11月23日(祝)13:00~15:00、24名の参加者をお迎えし、細江英公展のクロージング・イベントを開催しました。
ギャラリー・トークのほか、当館コレクションであり、普段はショーケース越しにしかお見せできない希少な写真集を特別にご覧いただきました。解説、コメントは、副館長の瀬戸正人、細江展を企画した山地裕子学芸員がおこないました。
<当日鑑賞した豪華装幀本一覧> *すべて当館蔵
『薔薇刑』装幀・構成:杉浦康平
『薔薇刑』装幀・構成:横尾忠則
写真集命名と題簽:三島由紀夫 /章見出し・目次・収録文章のタイトルは三島の自筆
『鎌鼬』装幀・構成:田中一光
『抱擁』装幀・構成:細江英公
三島を被写体とし、細江が生と死、そしてバロック的な耽美空間を創造した「薔薇刑」。
横尾忠則の構成、デザイン、豪華絢爛なイラストが満載の『薔薇刑 新輯版―細江英公写真作品』は、近年入手がむずかしいこともあり、参加者の注目のまとでした。
また、舞踏家の土方巽を被写体に東北の土俗と霊性を表現した写真集『鎌鼬』。
通称、“鎌鼬ブルー”と呼ばれる、深く青い扉型のページを、山地学芸員がひとつひとつ開くと、時折、「おお!」「・・・・すごい!」というため息が。写真集の風合い、印刷、デザインに目を凝らすみなさんの熱気が会場にあふれていました。
「息をつめて1点の作品をみつめる瞬間を、自分以外の人とも共有できたことが素晴らしかった」
「作品のすごさはもちろん、デザインや印刷で新たな印象が加わることに感動しました。
こんなに豪華な装幀のものは、現代はなかなか創れないのではないでしょうか?」
「貴重で贅沢な時間。一人で見るよりも、なぜかずっと楽しかった気がします」
「ほかの写真集でも、こうした催しをお願いします」
参加された方々より、たくさんの声が寄せられました。
瀬戸正人副館長は「このKMoPA(ケイモパ)には、秘蔵の写真集がたくさんありますので、これからも積極的に公開していきます」と、みなさんのリクエストにお応えすることを約束しました。