すると、核の中は空洞になり、氷の外側は非常に脆い状態にかわっていきます。
手づくりの彗星からガスが吹き出す
大いに盛り上がった約30分のワークショップ、大人も子供も彗星の存在がぐっと身近になったことでしょう。
次回の星をみる会は来年4月25日(土)の予定です。
詳細はHPにて発表いたしますので、ぜひご参加ください。
文責:広報主任・小川直美 写真:藤原佳子
■12月14日(日)
午後6時~7時30分
「K・MoPAで星をみる会」
講師:下井倉ともみ(理学博士)
山口県防府市青少年科学館及び佐賀県立宇宙科学館にて天文担当学芸員として勤務。
昨年11月より国立天文台野辺山宇宙電波観測所・研究支援員。
参加費:1000円(友の会会員は無料)
◎お申し込みは当館まで住所、TEL、参加人数をお知らせください。
TEL:0551-48-5599
FAX:0551-48-5445
晴天の場合には、K・MoPAに設置の口径40㎝のMEADE天体望遠鏡で星空を観望。
雨天・曇天の場合はレクチャーのみです。
アートとサイエンスのスペシャリストを招いて
「K・MoPAで星を見る会 ── 暗黒星雲」
2008年11月8日(土)、「K・MoPAで星を見る会 ── 暗黒星雲」を開催しました。10回目となるK・MoPAで星を見る会ですが、今回は八ヶ岳周辺の27のミュージアムで構成される「八ヶ岳ミュージアムリング」による主催イベント「絵のない展覧会」の一環として行われました。目で見て楽しむことに重点が置かれがちなミュージアムでの鑑賞ですが、見るだけでなく、心や体で感じることも大切にしてほしいというのが同展覧会のコンセプト。当日はK・MoPAエントランスでのスライド上映、そして4階天文室での観望会を行いました。
K・MoPAエントランスの壁に映し出されるプラネタリウム番組の一幕
「光がはじまる~暗黒2人組ピッコリーナとピアニッシモ」は2007年に山梨県立科学館で制作された、暗黒星雲をテーマにしたプラネタリウム番組。そのダイジェスト版のスライドが、新海桂子さん(山梨県立科学館・星の語り部)の語りと、オカリナ奏者・大沢聡さんの演奏とともに壁面に映し出されました。上映の後は、山梨県立科学館の学芸員・高橋真理子さんが進行役を務める中、梅本智文さん(国立天文台)が、光を遮るガスのかたまりで目には見えないが、そこが星の生まれる場所になっている"暗黒星雲の秘密"について解説。また、同プラネタリウム番組の主人公を描いた絵本作家・松村雅子さんも登場して、K・MoPAでかつて観た「はじめての宇宙の歩き方」展(2006年開催)に魅せられたエピソードや、"見えないけれどそこにある大事なものの神秘"について熱く語りました。
左より、松村雅子さん(絵本作家)・梅本智文さん(国立天文台)・高橋真理子さん(山梨県立科学館学芸員)・大沢聡さん(オカリナ奏者)
「K・MoPAで星を見る会」は、「はじめての宇宙の歩き方」展をきっかけに、野辺山天文台や山梨県立科学館の関係者などの協力を得て行っている恒例イベントです。K・MoPA4階の天文室にある口径40cmの望遠鏡「MEADE LX200-40」に参加者一同驚きながらも、月のクレーターをはっきりと映し出す望遠鏡を覗き込みながら、梅本氏のユーモアあふれる解説に耳を傾けていました。半月をうっすらと雲が覆うあいにくの空模様でしたが、時おり顔を覗かせる秋の星々を見つけると、約30名の参加者の誰からともなく歓声が上がり、楽しいひとときとなりました。
「写真だけでなく、音楽に絵画、そしてサイエンスと、ミュージアムにいろいろなジャンルの表現形態が集ったコラボレーションになりましたね。参加者のみなさんもそこから何か新しいものを感じ取ってもらえればと思います」とは、高橋真理子さんの言葉。「はじめての宇宙の歩き方」展が、あるいは八ヶ岳という地域が結びつけた素敵なコラボレーションを、参加者、出演者ともに心から堪能しているようでした。
文・写真:加々美吉憲
プラチナ・プリントの魅力伝えるワークショップ
2008年11月1日(土)および2日(日)、「井津建郎 プラチナ・プリント ワークショップ」を行いました。現在、K・MoPAにて展覧会「ブータン 内なる聖地」を開催中の井津建郎氏は、写真の古典的技法であるプラチナ・プリントの世界的第一人者。その井津氏によるK・MoPA初のワークショップということで、地元山梨や周辺の長野、東京ばかりでなく、遠く新潟や富山、福岡などからも参加者が駆けつけ、両日とも定員20名を迎えてデモンストレーションが行なわれました。ワークショップの冒頭では、ニューヨークにある井津氏のプリントルームでの作業風景をスライド上映。その後、感光剤調合・コーティング(印画紙に感光剤を塗布)・乾燥・露光・現像・クリーニングというプラチナ・プリントの工程が、参加者の目の前で繰り広げられました。井津氏独特の14×20インチのネガに焼き付けられた像が、現像液の中に浮かび上がると、室内には「おぉ」と静かな感動の声が。
写真家・井津建郎氏
プリント時の温度と湿度の話、感光剤調合の詳細、「シャキッとした表現をする」ための紙へのこだわり…プラチナ・プリントの一連の作業では、井津氏が写真家として何を考え、どんな道具を使うかといったことまで詳しく説明がありました。東京から参加した志鎌由起子さんは「貴重な経験ができてよかった。井津さんの作品が目の前でプリントされるのを見られるなんて。それから、プリントは演奏と同じ。同じネガからプリントされる作品が、昔と今とで違っていいという言葉も聞けて『なるほど!』と思いました」とワークショップの感動を話してくれました。
「刷毛の自重で塗るような感じで」。井津氏のコーティングの作業を見つめる参加者
「プロとしてプラチナ・プリントをやってらっしゃる方もいたので、緊張しました」と井津氏。「プラチナ・プリントは一枚一枚手作りで作品にしていくもの。その職人芸的な面白さ、うまくいった時の『こんなにキレイにできた!』っていう喜びを伝えたいと思いました。プロにも、趣味でやっている人にもね。そして彼らには、プラチナ・プリントの魅力を広めていってほしい。今はデジカメ主流の時代ですが、古典技法であるプラチナ・プリントから生まれる作品の存在感やあたたかみを、なるべく多くの人に知ってもらいたいと思っています」。そんな井津氏の、プラチナ・プリントへの思いも込められたワークショップとなりました。
現像し終えたばかりの作品を解説する井津氏
文責・写真:加々美吉憲
関西にて「細江英公の世界」展開催
清里フォトアートミュージアム・館長の細江英公(1933-)の展覧会が、関西では19年ぶりに兵庫県の尼崎市総合文化センターにて開催されます。初期作品から、代表作「薔薇刑」、「鎌鼬」、「ガウディの宇宙」、「ルナ・ロッサ」、「春本・浮世絵うつし」、「死の灰」などの最新作まで約200点の展示を、ぜひご高覧ください。
「細江英公の世界」―球体写真二元論
主催:(財)尼崎市総合文化センター、(財)NHKサービスセンター、毎日新聞社
後援:兵庫県、兵庫県教育委員会、尼崎市、尼崎市教育委員会
企画協力:東京都写真美術館、PRC
協力:清里フォトアートミュージアム、京都造形芸術大学、
フォト・ギャラリー・インターナショナル
●会期:2008年11月1日(土)~11月30日(日)
●会場:尼崎総合文化センター美術ホール5・4F
●入場料:一般800円、大・高生600円、中・小学生400円
団体、シニア、身障者割引あり
●お問い合わせ:(財)尼崎市総合文化センター
660-0881
尼崎市昭和通2-7-16 TEL:06-6487-0806
http://www.archaic.or.jp/
K・MoPAも参加。
八ヶ岳のアート・フェスティバル「絵のない展覧会」
八ヶ岳南麓には様々なミュージアムが数多く点在していることをご存知でしょうか。
清里高原に立ついくつかのミュージアムが、お互いの展示作品を知り、遠方から来館くださる方々に積極的に他館を紹介しようと、不定期のミーティングを行なうことになりました。
この集いをきっかけに、2001年には<観ること><知ること><立ち止まること>をコンセプトとした「八ヶ岳ミュージアム協議会」(愛称:八ヶ岳ミュージアム・リング)が発足いたしました。http://yatsugatake-museum.jp/
その後、毎年のように加盟館が増え、現在では山梨県、長野県の県境を越えて27の美術館が集い、情報交換や広報協力などの活動をしています。
そして2008年、多くの加盟館の協力のもと11月に初めてのアート・フェスティバルを行なう運びとなりました。
各館の個性を尊重するために選んだ共通テーマは“言葉”。
目に見えるものだけにとらわれず、聞こえるものと対話し、自由に想像の翼を広げていただきたいというメッセージを込め「絵のない展覧会」というタイトルにて8つのミュージアムを会場に思い思いのイベントを開催いたします。
今回はK・MoPAも「八ヶ岳ミュージアム・リング」加盟館として、恒例の「星をみる会」を期間中に2回開催いたします。天体観測初心者も小さなお子さんも大歓迎。
講師の“言葉”のナビゲートによって、太古の昔や壮大な宇宙に思いを馳せてはいかがでしょうか。
朗読あり、昔語りあり、音楽あり、個性溢れる多彩な催しが各所で繰り広げられる11月の一週間。
お好みの日にお好きなイベントを選んで、八ヶ岳高原のミュージアムにご来場ください。
「絵のない展覧会」
平成20年度山梨県地域活性化促進事業
●主催:八ヶ岳ミュージアム協議会
●後援:山梨日日新聞社、朝日新聞社、毎日新聞社、山梨県立科学館
大学共同利用機関法人自然科学研究機構国立天文台、
八ヶ岳ジャーナル社、エフエム八ヶ岳、ちびっこぷれす、八ヶ岳歩こう会、八ヶ岳ネットワーク
●開催期間:2008年11月1日(土)~11月8日(土)
★8つのミュージアムを会場に、“言葉”をテーマにした9つのイベントが行なわれます。
★開催館・各催しの一覧はこちら:http://yatsugatake-museum.jp/
★イベントのお申し込みは、各館までどうぞ。
★「絵のない展覧会」全容についてのお問い合わせは
八ヶ岳ミュージアム協議会・事務局:えほん村 TEL:0551-36-3139
期間中にK・MoPAで行なうイベントは、下記の2回です。
■11月2日(日)
午後6時~7時30分
「K・MoPAで星をみる会」
講師:縣秀彦
(国立天文台情報センター准教授、教育学博士)
会場:K・MoPA天文室、エントランスホール
K・MoPAに設置の口径40㎝のMEADE天体望遠鏡で星空を観望しませんか?
秋の星座と宇宙の不思議を、初めての方にもわかりやすくレクチャーします。
(雨天・曇天の場合はレクチャーのみ)
参加費:1000円(友の会会員は無料)
◎お申し込みは当館まで住所、TEL、参加人数をお知らせください。
清里フォトアートミュージアム
TEL:0551-48-5599 FAX:0551-48-5445
■11月8日(土) *八ヶ岳の日(=いいやつの日)
午後6時~7時30分
「K・MoPAで星をみる会―暗黒星雲」
講師:梅本智文
(国立天文台vsop-2推進室助教、理学博士)
会場:K・MoPA天文室、エントランスホール
「暗黒星雲」って何?専門家に楽しく解説いただきます。
K・MoPAに設置の口径40㎝のMEADE天体望遠鏡を使った星空観望も!
天体観測初心者も小さなお子さんも大歓迎。
(雨天・曇天の場合はレクチャーのみ)
参加費:1000円(友の会会員は無料)
◎お申し込みは当館まで住所、TEL、参加人数をお知らせください。
清里フォトアートミュージアム
TEL:0551-48-5599 FAX:0551-48-5445
文責:広報主任・小川直美
「アンコール小児病院」サポート・プロジェクト2008を終えて
9月6日(土)午後2時より、「アンコール小児病院」サポート・プロジェクト2008を開催しました。アンコール小児病院は、写真家・井津建郎氏がカンボジアのアンコールワットを撮影中、地雷の被害を受けた子どもたちと出会ったことをきっかけに設立されました。井津氏が創設したNPO「フレンズ・ウィズアウト・ア・ボーダー」によって1999年に開院、現在は24時間救急病院として運営されています。K・MoPAは2000年より毎年このイベントを行い、収益を同病院に寄付しています。
「アートには違いを超える力があると信じている」。
フレンズ・ウィズアウト・ア・ボーダーに込めた思いを語る井津氏
今年のイベントは、井津氏と佐伯剛氏(雑誌「風の旅人」編集長)のトーク「ブータン 内なる聖地」による第1部、金大偉氏(映像作家・作曲家・演奏家)と若林忠宏氏(民族楽器演奏家)のライブ演奏「Catharsis─浄化」が第2部という構成。第1部のトークでは、これまで井津氏が手がけてきた写真のこと、ICU・訪問診療・衛生教育と進化を遂げている「アンコール小児病院」のこと、そして撮影を終えたばかりのブータンについて語りました。第2部では、井津氏の作品「ブータン」をイメージして作ったオリジナル曲を金氏が奏で、若林氏が即興でブータンの民族楽器ダムニャンを演奏。背後に投影された井津氏の作品とのセッションに、訪れた多くの方々も、未だ見ぬブータンに思いを馳せながら聴き入っているようでした。
若林忠宏氏(左)と金大偉氏(右)の演奏
来年1月25日(日)まで開催中の井津建郎氏の写真展「ブータン 内なる聖地」は、長い間石造遺跡を被写体にしてきた井津氏が、初めて"人間"をテーマにした写真展です。本イベントでの井津・佐伯両氏のトークの中から、特にブータンの作品に関する部分を抜粋します。
佐伯 アンコールワットなど遺跡を撮り続けてきた井津さんが、今回は人を撮っている。ブータンで心境の変化がありましたか?
井津 プロとして、ちゃんと人間を撮ったことのないまま35年が経ちました。思えば自分の中に気負い、人間に対する不信感、あるいは自分が信じられていないのでは、そういうことがあったのかもしれません。それがカンボジアでのアンコール小児病院の活動を通してとれてきたように思います。ブータンでも最初の2年は人間を撮っていないのですが、その間にもいろんな人とのふれあいがありました。彼らは非常に自我の少ない、meやmineの少ない人たちで、その淡々とした姿にふと気づいたんです。
佐伯 ブータンの人たちの営みに、井津さんが遺跡の魅力として感じてきたような永遠性を感じた?
井津 彼らこそが聖地を作っていると感じました。だから次は彼らを撮ろうと。
佐伯 井津さんの写真を見ると、人々の目が遠くを見ているように感じます。遥か彼方を。そして写真に敬意を表したくなる。撮影の一つひとつが儀式のようなものであったのかなぁと思えるんです。
井津 本当に一枚一枚、手を合わせているんですよ。三脚を立てて手を合わせ、畳んで手を合わせる。撮影した場所の一つひとつが聖地です。
佐伯 それが写真に出ているんですね。"自分が、自分が"ではなく、被写体への敬意が作品ににじんでいます。それがプラチナ・プリントという古い手法とあいまって、逆に新しい、井津さんにしかできない表現になっているんだと思います。
井津 でも、例えば少年を写した写真、彼の目の透明さを見て思うのは、「井津さん、あなたは一体何を見て、何を考えて写真を撮っているの?」と、カメラを見つめ返されながら逆に問われているようだということ。だから私が"撮った"というよりも、何かの力によって"撮らされた"ように感じているんです。
「アンコール小児病院」サポート・プロジェクト2008のダイジェストは、K・MoPA友の会・会報34号(2008年10月下旬発行予定)にて特集します。
文責・写真:加々美吉憲
期間限定、井津氏使用の大型カメラを展示
「ブータン 内なる聖地」の展覧会作家、井津建郎氏が使用している大型カメラを、当館にて期間限定で展示いたします。この機会にぜひご来館ください。
●展示期間:2008年9月28日(日)午前中まで
●井津建郎氏使用のカメラ
ディアドルフ社製(アメリカ)
フィルムサイズ:14×20インチ(35.5×50.8㎝)
総重量:約130㎏(カメラ、レンズ、三脚、フィルム、ホルダー、アクセサリー一式)
●開館時間:10:00~18:00(入館は17:30まで)
●23日(火・祝)は開館。翌24日(水)も開館いたします。
第二回 自然写真家・西村豊氏とK・MoPAの森を散歩
2008年8月30日(土)午後1時より、「自然写真家・西村豊氏とK・MoPAの森を散歩」を開催しました。運悪く大雨と雷の警報が出てしまった山梨県。キャンセルの相次ぐ中、自然写真の撮影をはじめたばかりという、地元の方が参加くださいました。
自然観察のプロフェッショナルでもある西村氏と空模様をにらみつつ、一時的に雨の上がった短い時間にK・MoPAのガーデンを散策しました。
落雷の多いこの季節には必携といわれる雷探知機「STRIKE ALERT」を持参された西村さん、期せずしての「実施訓練」に、説明は真剣そのものです。グリーンのランプが赤にかわると雷の接近した証拠、すぐに建物の中などに避難しなければなりません。
建物のない野原などの場合には「とにかくできるだけ低い姿勢をとること」(西村氏)が肝心です。探知機のランプでまだ雷が60キロ以上先であることを確認しながら、小雨のなか、もう少しだけ歩きます。
K・MoPAガーデンの自然を観察。西村豊さん(左)と。
「フィルムとデジタルと両方で撮影して比べてみましたが、穂先が“メタリックな赤銅色”をしている若いススキは、デジタルカメラの撮影が効果的ですよ。」(西村氏)立ち止まっては宵待ち草の香りを愉み、こぶしの木についた実を観察したり。しばし初秋の自然と親しみます。
館内に移動した後には、西村さん撮影の野生動物たちの写真や珍しい空の作品などをプリントとスライドでご紹介いただき、約2時間の小さな楽しい会を終了しました。
K・MoPA周辺にも秋の気配が。
次回は「秋」または「冬」の会を予定しております。小さなお子様連れの方も大歓迎。ぜひ当ページをチェックしてください。
文:広報主任 小川直美 写真:野嵜雄一
●井津建郎プラチナ・プリント・ワークショップ
井津建郎による日本初のワークショップです。大型カメラをはじめ、プラチナ・プリントの製作工程のすべてをデモンストレーションします。(今回は、参加者のプリント作業はありません)
■日時:11月1日(土)、2日(日)の2回 午前10時~午後4時まで
■講師:井津建郎(写真家)
■受講料:一般1000円(入館料含む)/友の会会員は500円
■定員:各日20名(要予約)
■参加申し込みは、住所、氏名、参加人数をお知らせください。
★好評につき、上記のワークショップは定員に達しました(2008年8月25日現在)が、参加者のキャンセルにより1,2名の空きがでる可能性もございます。ご希望の方は、前日にお問い合わせください。
★井津建郎氏には、9月6日(土)午後2時~アンコール小児病院・サポートプロジェクト2008と、9月7日(日)午後2時~のギャラリー・トークにて、プラチナ・プリント作品について語っていただきます。どうぞふるってご参加ください。
●ブータンってどんな国?
「ブータン・デー」を開催。
井津建郎氏の個展「ブータン 内なる聖地」会期中のK・MoPAで8月2日(土)、「ブータン・デー」を開催しました。GNP(国民総生産)ではなくGNH(国民総幸福=Gross National Happiness)を国是として掲げ、独自の伝統と文化を大切にする人々が暮らす仏教王国・ブータン。写真家・井津建郎が惹かれたその国の、文化や人々を知ってもらいたいと企画したイベントです。
当日は日本に暮らすブータン人留学生7名と、日本ブータン友好協会のスタッフの方々が清里まで駆けつけてくれ、「カプセ」や「ゲザシップ」といったブータンのお菓子、3,4人で競う「パララ」というポピュラーなゲーム、あるいは民族衣装の着付けなどでイベント参加者をもてなしました。特に衣装の着付けは好評で、女性用の「キラ」、男性用の「ゴ」という絹製の美しい衣装を身にまとってみなさんご満悦。家族・夫婦・友だち同士でブータン人になりきって、自然と笑みをこぼしていました。「外見的にはブータン人と日本人はほとんど変わらないね」と、なごやかな雰囲気の中、楽しい時間が過ぎていきました。
「衣装を着てから井津さんの写真を見たので、より体験的に、インタラクティブに写真を見ることができたと思います。イベントそのものも純粋に楽しかった」と、参加者の桑嶋さん。
「オンジュ」というブラウスの上に「キラ」を巻き、「テーゴ」という上着をまとうのが正装。テーゴの袖からオンジュの色を見せるのが決まりです。
本で見たブータンのことが忘れられず参加したという小学3年生の路千阿(るちあ)さん
1歳の柚ちゃん(写真中央)の美しい姿に会場からは拍手が…。その後家族で記念撮影を行いました。
2つのサイコロの目で勝負を競うブータンのゲーム「パララ」。ルールはとても難解!?
留学生のカルマさんも参加者とともにイベントを楽しんだ様子。「若い人も年配の人も衣装を着ることにトライしていましたね。ブータンではこんな時、お年寄は静かにしているものなのですが…(笑)。そんな文化の違いも見えておもしろかったです」。また、井津氏の写真についても、「ブータンをとてもよく紹介してくれて嬉しい。またそれを自分が見ることができたことも嬉しいです」とコメントしてくれました。
「ブータン 内なる聖地」展は来年1月25日(日)まで開催。また9月6日(土)には、井津氏がカンボジアの子どもたちのために設立し、運営を続けている「アンコール小児病院」を支援する「『アンコール小児病院』サポート・プロジェクト2008」を開催。ブータン取材中のエピソードを語る井津氏のトークや、ブータンの民族楽器「ダムニャン」のライブが行われます。
文責・写真:加々美吉憲
●K・MoPAの建築空間とアート作品のコラボレーション
「Feel ── 空間とこころをつなぐかたち」展
7月26日(土)から9月29日(月)まで、K・MoPA館内およびその周辺に彫刻などの立体作品を展示する「Feel ── 空間とこころをつなぐかたち」展を開催しています。「Feel」は、今回で3回目となる現代彫刻展。八ヶ岳南麓を拠点に活動する美術家たちが、ミュージアム館内、玄関、中庭、隣接する森の中などにその作品を展示するという試みです。今回は、イグチトシオ・石田泰道・上田快・上野玄起・榎本栄子・熊本惠孝・倉橋元治・武田省一・萩原真輝・村岡由季子の10名が、合わせて18点の作品を出品しています。それぞれが作品を設置する場所を自分で選び、その場所から得たインスピレーションをもとに作品を制作。形も大きさも素材もそれぞれ異なる、個性豊かな作品が訪れる人の目を楽しませています。
石田泰道/連鎖界-風化へ
倉橋元治/花
「K・MoPAの建物の魅力は、コンクリートの四角がただ単に四角ではないところ。いろいろな"秘密の空間"が隠されているんです。そこに作品を置くと、同じ作品も見る方向によって全然違ったものになる。作家にとってはとてもメリットの大きい場所だと思います」と、参加作家の村岡由季子さん。「自然との調和」をテーマに、建築家の栗生明氏によって設計されたK・MoPAの建物が、10人の作家のさまざまな表現を生み、ミュージアムの空間をより刺激的で楽しいものに変えています。K・MoPAエントランスホールには彫刻の設置場所をしるしたマップも用意されていますので、作品を探しながら、森に囲まれたガーデンを散策してはいかがでしょう。
8月2日、作家による作品解説ツアーが行われました(萩原真輝/This worldの前にて)。次回開催は8月30日の予定
文・写真:加々美吉憲
●"写真の原点"を体験!ピンホールカメラ・ワークショップ
7月26日(金)、ピンホールカメラ・ワークショップを開催しました。参加したのは北杜市立泉中学美術部の生徒15名と引率の先生、一般2名。K・MoPA学芸員の田村泰男が講師を務め、参加者が持参したお菓子の空き箱とアルミの空き缶を使ってピンホールカメラを製作しました。
ピンホールカメラの製作風景
ピンホールカメラは、中を黒く塗りつぶした箱と、それに細い針穴(ピンホール)を空けただけの簡単な道具。写真の原点とも言えるカメラです。ピンホールを通った光が箱の反対側の壁面で画像を結ぶ性質を利用し、その画像を印画紙に写すことで撮影を行います。写真は独特のやわらかい画質を持ち、画面のどの部分にもピントが合っているのが特徴です。
ピンホールカメラの原理を図で説明
カメラの製作後は、いよいよ撮影へ。参加した子どもたちは、K・MoPAの建物や開催中のfeel展(八ヶ岳南山麓を拠点とする美術家たちがK・MoPAの建物とその周辺に彫刻を展示)の作品などを題材に、思い思いの場所で撮影を行いました。また暗室での現像作業も貴重な体験となりました。
ピンホールに貼っていたテープをはがしてシャッターを切ります。カメラの絞り値とシャッタースピードも自分で計算
「本当に撮れてる!」。暗室内でネガを作る参加者
「最初の写真はカメラを空に向けて撮ってみました。シャッタースピードが22分もかかっちゃった…。自分がカメラの中に入って外を見ているようなイメージで撮りました。ピンホールカメラは普通の写真だったら失敗?というようなものも、独特の味が出るような感じなのでとても楽しいです」と、参加者の浅川さん。カメラの製作から撮影まで7時間におよぶワークショップでしたが、18名がそれぞれに工夫を凝らし、ピンホールカメラらしい味のある作品を仕上げました。 文責・写真:加々美吉憲
撮影者=秋山野々さん(1年)
撮影者=那波麻衣子さん(1年)
撮影者=藤原七海さん(1年)
撮影者=鴇田紫音さん(3年)
撮影者=浅川愛里さん(3年)
●定員10名。参加募集!
「ピンホールカメラ・ワークショップ」
針穴写真と呼ばれるカメラの原点がピンホールカメラ。お手持ちの箱でカメラを作って撮影してみませんか?
どんな映像が現れるのか、お楽しみに!初心者の方も白黒写真の現像を体験できます。
■日 時: 7月27日(日) 午前10時~午後5時
■講 師: 田村泰男(学芸員)
■会 場: K・MoPA
■受講料:一般1000円(入館料含む)/ 友の会・会員は500円
■定 員: 10名 ★要予約
■持参いただくもの:カメラ用に紙製のお菓子の箱(硬く、しっかりした素材のもの。
タテ12㎝×ヨコ20㎝×高さ5~20㎝)、アルミ缶、カッターナイフ、ハサミ、秒針つき時計、筆記用具、タオル、エプロン、昼食
※参加申込みは、住所、氏名、参加人数をお知らせください。
●ブータンのいろいろがわかる!
「ブータン・デー」
日本人と外見がそっくりなブータン人のこと、あなたは何かご存知ですか?ブータンでは普段から民族衣装を身に着けることが国で決められています。民族衣装「キラ」(女性)や「ゴ」(男性)を着て、記念写真を撮りませんか!日本ブータン友好協会の方とブータン人留学生が着付けを手伝ってくれます。ブータンの言語「ソンカ語」ってどんな言葉?食べ物や遊びは?ブータンのいろいろが楽しくわかる一日です。
■日 時: 8月2日(土) 午後2時~5時30分
■協力:日本ブータン友好協会
■会 場: K・MoPA
■参加料: 一般は入館料のみ / 友の会・会員は無料
※定員なし、予約不要。
●真夏の清里で夜空をみあげるのなら・・・・
「K・MoPAで星をみる会」
MEADE天体望遠鏡(口径40㎝)のある当館天文室で行なう観望会。
夏の星座や宇宙の不思議を、はじめての方にもわかりやすくお話いただきます。
■日 時: 8月2日(土) 午後8時~9時30分
■講 師:長塚義隆(理学博士)
■会 場: K・MoPA
■受講料:一般1000円(入館料含む)/ 友の会・会員は無料
■定 員: 30名程度 ★要予約
※参加申込みは、住所、氏名、参加人数をお知らせください。
<長塚義隆氏のプロフィール>
清里フォトアートミュージアム・常任委員。
1998年には、K・MoPAで開催した写真の国際会議「オラクル」に出席した海外の写真美術館・館長や学芸員に向けて天文の解説をしたほど英語が堪能で、現在はJAXAのホームページの翻訳を担当されています。
「ふつうのプロフィールではつまらないので」と、ご自身が作成されたプロフィールより、一部抜粋してご紹介します。
幼い頃から時計を分解したり、模型電車を作ったりすることが得意だった長塚さん。
中学2年(1956年)の火星大接近の時に天文に興味を抱き、なんと自作の望遠鏡で火星を観望したといいます。高校時代にはアメリカから天文や光学関連の専門書を購入し独学で勉強を始めます。
ところが大学受験の際に、いわゆる“受験ノイローゼ”に陥り、2年ものあいだ現代でいう“引き篭もり”生活となってしまいました。
その間、英文学の名作を愛読して過ごしていたそうです。
1963年東京工業大学に入学。応用物理学科で数学と物理学の専門教科を学び、1967年に大学院の修士課程に。ここで理論物理学を専攻、理学博士の学位を取得します。
在学中は、東工大の学生に対して一般物理学などの演習授業を担当したほか、東海大学の非常勤講師なども勤めました。
1972年、大学教員への就職を断念し、一般企業に入社。大出力レーザーや分析機器の開発部門に携わります。国内の学会や国際会議にて研究成果を多数発表、分析機器に関する数冊の翻訳本を出版するなど、2006年の定年退職まで活躍されました。
定年後は、科学技術翻訳業を開業し、特許、分析機器メーカーの発刊するジャーナル、その他科学技術関連の最近のトピックス(天文関連も含む)の日英翻訳を、ご本人曰く「趣味的にこなしている」、とのことです。
さいごに、長塚さんからのメッセージを。
「当日は、晴れて天体観測ができれば最高ですが、曇天の場合には、宇宙や天文の話しをしたり、理科離れと言われている今日、理科や数学の楽しさ、どうしたら理科や数学が得意になれるか等、私の体験を通してお話しができれば幸いです。」
●夏休みの宿題はおまかせ!
「自然写真家・西村豊氏とK・MoPAの森を散歩」
ヤマネやホンドギツネの作品でおなじみ、八ヶ岳南麓に住む西村氏による自然観察の会を、K・MoPAでは定期的に行なっています。もうすぐ夏休みも終わりだけれど、宿題の自由研究がのこっている・・・・。そんな親子のみなさん、ご安心ください。夏の山歩きに必携の“雷探知機”の利用法、蛇にかまれたときの対処法など、西村氏に教えていただきましょう!スナップから本格的な撮影テクニックまで、質問にもお応えいただけます。
■日 時: 8月30日(土) 午後1時~3時
■講 師:西村豊
■会 場: K・MoPA
■受講料:一般は入館料のみ/ 友の会・会員は無料
■定 員: なし ★要予約
※参加申込みは、住所、氏名、参加人数をお知らせください。
前回のレポートはこちら
●井津建郎が語る写真、旅、小児病院―。
「アンコール小児病院」サポート・プロジェクト2008
世界各地の遺跡を撮影していた井津建郎は、カンボジアの「アンコール・ワット」遺跡を撮影中に、地雷で手足を失った子どもたちの姿を目の当たりにし、「これまで撮る<TAKE>ばかりだった自分に、何かできないだろうか<GIVE>と、病院の建設を決意します。そしてNPO「フレンズ・ウィズアウト・ア・ボーダー(国境なき友人)」を創設、1999年「アンコール小児病院」を開院しました。井津氏の支援を続けている当館は、2000年以来、小児病院のためのイベントを毎年開催し、チケットによる収益のすべてを寄付しています。本年は、病院の創設者・代表であり、最後の秘境・ブータンの撮影を終えた井津氏がニューヨークより来日、写真、旅、自身が創設した「アンコール小児病院」の現状を語ります。
井津建郎氏、ブータンにて /撮影:Sangay Khandu氏(現地ガイド)
▼アンコール小児病院を運営するフレンズ・ウィズアウト・ア・ボーダーの公式サイト www.fwab.jp (アメリカ版もございます)
主 催: 清里フォトアートミュージアム協 力: 特定非営利活動法人フレンズ・ウィズアウト・ア・ボーダーJAPAN
■日時:9月6日(土)午後2時~4時(休憩あり)
★第1部:トーク「内なる聖地」午後2時~3時15分
■出演:井津建郎(写真家)×佐伯 剛(『風の旅人』編集長)
★第2部:ライブ 「Catharsis―浄化」午後3時30分~4時
金大偉によるオリジナル曲とブータンの民族楽器“ダムニャン”の即興演奏。
■出演:金 大偉 (映像作家、作曲家、演奏家)×若林忠宏(民族楽器演奏家、研究者)
■会場:K・MoPA音楽堂
■参加費:一般3000円(2名様以上はお一人2500円)
*友の会・会員は各1000円引き / 当日券は各500円増 高校生以下は無料
■定員:150名/ 全席自由
※お申込みは、住所、氏名、参加人数をお知らせください。
<出演者のプロフィール>
◆井津建郎(いず けんろう)1949年大阪生まれ。1970年渡米。74年ニューヨークにKenro Izu Studioを設立。ティファニーやハリー・ウインストンなど主に宝石写真を手がける。作品は、プラチナ・プリントによる石造遺跡だけでなくヌードや花のスティル・ライフ作品も多く、メトロポリタン美術館をはじめ海外の多くの美術館に作品が収蔵されている。02年、プラチナ・プリントにサイアノタイプを重ねたシリーズ「BLUE」を発表。1993年よりアンコール遺跡の村に小児病院を建てるNPO活動「フレンズ・ウィズアウト・ア・ボーダー」を始め、1999年に病院を創設。(P5に詳細)07年10月、病院運営の功績と長年におよぶ創作活動に対し、写真界の“アカデミー賞”と言われ世界的業績を顕彰するルーシー・アワード(米)のビジョナリー賞を受賞した。ニューヨーク在住。
▼井津建郎公式サイト http://www.kenroizu.com
◆佐伯 剛(さえき つよし)1962年兵庫県生まれ。隔月刊誌『風の旅人』創刊(03年)より編集長。ユーラシア旅行社専務取締役。http://www.kazetabi.com/
◆金 大偉(きん たいい / 映像作家、作曲家、演奏家)
1964年中国生まれ。79年に来日後、自然との共鳴感覚や精神内外部の調和を重視しつつ、先端テクノロジーなどを駆使した音楽、映像空間展示、ファッションショーなどの活動により高い評価を得ている。最新のCD『TOMPA』Ⅱ、Ⅲ(08年)は、世界最後の象形文字である東巴(トンパ)文字を駆使する中国の少数民族・納西(ナシ)族の歌声を現地で採取し、現代的な手法によって再構築した作品。映像監督作品に、石牟礼道子の『しゅうりりえんえん』(04年)『海霊の宮』(06年/藤原書店)他多数。
http://www.kintaii.com
◆若林忠宏(わかばやし ただひろ/民族楽器演奏家、研究者)
1956年東京生まれ。インド国立音楽院ほか世界各地の師に学び、約900種の楽器を演奏、2500点以上の楽器を所有する。日本初の民族音楽ライブスポット、民族音楽教室(現・民族音楽センター)を開設。現在は同センターと東京音楽大学付属民族音楽研究所で指導にあたるほか、各地で講演と演奏活動を行なう。
テレビ「世界・ふしぎ発見!」やラジオへの出演をはじめ、雑誌取材なども多数。
『民族音楽辞典』(03年/東京堂出版)、教則ビデオ「民族楽器大博物館」(99年/京都書院)他多数発刊。
民族音楽センター http://www.musiqageet.com/
●井津氏の語るブータン、そしてプラチナ・プリント。
「井津建郎によるギャラリー・トーク」
ニューヨーク在住の井津建郎氏が来日、K・MoPA展示室にて自作を語る、貴重な機会です。
■日時:9月7日(日)午後2時~3時
■参加費:一般は入館料のみ /友の会・会員は無料
井津建郎氏、ニューヨークのスタジオにて/ 撮影:井津由美子
"ヤマネの写真家"西村豊氏のトークライブ
2008年5月25日(日)、「自然写真家・西村豊氏と『K・MoPAの森を散歩』~新緑の会」を行いました。西村氏は、不思議な生態をもつ小動物「ヤマネ」の写真の第一人者。八ヶ岳山麓在住の自然写真家です。K・MoPAにおいても、1997年に「ヤマネ─森に棲むもの」展、2007年に「森の妖精 ヤマネ」展を開催しています。イベント当日は小雨が降ったりやんだりのあいにくの天候。参加者数名の小さな会となりましたが、それだけに西村氏の貴重なお話をじっくり聞くことのできる場となりました。
自然写真家・西村豊氏
「動物たちは人間が思っている以上に利口だし、こちらが心を開けばとても豊かな表情を見せてくれる」。ケガをして保護されたキツネやタヌキが森に帰されるとき、必ず立ち止まって人間を振り返るという話。警戒心が強い割には、洗濯物のポケットで眠っていたりするヤマネのユーモラスなエピソード。人間の言葉を理解するウサギとの交流…。長年にわたり森の動物たちと接してきた西村氏ならではの、貴重な体験談が次々と披露されました。その一方で、自然を求めて別荘を構えながらも、森の先輩である動物たちの生活を脅かす人間のモラルや、環境問題に関する危惧も話題にのぼり、その内容の濃さに参加者も心動かされたようです。
「半年前にデジカメを買って、山を歩いて写真を撮りたいと思っていたので参加しました。西村さんの話は、私が住んでいる長野県やその周辺の話でしたが、自分がそんな豊かな自然環境の中にいることの驚きを感じました」と、参加者の小室さん。
自然の中では第6感が研ぎ澄まされる…たくさんの撮影秘話を披露
やがて雨が上がったひとときを見計らって、野外散策へ。西村氏は、まずは実物の木の葉とカラーチップ(印刷の色指定に使う色見本の紙)を比べながら「草色」「萌葱色」「若葉色」などの日本の伝統色を紹介し、日本人が自然との関わりの中で育んできた感性を伝えました。「一口に『緑』と言っても、さまざまな『緑』があるんです」。K・MoPAの敷地内にある森の花や木、キノコの解説をしながらの"西村流自然学校"に一同興味津々。また、K・MoPAの壁に残された人の形をしたシミを見て面白がる西村氏の姿も印象的で、その仕事の現場である自然というフィールドを「足元から空までの間の不思議でいっぱいな空間」と語る写真家の、感性と人柄とがかいま見えるひとときとなりました。
雨上がりのK・MoPAの森を散策
次回の西村豊氏のトーク・イベント「自然写真家・西村豊氏と『K・MoPAの森を散歩』~真夏の会」は8月30日に開催。自然観察をしながら、ヤマネをはじめとする動物たちの話、自然写真撮影の極意、雷やヘビなどに急に出会ってしまったときの対処法などもお話いただきます。子どもたちの参加も大歓迎、お気軽にご参加を(要予約)。
文・写真:加々美吉憲
2007年度ヤング・ポートフォリオ永久コレクション証書授与式
2008年5月17日(土)午後1時から3時、2007年度ヤング・ポートフォリオ(YP)のレセプションを行いました。YP は、35歳以下の若い写真家の作品を募り、選考の後、収蔵作品として購入する当館の活動の柱ですが、07年度は411名(35カ国)、5938枚の応募があり、その中から59名、284枚の作品が購入されています。
2007年度YP永久コレクション証書の授与
永久コレクション証書の授与
「質の高さに驚きました。私は写真を大まかに報道・記録・アートの3つに分類しているが、そのいずれにおいても見るべきものがあった」と、07年度 YPを講評したのは、選考委員をつとめた写真家の森永純氏。バングラデシュの貧困に迫るG.M.B.アカシュ氏の一連の作品、父親の入院から死までを記録した田村俊介氏の「さよなら、お父さん」、木の背後に巨大なカンヴァスを掲げたイ・ミョンホ氏の「Tree」など、印象に残った作品や作家の名前を挙げつつ、時代を反映した作品コレクションの重要性にも言及されていました。
写真家・森永純氏
来賓の挨拶を聞く出席者
当日はアメリカ、イギリス、インド、韓国、シンガポール、日本から25名のYP購入作家が出席。細江英公館長より永久保存証書と励ましの言葉を贈る永久保存証書授与式を行いました。YP購入作家が各々感謝の辞や写真への決意を述べ、また彼らが互いに交流を深めるのも毎年の光景ですが、今回は2007年度YP購入作家の一人、故・内野雅文氏を偲ぶ場ともなりました。内野氏は、1997年より毎年のようにYPに応募、多くの作品が永久コレクションされている写真家でした。しかし、2007年大晦日から2008年元旦にかけて京都の八坂神社を撮影中に倒れ、そのまま帰らぬ人となりました。享年34歳。以下は、レセプション会場で聞くことのできた、彼を偲ぶ写真の仲間たちからの言葉です。
内野とは大学(東京造形大学)で出会いました。その後12年、13年と経って、写真を続けていく仲間がだんだんと減っていく中で、同じ道を歩む者として親しくしていました。例えば大学時代に始めている「ケータイ」(2005年度YP購入作品)シリーズがそうなんだけど、アイツは本当に何でもないものを、5年、10年経った時に見直されるようなものを撮る。高い位置から見下ろすのではなく、同じ目線で撮っていました。「何でそんなものを撮るんだ?」と言われて、周りの理解に対する苛立ちもあったかもしれませんね。彼のトレードマークだった作務衣に坊主頭は、やりたいことを続けるための装いだったようにも思えるんです。内野は4歳の頃にはカメラをさわっていたそうです。少年時代は鉄ちゃん(鉄道マニア)だったから、その興味が「車窓から」(2007年度YPにて4点購入された作品のシリーズ)につながっているのかな。子どもの頃の興味が大人になってからの仕事にリンクしていて、そのまっすぐさも彼らしいですね。(写真家・小平雅尋さん)
「あぁ、やってんなー!」というのが、彼が2年と期限を決めて、最後まで撮影の拠点としていた京都のアパートに行ったときの印象だった。本当に写真のものしかない空間で、彼の覚悟がよくわかった。シンクと壁の間の1mくらいのスペースに2人で抱き合うようにして寝たんです。内野はずっと前のめりで、いい写真とは何か?写真にしかできないことは何か?を問い続けながら、写真の力を信じきることに一点の曇りもない、そういう志の高い写真家だった。(写真家・北野謙さん)
内野さんは写真の先輩でした。ある時、イルミネーションのイベントの会場に突然呼ばれて、行ってみたんですけど彼は「ケータイ」ばかり撮っている…。撮影のカムフラージュに使われたことも、今となっては思い出です。四国遍路を辿りながら、歩いて写真を撮る。それはシンプルにシンプルにつきつめるような作業だったと思います。写真に対して斜に構えずに正面から取り組む人で、私はずっとその正直さをうらやましいと思っていました。(写真家・福添智子さん)
私のギャラリーでも展示した「野ざらし紀行」(2001年YP購入作品)は、東京から奈良までを何回かにわけて歩いて旅しながら撮影するという労作でした。肉体的には大変なのだろうけど、どこかユーモラス、全身全霊を込めながら同時にリラックスしているという、彼ならではの作品で、強く印象に残っています。K・MoPAのヤング・ポートフォリオには、その年その年の集大成を応募するという姿勢でいたと思います。よく「自分の作品を写真の美術館に残してほしい。その確約がほしい」と言っていました。今にして思えば、自らの作品に対して、それだけ強い思いを持っていたということなんでしょうね。(写真家、ギャラリーニエプス主宰・中藤毅彦さん)
内野氏の作品は、07年度に選ばれた「車窓から」4点のほか、1997年度以来、YPを通して購入した全作品を追悼展示しています。細江館長は、内野氏にかわり千葉県から駆けつけてくださったご両親に向けて「彼の精神、そして彼の作品は、ここに残っています」と、永久保存証書を授与。若い写真家たち、そして来賓の方々やスタッフ全員が若き写真家の死を悼み、一分間の黙祷を行いました。
故・内野雅文氏の父・滋夫様、母・真起江様、館長・細江英公(右)
若い写真家をサポートするということ、作品を永久保存する美術館の使命と重みについて、今年のレセプションに出席された方々は様々な思いを抱かれたことでしょう。毎年恒例の集合写真を撮影し、2007年度YP授与式を終了しました。
文・写真:加々美吉憲
シンガポールよりYP卒業作家が来館
2008年3月26日(水)、シンガポール在住の写真家で、ヤング・ポートフォリオ(YP)購入作家のチャウ・チー・ヨン(Chow Chee Yong)氏が、自身が写真専攻講師を務めるTEMASEKPOLYTECHNICデザイン学部ヴィジュアル・コミュニケーション学科の学生約30名を引率して来日、研修旅行の一環として2007年度ヤング・ポートフォリオ展を鑑賞されました。
チャウ氏は、約2時間をかけて展示作品を丁寧に解説し、学生たちに積極的に応募することをすすめていました。
応募の上限が35歳までという当館のYPですが、13年目を数え、YPを“卒業”した作家たちが教え子に本活動を伝えたことによって作品購入に至る、ということも増えています。
世代や国境を超え、YPの輪が確実に広がっている喜びを実感した一時でした。
左:チャウ・チー・ヨン氏
文責:広報主任
小川直美 撮影:野嵜雄一
●参加募集!自然写真家・西村豊氏と「新緑の森を散歩」
2007年当館にて開催した西村豊氏の「森の妖精 ヤマネ」展は、好評のうちに終了しました。
四季折々、さまざまな表情を見せてくれる美術館内の森を、西村氏と楽しく散策し、自然観察をしながら八ヶ岳の森に棲む動物のお話を聞いたり、撮影テクニックなどもお話いただくトーク・イベントを定期的に行います。どうぞお気軽にご参加ください。
講師・西村豊プロフィール
1949年京都府京都市生まれ。72年長野県に移り住む。
1977年自然写真家として独立(ネイチャーフォト・プロダクション代表)
現在、長野県諏訪郡富士見町に在住、フリーの自然写真家として国内外で活動する。
美術図書、自然雑誌、動物図鑑への作品発表のほかテレビへの出演など活動は多岐にわたる。
保育園から大学までの学校、企業などで社会人講師としても活躍。ヤマネ(国指定・天然記念物、準絶滅危惧種)やホンドギツネの研究者としても知られ、文化庁・旧環境庁(現環境省)・林野庁の許可を得て4年間調査を行なった。『ヤマネ―森に棲むもの』(Bee Books)ほか著書多数。
●日時:5月25日(日)午後1時~3時
●入場料: 一般は入館料のみ/ 友の会・会員は無料
●定員:なし 要予約
参加申込みは、住所、氏名、参加人数をお知らせください。
当館が昨年行なった西村豊氏のトーク・イベントはこちら
文責:広報主任 小川直美
K・MoPAで星をみる会 VSOP-2スペシャル
2008年2月23日(土)午後6時~8時、K・MoPAで星をみる会を開催しました。
晴れたり吹雪いたり、日中はめまぐるしく変化した清里のお天気も、夜にはひらひらと雪の舞う程度に落ち着きました。その雪も止み、雲間から星のみえた短い時間に、当館4Fの天文室に移動しましたが、MEADEによる観測はかないませんでした。
そこで、この日は、夢いっぱいの最先端プロジェクト「VSOP-2」について、野辺山宇宙電波観測所・助教の梅本智文氏にわかりやすく解説いただきました。
宇宙では、私たちの想像もつかないようなダイナミックが変化が日々起こっています。
数億光年、数十億光年先の極限領域を高解像度でみることは、宇宙の様々な謎を解明する上で、大きなステップになるそうです。その鍵をにぎる“とてつもない解像度をそなえた
観測手法”について―今回の目玉ともいえるお話の一部を、ここにご紹介しましょう。
望遠鏡の口径は、大きければ大きいほど解像度がアップすることをご存知のかたも多いでしょう。それではもっともっと大きなものを建設すればよいかというと、構造的にも予算的にも限界があり実現は難しいというのです。そこで天文学者が考えたのが、すでに地上に建設されたいくつかの電波望遠鏡をつなぐこと。それぞれが電波を波としてとらえ、解析データを合成するのです。口径を広げるかわりに、望遠鏡同士の距離(基線長)を広げたわけですね。結果として、超・巨大望遠鏡と同じ解像度で天体の画像をみることができ、多くの謎の解析に成功しました。でも、所詮地球の上にある望遠鏡同士。頑張っても地球の直径を越える望遠鏡サイズの観測はできないということでしょうか?
―そこで再び天文学者たちは考えました。今度は宇宙空間に人工衛星の電波望遠鏡をうちあげ、地上の望遠鏡とつないで、さらに長い距離をかせいで解像度をあげよう、というシステムです。なんとその直径は3万キロメートル!“直径3万キロメートルの瞳”で宇宙をみることと同じ、ともいえましょう。稀有壮大、しかもなぜか、馴染みのお酒の名前がついたこのプロジェクト「VSOP」は大成功し、現在はその先を行く「VSOP-2」プロジェクトが、2012年の打ち上げに向けて進行中です。そのときに得られる画像は、私たちに何を教えてくれるのでしょう―。
ひょっとしたら銀河の中心にひそむ巨大ブラックホールの謎にせまれるかもしれません。
夢と期待が膨らみます。
講師をしてくださった梅本氏は、まさにこのプロジェクトの一員とのこと。最先端の研究に携わる天文学者から親しくお話をうかがった19名の方々は、宇宙との距離がぐっと縮まったのではないでしょうか。次回の晴天を祈りつつ、会は無事に終了しました。次回の「星をみる会」の日程は、当サイトで発表しますので、ぜひお気軽にご参加ください。
文責:広報主任
小川直美 撮影:野嵜雄一
「20世紀の巨匠たち」展(東京)、4月に開催
大阪に続き、東京の大丸ミュージアムにて下記の展覧会が開催されます。当館の収蔵するエドワード・ウエストン、ウィン・バロック、アーヴィング・ペン、ウイリアム・クライン、ルイス・ハイン、W.ユージン・スミスの作品計54点を特別協力として出品します。ぜひご高覧ください。
「20世紀の巨匠たち」
会期:2008年4月3日(木)~21日(月)
午前10時~午後8時(入場は午後7時30分まで)
最終日は午後6時まで(入場は午後5時30分まで)
会場:大丸ミュージアム・東京(大丸東京店10F)
主催:朝日新聞社
後援:アメリカ大使館、日本写真協会、日本写真家協会
企画:イメージプランニング・インターナショナル
特別協力:清里フォトアートミュージアム
会期中無休
詳細は、http://www.daimaru.co.jp/museum/schedule/tokyo/index.html
「20世紀の巨匠たち」展に特別協力
大阪の大丸ミュージアムにて開催される展覧会に、当館の収蔵するエドワード・ウエストン、ウィン・バロック、アーヴィング・ペン、ウイリアム・クライン、ルイス・ハイン、W.ユージン・スミスの作品計54点を特別協力として出品します。ぜひご高覧ください。
「20世紀の巨匠たち」
会期:2008年2月27日(水)~3月17日(月)
午前10時~午後8時(入場は午後7:30まで)
会場:大丸ミュージアム・梅田(大丸梅田店15F)
主催:朝日新聞社
後援:アメリカ大使館、日本写真協会、日本写真家協会
企画:イメージプランニング・インターナショナル
特別協力:清里フォトアートミュージアム
会期中無休
詳細は、http://www.daimaru.co.jp/museum/schedule/umeda/index.html
文責:広報主任 小川直美
●2月23日(土)より内野雅文追悼作品展
2008年元旦、写真家の内野雅文氏が34歳の若さで急逝されました。
大晦日の夜に、内野氏は京都の八坂神社で撮影をしていました。日付がかわって間もなく倒れ、1月1日の明け方に帰らぬ人となったのです。あまりにも突然の出来事でした。
大学を卒業したばかりの内野氏が当館のヤング・ポートフォリオ(YP)に初めて応募したのは1997年度、「東京ファイル」という5枚の作品が購入となりました。その後、2007年度の「車窓から」に至るまでYPへの応募はほぼ毎年続き、本年4月に受付を開始する2008年度YPへの出品にも意欲を燃やしていました。
この度の訃報に接し、清里フォトアートミュージアムは氏への哀悼の念を捧げますとともに、当館の永久保存する内野氏の作品全38枚を展示いたします。
<内野雅文追悼作品展> *2007年度ヤング・ポートフォリオ展と同時開催
会期:2008年2月23日(土)~6月22日(日)
会場:清里フォトアートミュージアム
開館時間:10:00~18:00(開館は17:30まで)
休館日:火曜日 *祝日の場合は開館(振り替えなし)
内野雅文(うちの まさふみ)
1973年東京都に生まれ千葉で育つ。
96年東京造形大学造形学部デザイン学科写真コース卒業。
96年「東京ファイル」、99~07年まで「うりずん-沖縄先島」「野ざらし紀行」「空と海への巡礼」
「ケータイ」「カガミ ノ ナカ」「IDOLS」「車窓から」他、毎年個展を開催し作品を発表。
07年大晦日から元旦にかけて最新作“京都”シリーズを撮影中に倒れる。
08年1月1日逝去、享年34歳。
★受賞
05年 MiO写真奨励賞審査員特別賞:「A Train Window in Spring」
★著作
04年 写真集『ケータイと鏡 1996-2004』/自費出版
06年 展覧会図録『masafumi UCHINO:photo works 1996‐2006』/自費出版
★コレクション
1997、99、00、01、03、04、05、07年度ヤングポートフォリオにて
清里フォトアートミュージアムが38枚を購入。
<友の会・会報にて追悼特集:写真家・内野雅文氏に捧ぐ>
K・MoPA友の会・会報32号は、氏と親交の厚かった29名の方々の追悼文を掲載します。(2008年3月下旬発行予定)
文責:広報主任 小川直美
参加募集!K・MoPAで星をみる会 Starry Night at K・MoPA
●日時:2月23日(土)午後6時~8時
●講師:梅本智文(野辺山宇宙電波観測所・助教)
●会場:K・MoPA天文室、エントランスホール
●入場料: 一般1000円(入館料含む)/ 友の会・会員は無料
●定員:15名程度 要予約
参加申込みは、住所、氏名、参加人数をお知らせください。
参加者はマグカップをご持参ください。
雨天の場合はレクチャー&トークのみ
館長・細江英公、第49回毎日芸術賞を受賞
当館・館長の細江英公は、2007年春の叙勲・旭日小綬章受章に続き、第49回毎日芸術賞<映像Ⅱ部門(写真)>を受賞、2008年1月28日の贈呈式・祝賀パーティーに出席いたしました。
受賞理由は、細江が40年以上にわたり撮影を続けている舞踏家・大野一雄氏の生誕100年記念として2006年に発刊した写真集『胡蝶の夢』、東京都写真美術館で開催された「球体写真二元論 細江英公の世界」展における作品が評価されたものです。
文責:広報主任 小川直美