当館では「2009年度ヤング・ポートフォリオ」の選考委員をつとめていただいた須田一政氏。早すぎるご逝去に信じられない思いです。2日間の作品選考の後、須田氏は重要なコメントを残してくださいました。
「僕は月例で学んだ(コンテストに応募して)。写真っていうのは誰に見せるかっていうのが、すごく重要だと思う。誰が見たのかというのが、以後の作家性というか、方向性を学ぶのに一番影響すると思うんです。パワーを与えられるわけね。」
「2日間見ていて、これだけ“仲間”がいて、皆いろんな思いでものを作っているそれがなんかとても素晴らしいなと。僕なんかも久しく忘れていた写真へのときめきというものが、もう一度よみがえってきたような。たとえは変かもしれないけれど、高校野球のように、ドキドキ感とともにこの2日間作品を見させていただきました。」
作品を応募することの意義をはじめ、応募する若手写真家だけでなく選考委員側も、実は作家活動という孤独な道を照らす同士であることを示唆してくださいました。
旺盛な作家活動の傍ら「須田一政塾」を主宰するなど、長年にわたりプロ・アマを問わず写真家を導き、多くの後進を育てた須田氏。心よりご冥福をお祈りいたします。