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9/7(土)4つのイベントを終えて ロバート・フランク生誕100周年記念展

 

<金村修×タカザワケンジ>

14:00~15:00、9月の爽やかな空気のなか、金村修(写真家)× タカザワケンジ(写真家、写真評論家)『挑発する写真史』の著者2人をお招きし、当館ガーデンにてロバート・フランクの作品の魅力を語っていただきました。
 
 
金村&タカザワ
 
 
「孤独、虚無、自ら選んでアウトサイダーの側に立ったフランクの視点で捉えたアメリカの姿は、決して押しつけることはないものの、見る人が自分自身で考えるように仕向けられていて、これってどういうことなんだろう、と考え始めた瞬間に、もうフランクの仕掛けた罠にハマっている」(金村)
 
フランクがよくモチーフにしていたジュークボックスについても言及し「ジュークボックスを見ると、『あ。フランクだ』と思って自分も撮影してみるんだけど、どう撮ろうとやっぱりフランクになってしまう。しかも絶対に超えられない。そういう写真家とモチーフの関係性ってあるよね」(金村)
 
 
金村
 
 
「詩的」と表現されるフランクの作品。とくに写真集に顕著な比類ない編集力を紐解き、さらにはフランク自身がのめりこんだのではないかと思われる〝自身の作品を編集することの魔力″、フランクが写真、映像、写真と表現を変化していったことについてなど、タカザワ氏の絶妙な問いと解説をトリガーに、金村氏が縦横にフランク作品の魅力を語ってくださいました。
 
 
タカザワ
 
金村&タカザワ客席
 
 
 


 
 
 

<プリント・ヴューイング>

13:00~13:50、そして15:30~16:30には、当館の瀬戸正人副館長のトークと山地学芸員の解説による、当館収蔵のロバート・フランク作品のプリント・ヴューイングを行いました。各回とも定員を超える参加者の熱気に包まれた一時間。
 
「こんなに作品を間近に見る機会はないです。学生たちも、本当に勉強になったと喜んでいます」と、東京ヴィジュアルアーツ・アカデミーと大阪芸術大学の学生を引率くださったYPOBでもある写真家の元田敬三氏より、感謝の言葉をいただきました。会場の様子をご覧ください。
 
 
プリント・ヴューイング
 
プリント・ヴューイング
 
プリント・ヴューイング

金村修氏、タカザワケンジ氏も参加くださいました

 
 
 


 
 
 

<スライドショー>

ロバート・フランク生誕100周年記念展の最後を飾ったのは、18:15~19:15に開催したトヨダヒトシ氏によるスライドショー。ニューヨークでのフランクとの交流、「彼の部屋の、ものづくりをしている気配」(トヨダ)、そして映像から写真の世界に戻った頃のフランクの作品に影響を受けたというトヨダ氏の静かな語りの後、無音のスライドショーが始まりました。
 
 
スライドショー
 
スライドショー
 
 
「旅をやめ、日記をつけるように写真を撮り始めた頃からの5年の月日を三部構成で綴った映像日記第一作」(トヨダ)。
 
 
スライドショー
 
スライドショー
 
 
すこしずつ冷えてゆくガーデンの澄んだ空気、夕暮れから暗闇に変わりゆくあわいの樹々の影、トヨダ氏の映像日記に呼応するかのように響く虫の音―。
ライブ終了の挨拶をされるトヨダ氏の背後からは、時折、鹿の鳴き声も聞こえました。
不思議な浮遊感と余韻に満ちたライブに、お客様から深い感動の声が多く寄せられました。
 
 
スライドショー
 
 

<上映作品>

「An Elephant`s Tail ―ゾウノシッポ」(1998-2024 / 35mm slide film / 40min / silent)
1992年、ニューヨーク/窓からの眺め/エンパイア・ステイト・ビル最上階で働いていた/迷い込んできた猫との生活/川面の光/自分はここで一体何をしているのか/明け方の街/「日常」の力を教えてくれた人/ブルックリン北端の町で/冬へ/失ったもの/風景
 
午後から日暮れにかけての4つのイベントにご来場いただいたみなさま、誠にありがとうございました。
 
 
上映作品

右から:トヨダヒトシ氏、タカザワケンジ氏、金村修氏、小松浩子氏(写真家)

 
 
 
ロバート・フランク生誕100周年記念展
「もう一度、写真の話をしないか。フランクと同時代の作家たち」

会期:2024年9月29日(日)まで
開館時間:10:00~17:00(入館は16:30まで)
休館日:毎週火曜日

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