1995年の開館以来、清里フォトアートミュージアム(K・MoPA)の館長を務めておりました細江英公が、2024年9月16日(月)、91歳で永眠いたしました。
細江英公館長は、20世紀を代表する世界的写真家の1人であるだけでなく、写真文化や写真界の発展と後進の育成に尽力してまいりました。
そしてK・MoPAの基本理念である「ヤング・ポートフォリオ」を通して、世界の多くの若い才能を発掘し育成することに情熱を注ぎ続けました。
弊館スタッフにとりましても、細江館長の写真への限りない愛情と情熱が精神的な支えでした。
館長の理念をさらに大きく発展させることで、深い悲しみを乗り越えてまいりたいと存じます。
スタッフ一同、謹んで哀悼の意を表しますとともに、心よりの感謝を捧げます。
ここに、生前のご厚誼に深く感謝し、関係各位にご報告申し上げます。
略歴
1933 年山形県米沢市に生まれ、東京で育つ。1951 年富士フォトコンテスト・学生の部最高賞受賞をきっ かけに写真家を目指す。1959 年、東松照明、奈良原一高、川田喜久治らとともに写真家によるセルフ・エー ジェンシー「VIVO」を結成、戦後写真の転換期における中心的存在となる。三島由紀夫を被写体とした「薔 薇刑」(1963)や、舞踏家・土方巽を被写体とした「鎌鼬」(1968)など、特異な被写体との関係性から紡 ぎ出された物語性の高い作品を次々と発表した。一方で国内外での写真教育、パブリック・コレクションの 形成等、社会的な活動にも力を注いだ。東京工芸大学名誉教授。1995 年より当館初代館長。2003 年、「生 涯にわたり写真芸術に多大な貢献をした写真家」として英国王立写真協会より創立 150 周年記念特別勲章を 受章したほか、2010 年、文化功労者。2017 年、写真家として初めて生前に旭日重光章を受章した。